ボトックスのデメリットとは?失敗しないために知りたい副作用と対策

ボトックスのデメリットとは?失敗しないために知りたい副作用と対策

ボトックス注射が気になっているものの、「表情に違和感が生じる」「アレルギー反応が起こることがある」といった副作用やデメリットを聞いたことがある方もいるはずです。そのため「やめたほうがいいのかな」となかなか治療に踏み出せないでいる方も多いでしょう。治療をするにあたって副作用やデメリットを把握しておくことはとても重要なことです。安心して治療を受けられるようにするために、起こり得る症状をきちんと知っておきましょう。

1.ボトックス注射とはどんな効果がある施術なの?

出典:photoAC

ボトックス注射とは、ボツリヌストキシンという毒素の一種を生理食塩水で薄め、精製したものを注射し、筋肉の動きを抑制することで美容効果を得る治療です。例えば、眉間にシワを寄せる癖がある方は、表情筋の動きにより眉間にシワが寄ってしまいますが、表情筋に対しボトックス注射をするとシワの改善が促されます。エラが気になる方は、歯を食いしばるときに使用する咬筋へボトックス注射をすると、エラの張り出しを抑える効果が期待できるのです。

ボトックス注射は数分程度の治療時間で、2~3日中に効果が出るのも特徴です。効果は数ヶ月~半年程度持続します。比較的安全性が高い治療として知られていますが、薬剤を注射する治療なので、体質によっては治療できない方も。妊娠中や授乳中の方、抗血小板薬や抗凝固剤による治療を受けている方、神経疾患を患っている方には、治療を受けられない可能性があります。

ほかにも、内服している薬の種類によっては副作用が出現するリスクがあるため、事前に医師に相談してみてください。また、高齢の方や未成年の方も、治療可能かどうか医師と相談してみましょう。

2.ボトックス注射のデメリットや副作用

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ボトックス注射を安心して受けるためには、生じうるデメリットやリスクを知っておくことが大切です。どんなデメリットやリスクがみられる可能性があるのか、具体的に見てみましょう。

■表情に違和感が出る

ボトックスは、筋肉の動きを抑制して効果を得る施術です。そのため、薬の注入量のバランスが悪かったり、必要以上の量を打ちすぎたりしてしまうと、抑制しなくてもいい表情筋にまで薬が影響し、表情に違和感が生じてしまいます。具体的には、口角が上がりにくい、眉が常に上がった状態になる、笑顔が作りにくいなどです。

なお、施術に問題がなくても治療直後は違和感を覚える場合がありますが、このような感覚は数週間程度で解消されることが多い症状です。

■アレルギー反応が起きる

稀ではありますが、中にはアレルギー反応を起こす方もいます。アレルギー反応は製剤や注射針の金属などが原因で起こり得ますが、多くの場合は、1週間で治まる程度の軽い腫れやかゆみ、赤みなどです。人によっては強い症状が出る方もいるため、何らかのアレルギーがある場合は、事前に医師に伝えておきましょう。

■肌がたるむことがある

ボトックス注射は、表情筋を緩めて美容効果を得る治療です。表情筋は、皮膚の表皮、真皮、皮下組織を支えているため、表情筋を緩めることにより皮膚を支えられなくなり、肌がたるむことがあるのです。高齢の方や皮膚の弾力性が低下している方、皮膚が薄い方はたるみが生じやすいため、とくに製剤の注入量や打ち方に気をつける必要があります。

■痛みや腫れ、内出血が起きる

ボトックス注射の際、人によっては麻酔をしても痛みを感じてしまうケースもあります。薬剤を注入する注射針が毛細血管に当たると、施術後に腫れや内出血が生じることがあります。
ほとんどの場合2~3日で症状は落ち着きますが、治療後に予定がある方は注意しておきましょう。施術後はメイクできるため、多少のカバーは可能です。

■倦怠感や頭痛が起きる

ボトックス注射をすると、抑制された表情筋の代わりに普段は使用しない表情筋が使われ、コリや疲労につながることがあります。疲労により血流が悪くなると、頭痛が生じることも。また、薬の効果が強く出てしまうと、倦怠感や発熱、めまい、吐き気などが伴う場合もあります。
数日中に治まることが多いですが、薬剤の不適合や施術に問題が生じていた可能性も考えられるため、症状が強いときはクリニックに相談してみましょう。

■噛む力が低下する

噛む力の低下は、エラ改善や小顔効果を狙う治療の際に生じる可能性があります。エラ改善などの治療では、食べものを噛むときに使用する筋肉の働きを抑えるため、ものが噛みにくくなるのです。生活に支障が出るほど強い症状が出ることは少なく、数週間で自然に治まることがほとんどです。

■左右非対称の仕上がりになる

人の顔はもともと左右非対称で筋肉量も左右で異なるため、製剤の注入量を調整する必要があります。ボトックス注射で左右差が生じると、不自然な仕上がりになってしまいます。原因の多くは施術者の技術不足です。

■打ち続けると効果が薄れることも

ボトックス注射を打ち続けることは、とくに問題はありません。継続して打ち続けることで、効果を維持できる期間が長くなり、施術間隔を延ばせるともいわれています。ただし、体の中でボツリヌス菌に対し耐性がつくと効果が薄まることも考えられます。そのため、注射を打つ頻度や薬の量には注意する必要があるでしょう。

一方で、ボトックス注射を急にやめるとどうなるのか不安に感じる方もいるかもしれませんが、やめても急にシワが増えたり、老け顔になったりすることはありません。注射をやめると注射により抑制されていた筋肉が再び動くようになるため、シワなどは元どおりになりますが、症状が悪化することはないでしょう。

3.ボトックス注射のメリット

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ここまでデメリットやリスクを挙げてきましたが、切開を伴うような治療と比べ体への負担が少なく、メリットも多い治療です。また治療後のむくみや腫れが少ない点も魅力です。部位に適した製剤を注入するぶんにはデメリットを生じにくいことから、さまざまな医療機関で以下のような治療に応用されています。

  • フェイスラインのリフトアップ
  • ガミースマイル(笑うと歯肉が見える状態)の改善
  • 口角が下がるのを抑える
  • 皮脂の分泌を抑え毛穴の開きを改善する
  • 多汗症の改善 など

万が一施術後の仕上がりに納得できなかったとしても、効果の持続期間が限られているため、やり直しできる点もメリットの1つでしょう。

4.ボトックス注射で失敗しないための注意点

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ボトックス注射はメリットが多い一方で、デメリットやリスクを生じる可能性がゼロではありません。仕上がりを後悔しないためには、ボトックス注射に関する注意点をしっかりと把握しておきましょう。

■注射部位を触らない

ボトックス注射後は、注射部位にむやみに触れないようにしましょう。注射部位に触れすぎてしまうと、注射した薬剤が広範囲に拡散し、必要な部位で十分に効果を発揮できない可能性があります。また必要ない部位に働き、副作用を引き起こしてしまうケースも。触ったり揉んだりしてしまうと内出血を引き起こすこともあるので、施術後1~2時間は触らないように気をつけてください。

■注射後は安静に過ごす

ボトックス注射を受けた当日は、安静に過ごすことも大切です。ボトックス製剤は熱に弱い性質があるため、血行を促すような激しい運動や飲酒、サウナは禁物。ボトックス注射の効果が十分に得られなくなってしまう可能性があるため、長時間の入浴も避けましょう。

また、椅子に座った状態で施術した場合、薬液はその姿勢で適切な位置になるよう注入しています。そのため、施術後3時間程度は寝転がったり違う姿勢を取ったりしないほうが望ましいでしょう。

■クリニック選びにも注意する

ボトックス注射の失敗やデメリットを回避するためには、クリニックや医師選びも重要です。筋肉量や動きを確認し、注入量や注射部位を判断する際には、医師の知識や技術が必要になります。そのため、クリニックの症例数や資格の有無などを確認すると安心です。
施術前のカウンセリングで、仕上がりイメージを医師とすり合わせられるかどうかも大切。カウンセリング時間をしっかりと設けてくれるクリニックを選ぶとよいでしょう。

■失敗したと感じたときの対処法も知っておく

ボトックス注射をした際、「失敗したのかな」と感じたときにどうしたらいいのかも把握しておくことも大事です。施術後の違和感や不安定な状況は、2週間程度かけて徐々に緩和していきます。そのため、施術直後に感じる症状は、少し様子を見てもいいかもしれません。2週間以上経過してもデメリットと感じるような症状がみられる場合は、治療をしたクリニックに相談してみましょう。

ボトックス注射で一度注入した薬剤は除去することはできないため、すぐに施術前の状態に戻すことはできません。とはいえ、デメリットと感じた内容によっては対応できるケースもあります。例えば、ボトックス注射の効果が薄いと感じる部位やバランスが悪い場合に追加注射し症状の改善を図るなどです。

施術による効果の持続時間は長くても半年~1年程度なので、時間の経過を待つのも1つの方法でしょう。

■まとめ

切開をしなくても顔の気になるところを変えられるボトックス注射。注入量や注入部位が正しければデメリットは生じにくく、不自然な変化も起こりにくい治療です。とはいえ、デメリットもゼロではないため、安心して治療を受けるためにはリスクや副作用を把握しておくことが大切です。治療を受ける際には、悩みを打ち明けやすくじっくり話を聞いてくれるクリニックを選び、納得できる仕上がりを手に入れましょう。

・当サイトは、美容医療の一般的な知識をできるだけ中立的な立場から掲載しています。自己判断を促す情報ではないことを、あらかじめご了承ください。また、治療に関する詳細は必ずクリニック公式ホームページを確認し、各医療機関にご相談ください。
・本記事は、執筆・掲載日時点の情報を参考にしています。最新の情報は、公式ホームページよりご確認ください。
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