
厚生労働省は、美容医療分野における違法行為の具体事例と法的解釈を示した通知を全国自治体に発出した。背景には、相談件数が増加し、無資格者による施術や診断が横行している実態がある。通知では、脱毛、アートメイク、HIFU、治療方針の提案、チャット診断、採血などを無資格者が行えば医師法違反に当たると明示。
さらに、料金説明を装った治療法の提案も医学的判断を伴う場合は「診断行為」として違法とされる。名称を「タトゥー」や「メイク」と変えても、アートメイクは医行為に該当するとの解釈も示された。自由診療として拡大する美容医療に対し、グレーゾーンを排除し行政監督を強化する姿勢が鮮明になった。
無資格者施術の実態と通知の狙い
厚労省が出した通知は、2024年にまとめられた検討会報告書を踏まえ、美容医療で横行する不適切事例に法的根拠を示したもの。
調査では34.5%がカウンセラー、21.7%が受付による診察・施術を経験していたと回答し、現場の実態が明らかになった。通知は、こうした行為を「医業」に該当すると整理し、違法性を明確化した。
出典:厚生労働省「全国の消費生活センターに対する相談事例」(PIO-NET相談事例)
脱毛・アートメイク・HIFU・治療法提案を違法と明示
通知では、無資格者が行う脱毛、アートメイク、HIFU施術、採血を違法事例として列挙。
さらに「この人には切開法が適している」といった治療法の提案も医学的判断に当たり、違法と解釈した。
特にアートメイクは名称を「○○タトゥー」「○○メイク」と変えても医行為に該当し、無資格施術は認められないと説明した。
チャット診断や記録不備も対象に
また、無資格者がビデオ通話やチャットを通じて医学的判断を行うことも違法とされた。診療記録の不備も違反対象とし、保健所による立ち入り検査の根拠を提示。
過去には最高裁が刺青を医師法違反に当たらないと判断した例もあり、アートメイクとの線引きは曖昧さを残すが、今回の通知で行政は一層厳格な対応を打ち出した。
参考文献
▼以下、参考内容/
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