肌ケアのために注入治療を検討していると、韓国で話題のジュベルック水光注射を見つける方もいらっしゃるでしょう。注入治療には、マシンで注入する方法と手打ちで注入する方法があります。そこで今回は、注入治療に興味がある方に向けて、マシン注入と手打ち注入にどんな違いがあるのか、なぜジュベルックが人気なのかを見ていきましょう。
1.ジュベルックと水光注射は何が違うの?
「ジュベルック(Juvelook)」は、韓国で話題になっている注入治療で、日本の美容クリニックでも施術を受けられるようになりました。日本のクリニックでは「ジュベルック」や「ジュベルック水光注射」としてメニュー展開されています。
ただ、「ジュベルック」も水光注射と同じように注入治療に該当しますが、何がどう違うのか疑問に思っている方もいらっしゃるでしょう。まずは、ジュベルックとは何か、水光注射との違いや効果について紹介します。
■ジュベルックとは?
「ジュベルック」は、ポリ乳酸(PDLLA)を主な成分とする注入剤です。ポリ乳酸は糸リフトや縫合糸としても使われる成分で、時間をかけてゆっくり分解されます。そのため効果持続時間が比較的長い傾向にあるのです。
また、ジュベルックには若々しい表情という意味があり、「ジュベルック」を注入すると、真皮細胞を刺激してコラーゲンやエラスチン生成を促し、肌のハリや弾力をアップする効果が期待できます。肌の保水力を高める働きもあるため、うるおいやツヤのある肌へと導く治療です。
■水光注射とは?
水光注射は、専用のマシンを使って肌に美容成分を注入する施術のこと。水光注射はマシンを使った施術のため、医師による手打ち注射よりも費用が安い傾向にあります。
注入剤は主に、ヒアルロン酸やビタミンなどの成分を配合したものを使用しています。注入剤の種類は美容クリニックによって異なるため、肌悩みに応じて選ぶと良いでしょう。
■手打ち注射と水光注射の違い
一般的に、「ジュベルック」の注入は手打ち注射にて行われますが、美容クリニックによっては水光注射を用いて「ジュベルック」を注入するケースもあります。
手打ち注射では、凹みがある部分やニキビ痕など気になる部位に直接、必要量を注入することが可能です。もちろん顔全体の注入もできます。ただ、医師が直接注射するため、医師の技術力が問われるでしょう。
水光注射では、真皮層に正確に、そして均一に薬剤を注入できます。浅く広く注入できるため、肌全体に成分を浸透させられるでしょう。
■ジュベルックとリジュランの違い
「ジュベルック」を調べていくと、「リジュラン」という言葉に出くわす方もいらっしゃるはず。「リジュラン」も「ジュベルック」と同じく注入剤の1つで、肌のハリ改善が期待できます。主な成分はサーモンのDNAから抽出したポリヌクレオチド(PN)。
「リジュラン」も肌の水分バランスを整えたりニキビ痕をケアしたりしますが、「ジュベルック」との大きな違いは目の下などの皮膚が薄い部位にも注入できる点です。目の周りの小ジワやクマ治療に利用されることもあります。
2.ジュベルックが人気の理由
「ジュベルック」の効果はじわじわと表れるため、他の施術と比べると自然な仕上がりが期待できます。そのため、“自身の肌を育てるような施術”といわれることも。ここでは、そんな「ジュベルック」が人気の理由について見ていきましょう。
■肌悩みを改善できる
「ジュベルック」を注入すると、肌の修復や再生を促します。「ジュベルック」とヒアルロン酸を混ぜた注入剤を使用した場合、コラーゲン生成を促進して、肌の内部から持ち上げるような効果が期待できるでしょう。
たるみやシワ、毛穴の開き、乾燥からくる肌のくすみなどの肌悩みを改善するよう導きます。
■持続期間が長い
前述したように「ジュベルック」の主成分はポリ乳酸で、肌の深層部に働きかけて少しずつ分解されていく性質があります。完全に分解されるまでには1〜2年かかるため、施術後の持続期間が長い点が特徴です。
即効性がある治療ではないため、少しずつ効果を感じられて自然な仕上がりを希望する方に向いています。
■副作用やアレルギーが起こりにくい
「ジュベルック」の主成分であるポリ乳酸は、サトウキビやとうもろこしなどのでんぷんから抽出されたものです。分子が丸い構造になっているため、注入箇所の周りの細胞に大きな刺激を与えにくくなっています。
つまり、炎症や副作用など体への危険性が低く、注入部位にしこりができにくい傾向にあるのです。また、炎症や異物反応が起こりにくいため、副作用やアレルギーの発生が比較的少ない注入剤といわれています。ダウンタイムも抑えられており、施術後翌日からメイク可能です。
3.ジュベルックで注意したいこと
「ジュベルック」の注入は、切開を伴う施術と比べると、痛みやダウンタイムに配慮された施術です。また、アレルギーの発生が少ない注入剤ですが、まったくトラブルが起きないわけではありません。最後に、「ジュベルック」の施術で注意したいことを紹介します。
■まったくダウンタイムがないわけではない
先ほども説明したように、「ジュベルック」の注入でまったくダウンタイムが起きないわけではありません。主なダウンタイムには以下のようなものがあります。
- 赤み
- 腫れ
- 内出血
- 熱感
- むくみ
この他にも、ごくまれにアレルギー反応が出たり、しこりができたりすることも。もともとアレルギー体質の方は、事前に医師に相談するようにしてください。また施術後、何か違和感があれば、施術を受けた美容クリニックに、速やかに相談するようにしましょう。
■痛みが出る場合がある
「ジュベルック」注入の施術は、医師の診察やカウンセリングのあと、麻酔クリームを塗って行います。そのため、痛みは比較的少ない傾向にあります。しかし、痛みの感じ方には個人差があり、また、注入治療のため針を刺すチクチクとした痛みは起きる可能性があるでしょう。
■1回で効果が出るとは限らない
「ジュベルック」の注入は、1回の施術で劇的に変化する施術ではありません。基本的には、1ヶ月に1回の施術で計3回を1クールとし、半年後〜1年後にメンテナンスする計画を立てると良いでしょう。
「ジュベルック」注入の施術時間は、施術箇所にもよりますが、15~60分程度です。定期的に時間を作って施術を受けると、「ジュベルック」の効果を持続させやすくなります。
■施術後はしっかりスキンケアを
「ジュベルック」は注入治療のため、特別なアフターケアは基本的には不要です。ただし、肌がデリケートな状態になっているため、紫外線対策と保湿はしっかり行いましょう。「ジュベルック」注入後は、施術日の翌日からメイクできます。
入浴に関しては、施術当日はシャワーのみ、湯船に浸かるのは施術日翌日からにしましょう。
■美容クリニック選びは慎重に
一般的には、「ジュベルック」の注入は手打ち注射で行われます。手打ち注射であれば、必要な部位に必要量注入できるメリットがありますが、一方で注入不足や注入過多が起きる可能性も。
そのため手打ち注射の場合は、とくに医師の技術力が求められます。美容クリニックを選ぶ際には、クリニックや医師の実績、評判などを確認し、丁寧なカウンセリングやアフターフォローが充実しているクリニックを選ぶようにしましょう。
■まとめ
「ジュベルック」の注入治療によって、肌のハリや小ジワ、ニキビ痕などを改善できる可能性があります。また、ダウンタイムやアレルギーの発生が少ない施術で、ナチュラルな仕上がりが期待できるため、肌を育てていきたいと考える方に向いている治療です。注入方法には、水光注射と手打ち注射があるため、目的に合わせて選択しましょう。ただ、まったくダウンタイムがないわけではないため、施術を受ける前には医師の説明を聞き、納得したうえで施術に臨むようにしてください。
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