BIANCA CLINIC
葉山 愛弥 先生
日本大学医学部卒業後、東京女子医科大学病院皮膚科にて助教、副病棟長、皮膚病理組織チーフを歴任。小児のあざや成人のシミ治療、美容皮膚科領域では脱毛・注入・小手術など幅広く経験を重ねる。吉祥寺まなみ皮フ科院長を経て、2025年よりBIANCAに入職。皮膚科専門医としての知見を活かし、美容医療のさらなる研鑽と普及に尽力している。
「ボトックス後に運動してしまった」と焦っている方のために、この記事では、ボトックス注射を受けるにあたって知っておくべきリスクと対処法についてご紹介します。
ボトックスを受けたのに運動をしてしまったという方にはもちろん、施術を計画している方にとってもためになる内容です。リスクを最小限にする方法や、受診の目安も一緒にお伝えしますので、最後まで読んで適切な対処をとるようにしてください。
ただし、万が一現時点で異常を感じる方は、すぐに医療機関へ相談することをおすすめします。
3秒でわかるまとめ
- ボトックス後の運動は、薬剤の拡散や腫れ・内出血につながる可能性があります。運動してしまった場合は中止し、異常がないか経過をみましょう。
- 運動再開は一般的に24~48時間後が目安です。筋トレやランニングなど強度の高い運動は、72時間程度空けることがすすめられています。
- 施術当日は、長時間の入浴やサウナ、飲酒、注入部位のマッサージにも注意が必要です。施術部位や製剤によって異なるため、クリニックの指示に従いましょう。
ボトックス後に運動してしまった!どうすればいい?
ボトックス注射を受けたあとは、医師から「運動は控えてください」と指示されることがほとんどです。ではなぜボトックス後は運動をしてはいけないのか、理由を確認しましょう。さらに運動をしてしまった場合の対処法についてもご案内します。
■ボトックス注射後に運動がNGな理由
ボトックス後に運動を避けるべき理由は以下のとおりです。
体温が上がりボトックスの効果が弱まる可能性がある
そもそもボトックスとは、A型ボツリヌス毒素を注入し、神経伝達の働きをブロックすることで筋肉の過剰な動きを抑え、シワを軽減したり咬筋を緩ませてエラの張りを和らげたりする施術です。
ボトックス注射の仕組みや期待できる効果について詳しく知りたい方は、以下の記事もご確認ください。
▽ボトックス注射とは?基本の仕組みや効果を詳しく見る
注入による治療のため、運動によって体温が上がると血流が促進されてしまい、薬剤が注入部位から拡散しやすくなります。その結果、施術によって見た目を変えたかった箇所の薬剤量が少なくなってしまい、本来の効果が十分に発揮されない可能性があるのです。
また、ボツリヌストキシンそのものが熱に弱いため、過度な体温上昇が製剤の働きを薄めるリスクも否定できません。
腫れや内出血が起こる可能性がある
ボトックス注射は皮膚の下に針を刺すため、多少ですがダメージが発生します。運動をすると血流が促進され、針を刺した部分を中心に腫れや内出血が起こるリスクが高まるのです。とくに、たくさん動いて汗をかくような運動や、ジムでの強度の高い筋トレは避けたほうが良いでしょう。
ボトックス注射後の内出血については、こちらの記事で詳しく解説しています。
▽ボトックス注射後の内出血について詳しく見る
■運動してしまった場合の対処法とアフターケア
もし誤ってボトックス注射後に運動をしてしまった場合は、適切な対処を施しリスクを最小限に抑えることが大切です。まずは運動をすぐに中止すること。
思い出した時点で運動をやめて、施術部分が腫れたり内出血したりしないよう、経過を観察しながら必要に応じて冷やしてください。万が一違和感やトラブルがある場合は、すぐにクリニックに相談しましょう。
ボトックス注射後のトラブルや仕上がりが気になる場合は、こちらも参考にしてください。
▽ボトックス注射の失敗について詳しく見る
ポイント
- ボトックス後に運動してしまっても、まずは落ち着いて、その後の運動や激しい活動を控えましょう。
- 運動の程度や施術部位などによって対応が異なるため、気になる症状があれば施術を受けた医療機関へ相談します。
- 強い腫れや痛みなど、通常とは異なる症状が現れた場合は、自己判断で様子を見続けず医師に確認することが大切です。
ボトックス後の正しい過ごし方と運動再開のタイミング
次は、ボトックス後のダウンタイム期間の正しい過ごし方と、運動再開のタイミングについてです。
ボトックス注射後のダウンタイムについても、あわせて確認しておきましょう。
▽ボトックス注射後のダウンタイムについて詳しく見る
■ボトックス後の運動はいつからOK?
ボトックス注射後の運動再開の目安は、一般的に24~48時間後です。ただし、運動の種類によってはさらに時間を空ける必要があります。
そのため、ボトックスを受けた翌日にすぐ運動をする予定を入れるのは避け、余裕をもって3日後くらいにスケジュール調整することをおすすめします。
軽いストレッチやウォーキングは当日可能とするクリニックもありますが、筋トレやランニングなど強度の高い運動に関しては、72時間程度様子を見てからの再開が良いでしょう。
■クリニックの指示に従う
日頃から運動をする習慣がある方や、運動量の多い職種の方は、あらかじめ医師に確認を。カウンセリングの際に、ボトックス後の運動について、どれくらいの制限があるのかを前もって聞いておきましょう。
ボトックスの種類や施術部位によっても運動再開の可否は異なるので、クリニックの指示に従うようにしてください。
ポイント
- 施術後は激しい運動を避け、できるだけ身体への負担を抑えて過ごしましょう。
- 運動を再開する時期は、施術部位や運動内容などをふまえて医師の指示を優先することが大切です。
- 運動以外にも、入浴や飲酒、マッサージなど施術後に注意したい行動があります。
ボトックス後で運動以外に気をつけること
ボトックスの施術を受けたあとは、運動以外にも気をつけるべきことがいくつかあります。
■サウナや湯船に入るのも当日は避ける
サウナや熱いお風呂は血行を促進し、ボトックスが施術部位以外の場所に拡散するリスクを高めます。ほかにも、体温が過度に上昇することで施術そのものの効果に影響を及ぼす可能性も。
「ボトックスのあと、湯船はいつから入れるんだろう?」と心配される方もいるかもしれませんが、基本的には施術当日、入浴の制限はないと説明することが多い傾向です。ただし、長時間の入浴や熱いお風呂は避けるのが無難でしょう。
また、ボトックスを打った当日に、「長く入浴してしまった」「サウナに入ってしまった」という方は、運動後と同じように経過観察をしてください。異常があればすぐに医師にご相談を。
■飲酒も避ける
ボトックス施術後は飲酒も避ける必要があります。飲酒がダメな理由としては、アルコールが血行を促進したり、血管を拡張したりするため、腫れや内出血を悪化させる可能性があるから。施術当日は控えて、翌日以降に様子を見ながら再開するのが良いでしょう。
■マッサージや施術部分は圧迫NG
注射部位を押したり揉んだりすると、薬剤の位置がズレる可能性があります。ボトックスが正しい位置にとどまるために、施術後、最低24時間は施術部位に圧をかけないことが重要です。
ボトックス後のマッサージはいつから可能かというと、施術内容によって差はありますが、約1週間後からが目安です。
■施術後4時間は横にならない
実は、ボトックス後に横になるのもNGです。横になるとボトックスが想定外の部位に拡散する可能性があるので、施術後4時間は座った姿勢を維持するようにしましょう。
「ボトックス後に横になってしまった」という方も、経過観察をして異常があればクリニックに問い合わせてみてください。
■ボトックスをした当日はとくに注意が必要
施術後数時間は薬剤が定着しきっていないため、とにかく当日(24時間以内)は慎重に行動することが重要です。注意事項をよく守り、正しいケアを行い、効果を最大限に引き出しましょう。
ポイント
- 運動以外にも、入浴や飲酒、サウナなど身体を温める行動には注意が必要です。
- 施術部位を強くこすったり、マッサージしたりすることは控えましょう。
- 施術後の過ごし方に迷った場合は、自己判断せず施術を受けた医療機関へ確認することが大切です。
ボトックスで得られる効果は?
ボトックス施術にて得られる効果についておさらいします。
■シワを目立ちにくくする
ボトックスは筋肉の動きを抑え、眉間やおでこ、目尻、あごなどのシワを軽減する効果が期待できます。とくに眉間のシワや目尻のシワといった、表情筋に起因するシワが気になる方が多く検討する施術です。
ボトックスと同じ注入治療のヒアルロン酸注射とよく比較されますが、どちらが適しているかは、シワの程度やたるみ具合などによって異なります。
例えば、筋肉由来の深めのシワにはボトックス、ほうれい線やマリオネットラインのたるみに対するアプローチにはヒアルロン酸が有効なケースがあります。ぜひ自身の悩みに合わせたアプローチ方法を見つけられるよう、信頼のおける医師へ相談してみてください。
■エラのハリを解消
エラ、つまり咬筋のハリを解消するのにも、ボトックスを用いることがあります。食いしばりなどで起こる筋肉の過緊張を和らげて、フェイスラインをスッキリさせる効果が期待できます。
歯ぎしりや食いしばりがある方や、小顔になりたい方によく選ばれる治療です。
■多汗症に対するアプローチにも
ボトックスは、発汗の働きを抑える作用もあります。脇や手のひら、足などの多汗症が気になる方のアプローチとして有効です。夏場や人前でのプレゼンの際の多汗に悩んでいる方は検討してみても良いかもしれません。
効果の持続性には個人差がありますが、4~9ヶ月程度のため、とくに汗をかきやすい季節に合わせて施術をするという手もあります。多汗症にお悩みの方はクリニックに相談してみましょう。
■ボトックスの効果が現れるまでの期間と持続性について
ボトックスの効果が出るのは、一般的に施術後3~7日。1~2週間程度で安定してくるケースがほとんどです。そしてその効果は、平均して約3~6ヶ月持続します。最大で約半年の効果ということなので、状態を継続したい場合は定期的な施術が推奨されます。
ボトックス注射には、こうした効果のほかにも知っておきたいメリット・デメリットがあります。
施術を検討する際は、期待できることだけでなく、注意点についても確認しておきましょう。
▽ボトックス注射のメリット・デメリットについて詳しく見る
ポイント
- ボトックスは、筋肉の動きを一時的に抑える作用を利用した施術です。
- 表情ジワやエラの張り、肩のこりなど、施術部位によって期待される変化が異なります。
- 効果の現れ方や持続期間には個人差があり、使用する製剤や注入量などによっても異なります。
ボトックス後の運動に関するよくある質問
最後に、ボトックス後の運動や過ごし方に関する疑問にお答えします。
Q1.ボトックス後に運動してしまったらどうすればよいですか?
A.気づいた時点で運動を中止し、施術部位に腫れや内出血などの異常がないか様子をみましょう。
必要に応じて施術部位を冷やし、違和感やトラブルがある場合は施術を受けたクリニックへ相談してください。
ボトックス後に気になる症状がある場合は、症状ごとの原因や対処法を確認しておくと安心です。
頭痛については、以下の記事で詳しく解説しています。
▽ボトックス後の頭痛はいつまで?
Q2.ボトックス後の運動はいつから再開できますか?
A.運動再開は、施術後24~48時間が一般的な目安です。
筋トレやランニングなど強度の高い運動は、72時間程度空けてから再開するのがよいでしょう。
Q3.ボトックス後に軽いウォーキングをしてもよいですか?
A.軽いストレッチやウォーキングは施術当日から可能としているクリニックもあります。
ただし、ボトックスの種類や施術部位によって運動再開のタイミングは異なるため、施術を受けたクリニックの指示を優先してください。
Q4.ボトックス後は運動以外に何を控えた方がよいですか?
A.施術当日は、長時間の入浴やサウナ、飲酒など、血行や体温に影響する行動を避けるのがよいでしょう。
また、施術部位を押したり揉んだりすることにも注意が必要です。
Q5.ボトックス後のマッサージはいつからできますか?
A.施術内容によって異なりますが、ボトックス後のマッサージは約1週間後からが目安です。
施術後最低24時間は、注入部位を押したり揉んだりして圧をかけないようにしましょう。
ボトックス後に運動してしまったときの対処法
ボトックス後に運動してしまった方は、ぜひ今回の内容を参考に適切な対処法をとってください。運動は、ボトックス施術の効果を弱めたり副作用を引き起こしたりする可能性があるため、しっかりと経過観察しながら再開するようにしましょう。
また、運動以外にも入浴・飲酒・マッサージ・横になることなど、注意すべき点がいくつかあります。正しい施術後の過ごし方とアフターケアをしっかり理解して、ボトックスの効果を最大限に引き出しましょう。
※ボトックスは米アラガン社の商標ですが、本記事内では読者の皆さまに分かりやすく伝わるよう、A型ボツリヌス毒素製剤の総称としても使用しております。
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| ・当サイトは、美容医療の一般的な知識をできるだけ中立的な立場から掲載しています。自己判断を促す情報ではないことを、あらかじめご了承ください。また、治療に関する詳細は必ずクリニック公式ホームページを確認し、各医療機関にご相談ください。 ・本記事は、執筆・掲載日時点の情報を参考にしています。最新の情報は、公式ホームページよりご確認ください。 ・化粧品やマッサージなどが記載されている場合、医師監修範囲には含まれません。 |
| 施術の内容 | ボトックス注射(ボツリヌストキシン製剤の注入) |
| 施術期間および回数の目安 | 約3~6ヶ月ごとに1回程度 ※状態によって異なります。 |
| 費用相場 | 15,000~100,000円程度 ※本施術は自由診療(保険適用外)です。注入部位や製剤、クリニックによって異なります。 |
| リスク・副作用等 | 注射部位の痛み、赤み、腫れ、内出血、筋力低下、表情の違和感、左右差、眼瞼下垂など |
| 未承認医薬品に関する注意事項について | ・ボツリヌストキシン製剤には、日本国内で承認を受けている製剤と未承認の製剤があります。また、国内承認製剤であっても、使用する目的・部位・用法・用量によっては、承認された範囲とは異なる使用となる場合があります。 ・国内未承認の製剤を使用する場合、医師の判断のもと個人輸入等により入手されることがあります。個人輸入された医薬品等の使用によるリスクについては、厚生労働省「個人輸入において注意すべき医薬品等について」をご確認ください。 https://www.yakubutsu.mhlw.go.jp/individualimport/healthhazard/ ・A型ボツリヌス毒素を有効成分とする国内承認医薬品があります。ただし、承認されている効能・効果、用法・用量は製剤によって異なります。 ・海外における承認状況や安全性に関する情報は、使用する製剤によって異なります。国内未承認製剤については、重大なリスクが明らかになっていない可能性があります。 ・国内未承認の医薬品や、承認された効能・効果、用法・用量と異なる目的で使用された医薬品については、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。 |












