再生医療×薄毛:女性の「FAGA治療」進化中 「まさか自分が」から始まる、30代女性の薄毛治療白書。 ―育毛サロンより効果的な、医療の選択肢とは?

再生医療×薄毛:女性の「FAGA治療」進化中 「まさか自分が」から始まる、30代女性の薄毛治療白書。 ―育毛サロンより効果的な、医療の選択肢とは?

女性の薄毛(FAGA)は40~50代に多い悩みですが、最近では30代で発症することもあり「まさか自分が……」とショックを受ける人が増えつつあります。

そんな女性の薄毛にアプローチするのは、育毛サロンや市販の育毛剤だけではなく、医療という選択肢もあることを知っていますか?

今回は、FAGA治療の最前線である“再生医療×女性の薄毛”に迫ります。

薄毛に悩む30代の女性は要チェックです!

「まさか自分が……」30代女性のFAGAに起きていること

薄毛 女性 再生医療×薄毛:女性の「FAGA治療」進化中 「まさか自分が」から始まる、30代女性の薄毛治療白書。 ―育毛サロンより効果的な、医療の選択肢とは?|NERO DOCTOR / BEAUTY(美容医療)まず初めに、過去記事でも取り上げてきたFAGAについておさらいし、FAGAを発症する30代女性が増加している背景を解説します。

■FAGAとは?自己判断が難しいのはなぜ?

以前、こちらの記事でもお伝えしましたが、

FAGA(女性型脱毛症)とは、女性の薄毛や抜け毛の総称

頭頂部または全体の毛髪が均一に抜けていくことが特徴です。

FAGAになると全体的に毛髪のボリュームが減るものの、男性の薄毛(AGA:男性型脱毛症)のようにツルツル状態になることはあまりありません。

FAGAは40~50代で発症することが多いとされますが、最近では30代女性にも増加しつつあります。

FAGAの自己判断が難しい理由は、女性の薄毛にはFAGA以外にもさまざまな種類があるため。

女性の薄毛に詳しい医師でなければ、FAGAかどうか確定診断することはなかなか難しいでしょう。

■FAGA特有の症状

薄毛の種類 分類図 再生医療×薄毛:女性の「FAGA治療」進化中 「まさか自分が」から始まる、30代女性の薄毛治療白書。 ―育毛サロンより効果的な、医療の選択肢とは?|NERO DOCTOR / BEAUTY(美容医療)

出典:PIXTA

FAGAには特有の進行パターンがあり、大きく分けて次の3つに分類されます。

■ルードヴィヒ型

ルードヴィヒ型は、FAGAの中でも発症率が高いタイプ。

重症度はグレードⅠ~Ⅲに分類されます。

ルードヴィヒ型では「頭頂部の分け目が広がってきたと感じる」「髪が細くなって全体的なボリュームが減った」といった悩みを抱く人が多い傾向です。

<ルードヴィヒ型の特徴>

  • 頭頂部~後頭部にかけて薄くなる
  • 生え際は後退しない
  • 薄毛になる箇所が本人からは見えにくいため、自覚しにくい

■クリスマスツリー型

クリスマスツリー型は、その名のとおりクリスマスツリーのような脱毛パターンになるタイプ。オルセン型とも呼ばれます。

クリスマスツリー型の人は「前髪が薄くなってきた」「額の生え際~頭頂部の地肌が目立つ」といった悩みを抱きやすいでしょう。

<クリスマスツリー型の特徴>

  • 生え際~頭頂部にかけて薄くなる
  • 本人も薄毛や脱毛に気づきやすい

■ハミルトン型

ハミルトン型は、男性のAGAにもある薄毛のタイプで、進行すると正面から見たときM字のような形になるタイプ。

「こめかみ部分の髪が細くなった」「ポニーテールやハーフアップにすると、薄毛部分のM字が目立つ」という場合はハミルトン型のおそれがあります。

<ハミルトン型の特徴>

  • 正面から見ると薄毛部分がM字に見える(いわゆるM字ハゲ)
  • 生え際がそり込みを入れたように薄くなる

■30代でFAGAを発症する原因

PC 再生医療×薄毛:女性の「FAGA治療」進化中 「まさか自分が」から始まる、30代女性の薄毛治療白書。 ―育毛サロンより効果的な、医療の選択肢とは?|NERO DOCTOR / BEAUTY(美容医療)30代でFAGAを発症する原因は、生活の変化によりホルモンバランスが乱れるためといわれています。

30代は結婚・妊娠・出産などライフステージが目まぐるしく変化する女性も多いでしょう。

また、仕事では責任あるポジションに就いたり、プロジェクトの主要メンバーに抜擢されたりすることも増えます。

日々、育児・家事・仕事などのマルチタスクをこなす女性や、家庭の事情でワンオペ状態が続く女性も多く、そのストレスは計り知れません。

自分を労わろうにも時間的・精神的な余裕がないため、ストレスが蓄積し続けた結果、ある日鏡の中の自分を見て薄毛を自覚する30代女性が増加しているようです。

ミノキ?注入?PRP?FAGA治療の最前線

頭皮 確認 再生医療×薄毛:女性の「FAGA治療」進化中 「まさか自分が」から始まる、30代女性の薄毛治療白書。 ―育毛サロンより効果的な、医療の選択肢とは?|NERO DOCTOR / BEAUTY(美容医療)女性の薄毛治療については、こちらの過去記事でも紹介しましたが、

最近では再生医療を用いた治療法の開発が進み、実用化もされています。

■再生医療の注入治療

FAGA治療で行われている再生医療には主に以下のようなものがあります。

■PRP療法

PRP(多血小板血漿)療法とは、患者自身の血液から分離・抽出した血小板を頭皮に直接注入して毛髪の再生を促す治療法。

2018年に薄毛の男女に対して行われた研究では、「PRPはヘアサイクルの活動期を維持し、毛髪の成長に関与している」と報告されました。

その後もPRP療法に関するさまざまな研究が行われ、最近ではFAGA治療にPRP療法を行う美容クリニックが増えつつあります。

■幹細胞培養上清液注射

幹細胞培養上清液とは、サイトカインとも呼ばれる幹細胞由来の成長因子・生理活性物質を多く含む液体のこと。

細胞の再生・修復を促進する効果が期待できるため、整形外科・内科・脳外科で活用されているほかFAGA治療でも注目されています。

あるクリニックでは、幹細胞培養上清液注射を受けたFAGA患者のおよそ8割が発毛を実感したというデータも。

ただし、個人差もあるため、医師に相談のうえ適切な治療法を選びましょう。

■エクソソーム毛髪再生療法

エクソソーム毛髪再生療法とは、精製したエクソソームを頭皮に直接注入することで発毛効果が期待できる治療法。

エクソソームはおよそ200種類もの細胞同士の情報伝達物質です。

エクソソームの内部に含まれる約50種類の成長因子の中には、発毛促進に関わるものもあります。

エクソソームを用いた再生医療は比較的新しいものであり、その研究は現在進行中です。

今後、女性の薄毛に対するエクソソームの治療法がどのように発展していくか期待されています。

■内服薬・外用薬などとの併用も可能

女性の薄毛を再生医療を用いて治療する際は、内服薬・外用薬、レーザー治療などと併用することもあります。

さまざまな治療法の組み合わせにより相乗効果が生まれ、患者一人ひとりにフィットした薄毛の改善が期待できると考えられています。

組み合わせ治療については、現在、臨床研究の段階です。

今後、各治療法の組み合わせや施術のタイミングなどについてもエビデンスが確立されれば、女性の薄毛治療はさらなる進化が見込めるでしょう。

育毛サロン・市販育毛剤との違いは?

疑問 女性 再生医療×薄毛:女性の「FAGA治療」進化中 「まさか自分が」から始まる、30代女性の薄毛治療白書。 ―育毛サロンより効果的な、医療の選択肢とは?|NERO DOCTOR / BEAUTY(美容医療)育毛サロンや市販の育毛剤との決定的な違いは、医療は「診断と処方の精度が高いこと」「細胞レベルで介入して治療を行えること」があります。

■育毛サロンと医療との違い

育毛サロン クリニック
目的 頭皮環境を整え、今生えている髪の毛を維持すること 医療行為により薄毛を治療すること
施術内容 ・食事療法
・頭皮の洗浄
・頭皮マッサージ
・育毛剤の塗布
・睡眠に対するアドバイス
など
・投薬治療(内服・外用)
・メソセラピー(注入治療)
・自毛植毛術
など
施術頻度 1週間~10日ごとに1回を約半年間
※コースや状態に応じて異なる
1~2ヶ月ごとに1回を約半年~1年間
※治療法や状態に応じて異なる
効果実感
までの期間
3ヶ月~2年
※ただし個人差あり
一般的に3~6ヶ月
※ただし個人差あり
費用相場 4,500~23,000円/回 ・メソセラピー:15,000~10万円程度
・内服薬:6,000~15,000円程度
・外用薬:1万円程度
・自毛植毛術;30~100万円以上
こんな方に
おすすめ
・薄毛予防がしたい
・体質改善に興味がある
・正しい育毛マッサージを習得したい
・リラックスしたい
・原因に応じた治療を受けたい
・費用対効果の高い薄毛対策をしたい
・発毛に特化した専門家に頼りたい

医療はFAGAの改善育毛サロンは頭皮環境の改善が目的です。

そのため、女性の薄毛を根本的に改善したいときは、クリニックを受診すると良いでしょう。

さらに、投薬治療に加えてメソセラピーや自毛移植術など、FAGAに特化したさまざまな治療を行っているクリニックなら、原因に応じた治療が受けられて◎。

また、費用対効果については、一般的にクリニックのほうが高いと考えられます。

育毛サロンでのケアに加えて増毛やウィッグを作成する際には定期的なメンテナンスが必要で、半永久的にメンテナンス費用もかかります。

一方、FAGA治療は髪の毛の状態を改善することが期待できるため、早期に治療を開始できるほどコストや治療期間も抑えられるケースが多いでしょう。

■市販育毛剤と医療用育毛剤との違い

市販の育毛剤 医療用育毛剤
目的 血行促進や保湿などを行い、抜け毛を予防し頭皮環境を整えること 発毛促進や薄毛の改善をすること
メリット 処方箋不要で、ドラッグストアや一般薬局で購入可能 より高濃度の有効成分を配合
デメリット 医薬部外品のため、配合される有用成分の濃度に上限がある 医師の診断と処方箋が必要

医療用育毛剤が発毛の促進や薄毛の改善を目的としているのに対して、市販の育毛剤は抜け毛を予防して頭皮環境を整えることが目的です。

軽度な薄毛であれば市販の育毛剤で様子を見るという選択肢もあるかもしれません。

しかし、FAGAが進行している場合や、根本的な改善を希望する場合はクリニックで診察を受け、場合によっては医療用育毛剤を処方してもらうと良いでしょう。

医師が語る「FAGA治療を続ける人・やめる人」

問診 再生医療×薄毛:女性の「FAGA治療」進化中 「まさか自分が」から始まる、30代女性の薄毛治療白書。 ―育毛サロンより効果的な、医療の選択肢とは?|NERO DOCTOR / BEAUTY(美容医療)今回、NERO編集部はFAGA治療の経験が豊富な医師に取材を行い 、FAGA治療を行う女性にはどのような特徴があるのか伺いました。

■長期で成果を出すには?患者の継続率やリバウンドの実態

ある調査によると、AGA治療を1年未満でやめてしまった男性はおよそ64% でした。

治療をやめた理由としては、「効果の実感が十分でなかったため」「費用が高かったため」という項目が上位に。

FAGA治療の継続率については調査結果が見つかりませんでしたが、おそらく同程度かそれ以上の割合とも考えられます。

また、A医師にお話を伺ったところ、FAGA治療を中止してすぐに薄毛がリバウンドすることはありませんが、治療の効果は3~6ヶ月ほどかけて薄れていくことが多いのだとか。

さらに、治療中止から1年ほど経つと、治療前の状態に戻るケースが多いようです。

A医師からは、「ある程度まで発毛や薄毛の改善を実感したら、すぐに治療を止めるとそれまでの努力が水の泡になりかねません。

治療費用や通院ペースを負担に感じたり、処方された薬で体調に違和感を覚えたりしたら、すぐに主治医に相談しましょう。

自分のペースで治療を続けることが大切です」とアドバイスをいただきました。

■医師が見てきた“成功する患者像”と“落とし穴”

取材したA医師によると、「FAGA治療が成功する患者の特徴は“根気強く素直な方”」なのだとか。

FAGA治療で効果を実感できるのは治療開始から数ヶ月はかかるのが一般的といわれています。

そのため、継続的に通院を続けられる人や、医師のアドバイスを素直に聞いて実行できる人ほどFAGA治療で結果が出やすいのかもしれません。

また、以前、こちらの記事でもお伝えしましたが、

FAGA治療をストップすると、女性の薄毛がせっかく改善しても投薬・施術の効果が薄れてしまい症状が再発するという落とし穴があるといわれています。

A医師からは、「効果を実感すると安心しがちですし、日々忙しい30代女性は治療やケアをつい中止してしまうこともあるでしょう。

しかし、FAGAの再発や進行を予防するためにも通院や正しいヘアケアは怠らないようにしたいですね」というアドバイスをいただきました。

まとめ:30代女性の薄毛は内服から。程度によっては再生医療も検討を

髪 女性 再生医療×薄毛:女性の「FAGA治療」進化中 「まさか自分が」から始まる、30代女性の薄毛治療白書。 ―育毛サロンより効果的な、医療の選択肢とは?|NERO DOCTOR / BEAUTY(美容医療)女性の薄毛治療は内服薬や外用薬が一般的でしたが、現在は再生医療を行うクリニックも増えつつあります。

育毛サロンや市販の育毛剤は頭皮環境を整えて、今ある髪の毛を健やかに保つことが目的。

一方、医療ならば女性の薄毛の原因に根本的なアプローチを行えます。

人生100年時代といわれるため、30代女性はこの先の人生も長いもの。

内面から整えていつまでも美しい髪の毛をキープするために、「もしかしてFAGAかも……?」と思ったら、ぜひ医療のチカラを頼ってみてはいかがでしょうか。

診断と処方の精度が高く、細胞レベルで介入できる施術を提供しているクリニックや医師がきっとあなたの薄毛悩みをサポートしてくれるはずです。

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