“麻酔のアップセル”とは、クリニック側がカウンセリング中や施術直前に麻酔の追加オプションを提案し、施術料金を上乗せすること。
中でも、痛みに対する患者の不安や恐怖につけこみ、不必要な麻酔を追加させ、高額な費用を請求するケースが問題となっています。
そもそも、麻酔は患者の心身のストレスを取り除き、安全に施術を行うための医療行為。正当な理由なく麻酔のアップセルを行うことは患者の心身や経済状態に負担をかけるため、医療倫理に反します。
今回は、悪徳クリニックの手に引っかからないよう、麻酔のアップセルについて仕組みを解説!ぜひ最後までチェックしてください。
美容医療で使用される麻酔の種類解説
麻酔は「全身麻酔」と「局所麻酔」の2種類に大別されます。美容医療で使用される麻酔について、それぞれ詳しく見ていきましょう。
全身麻酔
全身麻酔は、中枢神経に作用するタイプです。施術中は意識がなく完全に眠っている状態で、痛みを感じなくなります。
原則として、適応・投与法・投与量・投与速度などの判断は麻酔科医の指導のもと行われることが望ましいとされています。
局所麻酔
局所麻酔は、脊髄(せきずい)神経・末梢神経・自律神経の特定部分で神経伝達がブロックされるタイプです。
施術中も意識は保たれ目覚めている状態ですが、麻酔をした周辺のみ無痛、または必要最小限の痛みに抑えられます。
麻酔費用に差がある理由とは?
NERO編集部が調べたところ、クリニック間で麻酔の成分自体に大きな差はないことが多いようです。同じ種類の麻酔でも美容クリニックによって費用が異なる理由としては、以下が考えられます。
クリニックの実績・規模・志向
一般的に、実績がある大手のクリニックや高級志向のクリニックなどは、施術費用のほか、麻酔費用をはじめとするオプション料金を高めに設定することが多いようです。
クリニックの広告費・地代家賃などの経費
クリニックのブランディングや宣伝に多額の費用をかけていたり、都心部・高級エリアなどにクリニックを構えていたりすると、当然ですが経費がかさみます。
その分、施術費用だけでなく麻酔費用を含むオプション料金にも反映されることになるでしょう。
麻酔器・設備の充実度
全身管理を行うべき施術では、麻酔器やモニター、蘇生機器などが必要になってきます。全身麻酔後の入院設備がある美容クリニックもあります。
性能が高い機器や先端の設備は導入・維持するコストが高額になるため、麻酔費用も比例して割高になる傾向です。
麻酔科医・専門スタッフの人件費
全身麻酔やリスクの高い施術では、患者の状態を管理するため麻酔科医が必要となります。また、熟練のオペ看護師や手術機器の管理・モニタリングを行う臨床工学技士などが対応する場合もあります。
人件費がかかる分、麻酔費用もアップするでしょう。
施術時間・施術範囲に伴う麻酔の使用量の増加
施術時間が長く施術範囲が広いほど、使用する麻酔の使用量は多くなります。また、同じ施術であっても担当ドクターの技術や方針により施術時間や施術範囲が変化することもあるため、麻酔費用が高くなる要因となります。
本当に必要な麻酔の選び方
麻酔のアップセルを行うクリニックには利益至上主義なところもあれば、「患者の安心のために」と良心的に提案しているところもあり、パターンはさまざまです。結論から言うと、麻酔のアップセルに患者が心から納得しているのであれば問題はありません。
ただし、医療倫理に反した麻酔のアップセルに引っかからないために、本当に必要な麻酔の選び方についてポイントを押さえておきましょう。
痛みへの耐性に合わせて選ぶ
痛みの感じ方は人それぞれ。同じ施術でも表面麻酔だけで十分耐えられる人もいれば、痛みに弱くほかの麻酔をオプションで追加したい人もいるでしょう。
ただし、医師やカウンセラーから「痛みに弱いですか?」と聞かれたら、即答は避けるのが無難。また、施術直前に医師から「痛みに弱そうなので笑気麻酔を追加しておきますね」と言われたケースもあるよう。
自分に必要な麻酔とその根拠を医師に質問し、当日になって麻酔のアップセルをされないように対策しておきましょう。
施術の特性に合わせて選ぶ
施術箇所や施術時間によっては、しっかりと麻酔を行ったほうが良いケースもあります。希望する施術の痛みレベルや麻酔について事前に情報収集しておき、麻酔に関する医師の説明をチェックすると良いでしょう。
疑問に感じたら、「その麻酔でないと施術が受けられない理由はありますか?」と質問して反応をうかがうのも1つの方法。医学的な根拠やデータ、症例経験などに基づいた説明が返ってきたら安心できそうです。
見積書をもらって検討する
見積書をもらい、麻酔費用が明記されているかもしっかりと確認を!記載がない場合は、麻酔の有無や種類を確認して、「すべて込みでこちらの価格ですか?」と念押ししておきましょう。
見積書の麻酔費用があまりにも高額な場合はアップセルのおそれがあります。麻酔の種類を確認したうえで、必要なければ「追加オプションの麻酔は不要です」と断ってもOK。患者側には施術内容を取捨選択する権利があることをお忘れなく。
麻酔でアップセルされないよう、怖さと仕組みを知って対策を!
残念なことですが、アップセル狙いで不必要な麻酔をすすめてくる美容クリニックがあることは事実です。クリニック側にも事情があるのかもしれませんが、施術を受ける患者側にはまったく関係のないこと。
「痛みへの不安を煽ってきたり、麻酔のオプションを強くすすめてきたりするのは信頼性に欠けるクリニック」と覚えておきましょう。少しでも不審に思ったら施術の契約はせず、別のクリニックで相見積もりを取り麻酔費用を比較してみると冷静に判断できそうです。
今回の記事で麻酔のアップセルの仕組みを知り、施術を受ける際の参考にしてください。誠実な美容医療を提供しているクリニックと出会えますように。





