高濃度ビタミンC点滴の効果は、疲労回復や肌のエイジングケアなど多岐にわたり、注目されています。仕事や家事、育児などにより、休息が十分にとれず疲れが溜まっている方も多いでしょう。今回は、お疲れシーズンにぴったりなメニュー「高濃度ビタミンC点滴」の効果について深掘り。施術頻度や料金相場、デメリットについても解説しますので、元気な毎日をサポートしてくれる施術について知りたい方はぜひご覧ください。
1.高濃度ビタミンC点滴の効果を解説
高濃度ビタミンC点滴の期待できる効果を解説します。
■高濃度ビタミンC点滴の効果│疲労回復・抗ストレス
疲労が起こる原因の一つとして、体内に発生する「活性酸素」があります。活性酸素が大量に発生すると細胞の機能が低下し、疲労を感じたり体のパフォーマンスが落ちたりするのです。疲労の原因となる、活性酸素の発生を抑制する作用を持つのがビタミンC。高濃度ビタミンC点滴は、効率的にビタミンCを取り入れることができ、疲労回復に効果を発揮するいわれています。
また、人はストレスを受けると体から抗ストレスホルモンが分泌され、ストレスに対する抵抗力が高まります。この抗ストレスホルモンを作り出すには、体に蓄えられたビタミンCが欠かせません。消費されたビタミンCを効果的に補える高濃度ビタミンC点滴は、ストレスの緩和にも効果が期待できます。
■高濃度ビタミンC点滴の効果│肌のシミ・シワ・毛穴対策
高濃度ビタミンC点滴の効果は肌にももたらされ、美容面でのうれしい変化も見込めることが特徴。
紫外線を浴びると活性酸素が発生じ、肌を守るためにメラニンが生じます。ビタミンCには、シミのもととなるメラニン色素の生成を抑制する作用があり、シミ予防やケアに効果が期待できます。
また、コラーゲン生成の促進を助ける働きにより、肌にハリを与え、シワ・たるみといったエイジングサインにアプローチすることも可能。過剰な皮脂分泌を抑える働きもあるため、ニキビ改善のためのケアや毛穴の引き締めにも効果的です。
■高濃度ビタミンC点滴の効果│免疫力アップ
風邪などの感染症が流行する時期は、とくに体調管理に気を遣う方も多いでしょう。
ビタミンCには、体内のウィルスと闘う白血球の働きを高める作用があり、免疫力アップにも効果的です。風邪にかかりにくい体づくりや風邪の回復を早める効果が期待できます。
■高濃度ビタミンC点滴の効果│がん予防にも用いられる
高濃度ビタミンC点滴は、がんの予防や補助療法として医療機関で用いられるケースも。
がんは、活性酸素が細胞に損傷を与えることによって発症するといわれています。高濃度ビタミンC点滴を受けると、ビタミンCが持つ抗酸化作用によって細胞が傷つくのを防ぎ、がん細胞の発生を抑制する効果が期待できます。
その他、胃がんの原因となるニトロソアミンの生成抑制、抗がん作用のあるインターフェロン生成を促進する働きがあることから、基本的ながん治療と併用されるケースもある施術です。
■高濃度ビタミンC点滴の効果はいつから?持続期間もチェック
高濃度ビタミンC点滴の効果の現れ方には個人差があります。点滴後すぐに効果を感じられる方もいれば、数回点滴を受けることで効果を感じる方もいるでしょう。
また、ビタミンCは一定の濃度を超えると体外に排出されるため、効果の持続期間は長くても1週間程度とするクリニックが多くみられます。
2.高濃度ビタミンC点滴が効果をもたらす理由とは?
ビタミンCをより効果的に取り入れられる高濃度ビタミンC点滴。さまざまな効果をもたらす理由について見ていきましょう。
■ビタミンCは酸化による老化予防に必要な栄養素
老化には、年齢とともに体の機能が低下する「個体老化(加齢)」と、細胞自体の形質が変化する「細胞老化」の2つがあります。体の各部位に老化した細胞が蓄積することが個体老化(加齢)を引き起こすとして、近年注目されています。
細胞老化が起きる原因は、細胞の酸化です。人は酸素を吸って生きている以上、細胞の酸化による老化は避けられません。そこで役立つ栄養素がビタミンCです。ビタミンCは、細胞の酸化を遅らせるとともに予防し、さらに改善する効果が見込めます。
■ビタミンCはストレスによって大量に消費される
体内に蓄えられているビタミンCの量は約1500㎎といわれていますが、さまざまな要因で身体的・精神的ストレスがかかると大量に消費されてしまいます。しかし、人は体内でビタミンCを作り出すことができません。不足させないためには、日頃からビタミンCを十分に摂取する必要があります。
■点滴を用いることでより効果的に
ビタミンCは水溶性のビタミン。そのため野菜や果物、サプリメントなどで大量に経口摂取したとしても血中濃度はあまり変化せず、多くは尿から排出されてしまいます。
高濃度ビタミンC点滴は一般的に1回25gの点滴で、レモン約1200個分相当のビタミンCを効率良く取り込むことが可能。静脈点滴で直接注入するため血液中のビタミンC濃度が急激に上がり、疲労回復や肌のエイジングケアなど、さまざまな効果がもたらされるのです。
3.高濃度ビタミンC点滴の施術を詳しく紹介
「どのくらいの頻度で高濃度ビタミンC点滴を受けたら良いのか」、「料金相場はいくら?」など、施術内容についての疑問を解説しましょう。
■施術の流れ
高濃度ビタミンC点滴は、カウンセリング後に初回のみ「G6PD検査」という事前採血を行います。
G6PD検査は、「G6PD欠損症」という先天性の遺伝性疾患を起こしていないかを調べるもので、発症している場合は高濃度ビタミンC点滴を受けることができません。日本人がG6PD欠損症を起こすことは少ないといわれていますが、安全のため検査の結果が出た後に点滴が行われます。
点滴の時間は投与量によって異なりますが、大体1時間程度です。
■高濃度ビタミンC点滴のおすすめの頻度は?
高濃度ビタミンC点滴は、はじめの1ヶ月は週1回ペース、以降は月1回ペースで受けることを推奨するクリニックが多くみられます。効果の感じ方によって、医師と相談して頻度を決めると良いでしょう。定期的に受けて、ビタミンCの血中濃度を維持することが健康・美容への効果継続につながります。
■高濃度ビタミンC点滴の料金は?
高濃度ビタミンC点滴は、保険適用されない自費診療の施術です。料金は25gの場合、1回あたり約8000円~2万円程度が相場。初回に必要なG6PD検査の料金相場は、5000円~1万円程度です。
高濃度ビタミンC点滴は、投与量が多くなるほど料金が高くなる他、使用するビタミンC製剤の質によっても価格に差があります。料金が極端に安価である場合、製剤に防腐剤が添加されているなど、品質が低いケースがあるため注意が必要です。高い効果を得るためにも、ご自身の予算と品質とのバランスを考慮して、クリニックを選ぶと良いでしょう。
■高濃度ビタミンC点滴のデメリットは?
高濃度ビタミンC点滴は、重い副作用やダウンタイムはないとされる施術です。しかし、点滴中や点滴直後に体調の変化を感じることも。
高濃度ビタミンC点滴の利尿作用により、点滴中に喉が渇くことがあります。クリニックから随時水分をとることをおすすめされるケースがあるでしょう。
また、ビタミンCがブドウ糖と化学構造が似ていることから、点滴が始まると体が「ブドウ糖が入った」と認識し、血糖を下げる働きがあるインスリンを分泌。結果的に低血糖値を生じ、めまいやふらつきを感じるケースがあります。点滴を受ける前に食事を摂っておくと、低血糖値を予防できるでしょう。
痛みについては、注射針を刺すときの痛みの他、点滴による血管痛を感じることも。我慢できないときはクリニックのスタッフに声をかけると良いでしょう。
■まとめ
高い抗酸化作用により、疲労からの回復をサポートしてくれる高濃度ビタミンC点滴。ストレス緩和や風邪予防、肌のシワ・たるみのケアといった、さまざまな効果が期待できる美容医療メニューです。リスクやダウンタイムの負担が少ない施術ですが、クリニック選びの際は点滴療法について知識を持つ医師が在籍し、施術頻度や料金を丁寧に説明してもらえるかをよく確認すると良いでしょう。疲れが出がちなシーズンを元気に乗り越えたい方は、検討してみてください。
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