あなたは「セルフプレジャー」していますか?【使わないと膣も老化する】「セックスレス」のデメリット・夫婦生活とオナニーの関係とは

あなたは「セルフプレジャー」していますか?【使わないと膣も老化する】「セックスレス」のデメリット・夫婦生活とオナニーの関係とは

セックスレスは、現代の夫婦において決して少なくない悩み。しかしパートナーはもちろん、友人にも相談しづらく1人で悩んでいる方もいるでしょう。そもそも、セックスをしないことにはデメリットがあるのでしょうか?そして、セックスレスが解消できない・したくない場合はどうすれば良いのでしょうか?その解決法の1つが「セルフプレジャー」です。今回はセルフプレジャーを増やすことで得られる、メリットや魅力を解説します。ラブグッズのPR案件などではありませんので、安心して読んでくださいね。

1.セックスレスの実態とデメリット

「結婚生活が長く、セックスはもうなくなった」「セックスをすると痛いからあまり好きじゃない」「したいのに、夫が抱いてくれない」「育児があると、セックスのタイミングがわからない」… 。さまざまな原因で陥るセックスレス。セクシュアル・ヘルス(性の健康)の促進を図る日本性科学会によると、セックスレスの定義は「特殊な事情がないにもかかわらず、カップルの合意した性交あるいはセクシュアル・コンタクトが 1 ヶ月以上なく、その後も長期にわたることが予想される状態」とされています。セックスレスの実態とデメリットにについて解説します。

セックスレスの状態にある人は半数以上

セックスレスは、現代の日本でとても身近なものです。2020年に一般社団法人日本家族計画協会家族計画研究センターが調査したアンケート「【ジェクス】ジャパン・セックス・サーベイ 2020」によると、セックスレスの定義にあたる人(年数回・1年以上なし)の割合は、男性が61.6%、女性が 64.2%でした。そのうち「この一年間、(特定の相手に限らず)セックスをしていない」と答えた人は、男性41.1%、女性 49.5%です(※1)。
また男女ともに、年齢が上がるにつれてセックスレスの割合は上昇。30代女性のセックスレスの割合は49.5%、40代女性は79.5%となっています。性の話題は、友人同士でもオープンに話さないという人が少なくないでしょう。しかしセックスレスは、誰にとっても非常に身近な問題といえます。

セックスレスのデメリット

そもそもセックスレスは、悪いことなのでしょうか?カップルの双方が同意している状態のセックスレスであれば、大きな問題はないかもしれません。しかしそうでない場合は、2人の信頼関係にも影響してしまいます。セックスをする・しないという結果よりも、お互いに素直な気持ちを伝え合うこと、理解し合おうとする姿勢があることが大切です。
またパートナーとの関係性以外にも、セックスレスにはいくつかのデメリットが考えられます。

幸せホルモンの不足

幸せホルモンとは、オキシトシンやエンドルフィン、ドーパミンといった物質のこと。セックス中は、脳内にそれらの幸せホルモンが分泌されます。
幸せホルモンは、ストレスや不安の緩和、血圧低下などの働きを持ち、愛情や幸福感などを高めるのが特徴です。そのため、セックスレスで幸せホルモンが不足した状態にあると、日常のストレスや緊張状態が続き、乗り越えるのが困難になる可能性があります。

膣の劣化

膣は粘膜に覆われている筋肉です。そのため、使わなかったり適切なケアをしなかったりすると、萎縮や乾燥が進んでしまいます。とくに閉経が近付いた女性の場合は、女性ホルモンのエストロゲンが減少することで、急速に膣周辺が衰える可能性が。膣の衰えとともに膣周辺を支える骨盤底筋群も緩むため、尿漏れや便秘、骨盤臓器脱(膣の中に膀胱や子宮などの臓器がはみ出た状態)などにつながります。出産経験のある女性は症状が出やすいため、とくに注意が必要です。

2.セックスレスが解消できない場合・セックスしたくない場合におすすめの【セルフプレジャー】とは

セックスレスにデメリットがあることが分かっても、自分だけの意向ではセックスレスは解消できません。セックスレスを解消するためには、自分の気持ちだけでなくパートナーの気持ちが大切です。また、パートナーがセックスを求めていたとしても、自分はセックスをしたくない場合もあるでしょう。そのようにセックスレスを解消できない・セックスしたくない場合には、「セルフプレジャー」を取り入れるのがおすすめです。

セルフプレジャーは自分で性的な快感を得る行為

「セルフプレジャー」とは、いわゆるオナニーやひとりエッチ、自慰と同じ行為を表します。オナニーというと男性のイメージが強いですが、性別に関わらず、自分自身で性的な快感を得る行為のことです。オナニーや自慰よりも明るくポジティブな表現として、近年「セルフプレジャー」が使われるようになりました。

セルフプレジャーによるメリット

セルフプレジャーには、単に「性的欲求を満たす」だけでなく、オーガズムを得ることによる健康メリットがあります。とくにセックスレスの人にとっては、セルフプレジャーから得られるメリットは多いでしょう。
女性がセルフプレジャーを行うことで得られる大きなメリットは、「幸せホルモンの分泌を促すこと」です。セックスをしなくても、セルフプレジャーによってオーガズムに達することで、脳内にはオキシトシンやエンドルフィン、ドーパミンといったたくさんの幸せホルモンが分泌されることが分かっています。
幸せホルモンが分泌されることで心や体にもたらされる効果は、次のとおりです。

睡眠の質が高まる 幸せホルモンによって安心感や多幸感が高まり、リラックスして入眠しやすくなります。睡眠を促すメラトニンの分泌量がアップする効果も。
自律神経が整う リラックス時に働く副交感神経を優位にして、乱れた自律神経を整える効果が期待できます。
美肌・美髪を導く セルフプレジャーによってエストロゲン分泌が促されると、肌や髪の質感アップが期待できます。
生理痛や頭痛の緩和 エンドルフィンは強い鎮痛作用があるため、セルフプレジャーによって生理痛や片頭痛を軽減します。
心の安定・自己肯定感 幸せホルモンが不安や緊張、イライラを改善し、愛情や幸福感をもたらすことで、心の安定につながります。自分を大切にすることで、自己肯定感アップも。

その他、セルフプレジャーをすることで自分の欲求や体についてより深く理解できるようになることも、大きなメリットです。その結果、パートナーとのセックスに前向きになれたり、セックス時に積極的に楽しめたりするようになるでしょう。自分の性にしっかりと向き合うことは、人生に充実と幸福感をもたらすことにつながります。
セルフプレジャーのメリットについては、こちらの記事でも詳しく解説しているので、参考にしてください。

3.どれくらいの人がセルフプレジャーしている?セルフプレジャーの事実

自慰やオナニーというと男性のイメージが強いですが、女性でもセルフプレジャーを経験している人は珍しくありません。セルフプレジャーについて実態を調べました。

女性でも約半数がセルフプレジャーの経験アリ

既出の「【ジェクス】ジャパン・セックス・サーベイ 2020」によると、女性全体のうち、セルフプレジャーを経験したことがある人の割合は56.4%でした(※1)。
とくに20~30 代女性の4人に1人は、月に1回以上のセルフプレジャーをしています。若い世代にとって、セルフプレジャーは日常的なことだといえるでしょう。

セルフプレジャーは手やアイテムを使うのが主流

多くの人は、自分自身の手を使ってセルフプレジャーを行っています。しかしセルフプレジャーの際にアイテムを使用するのも、決して珍しいことではありません。
「【ジェクス】ジャパン・セックス・サーベイ 2020」では、女性がセルフプレジャー時に使用するアイテムは、約85%が「手」と回答していました(※1)。また12.9%の女性は、バイブや男性器をかたどったディルドなどのアイテムを使用。とくに20代女性は、21.4%がアイテムを使用していると回答しています。

背景にセクシャルウェルネスの意識や女性の主体性の高まり

これまで日本では、性のことはタブー視され、女性が性的欲求やセルフプレジャーについてオープンに語ることは避けられる傾向にありました。しかし近年は、世界的にセクシャルウェルネス(性の健康)やボディリー・オートノミー(自分の体は自分のものだという意識)の価値観が高まっています。
生理や妊娠・出産・産後などといった「女性特有の性にまつわる健康課題」に対して、フェムテック・フェムケアと呼ばれる産業も誕生。セルフプレジャーが女性のセルフケアの1つとして捉えられ、セルフプレジャー用アイテムとして、女性向けのデザイン・機能性のものが多く開発されています。
このような背景から、これまでよりも女性が主体的に自分の性的欲求や体と向き合うようになり、セルフプレジャーも積極的に受け入れられていると考えられるでしょう。

【セルフプレジャー体験談】したことがない人も、始めてみるのはどう?

セルフプレジャーをしたことがない人の中には、恥ずかしい気持ちや抵抗感がある人もいるでしょう。性的なことになんとなく罪悪感がある人もいるかもしれません。しかし人が性的な欲求を持っているのは、ごく自然なこと。自分の素直な気持ちを受け入れて、うまく付き合っていくことは、自分らしい人生を送るうえでも大切です。セルフプレジャーは、そのための有効な方法の1つといえます。
セルフプレジャーが気になっている人の背中を押すために、セルフプレジャーをしている人の体験談を紹介しましょう。

「経験するまでは、セックスにもセルフプレジャーにも抵抗があった。パートナーと別れたのをきっかけにセルフプレジャーをやってみると、自分にも本当は性欲があったんだということがわかって、そんな自分を認められた。」

「セルフプレジャーを始めたことで、自分の本当の気持ちや欲求を受け入れることにつながったと思う」

「完全に自分のペースでできるのがセルフプレジャーのメリット。セルフプレジャーをするとリラックスして、不安やストレスがほっとほどける感じがする」

「セルフプレジャーをすることで、自分が気持ち良いと思う部位や方法が初めてわかった。パートナーとのセックスでも、より気持ち良くなれた」

セルフプレジャーをすることで、セクシャルウェルネスや自己肯定感の向上につながっている人は少なくないようです。

まとめ

セックスレスは、多くの女性にとって身近な問題です。セックスレスによって幸せホルモンの不足や膣の劣化が起こってしまうと、QOL(生活の質)や人生の充実度の低下にも影響してしまいます。そんなセックスレスの人にとって、セルフプレジャーは心身ともにメリットの多い方法。もしまだ体験したことがないのなら、セルフケアの1つとして取り入れてみるのもおすすめです。自分の心と体をしっかり見つめて、ぜひ大切に扱ってあげてくださいね。

【参考】
※1 一般社団法人日本家族計画協会家族計画研究センター「第4回【ジェクス】ジャパン・セックス・サーベイ 2020」

・当サイトは、美容医療の一般的な知識をできるだけ中立的な立場から掲載しています。自己判断を促す情報ではないことを、あらかじめご了承ください。また、治療に関する詳細は必ずクリニック公式ホームページを確認し、各医療機関にご相談ください。
・本記事は、執筆・掲載日時点の情報を参考にしています。最新の情報は、公式ホームページよりご確認ください。
・化粧品やマッサージなどが記載されている場合、医師監修範囲には含まれません。