後ろ姿は自分では見えにくいもの。露出する季節になって初めて肌トラブルに気づき、慌ててケアする方もいるでしょう。もし、背中のざらつきやガチガチに凝り固まった肩が気になるという方は、こちらの記事をチェック!おすすめの美容医療と日常的なセルフケアで、いつ・誰に見られても恥ずかしくない後ろ姿美人を目指しましょう。
1.ざらつきやニキビなどの肌トラブルを防いで美しい背中へ
皮脂腺が多く分布する背中は、肌トラブルが生じやすい部位の1つ。背中ニキビや皮膚のざらつきが、知らぬ間にできていたという方は少なくありません。背中に肌トラブルができる原因は、大きく3つあります。
過剰な皮脂分泌
背中は、他の部位よりも皮脂分泌が盛んに行われる部位。とくに背骨周辺の縦ラインと、肩甲骨を結ぶ横ラインに脂腺性毛包という毛穴が多くあり、大きな皮脂腺が集中しています。皮脂分泌が過剰になりやすいことから、古い角質や皮脂汚れなどが混ざり毛穴詰まりが生じることも。これが、背中のざらつきや黒ずみを引き起こす要因です。
さらに過剰な皮脂分泌は、背中ニキビとも深く関連しています。ニキビの原因菌ともいわれるアクネ菌は、毛穴に詰まった皮脂をエサにどんどん繁殖していくためです。このように背中には、ざらつきや黒ずみ、ニキビといった肌トラブルが起きやすい環境が整っています。
なお、皮脂の分泌量が増えるのは、ホルモンバランスや食生活の乱れ、乾燥などが原因です。ざらつきや黒ずみ、ニキビといった肌トラブルでお悩みの方は、今一度生活習慣を見直す他、念入りに保湿ケアを行うことをおすすめします。
衣類による刺激や摩擦
衣類や下着によるこすれで刺激や摩擦が起きるのも、背中の肌トラブルが生じやすい理由の1つです。刺激や摩擦によりダメージを受けた肌は、バリア機能が低下した状態に。結果として、ざらつきや黒ずみ、ニキビといった肌トラブルにつながるというわけです。
また、背中は常に衣類に覆われており、通気性が良くありません。汗で蒸れた肌をそのままにしておけば、アクネ菌が繁殖しやすい環境にもなります。
刺激や摩擦、蒸れから肌を守るには、コットンやシルクといった通気性や吸水性に優れた素材の衣類・下着を選ぶことが大切です。汗をかきやすい季節でも蒸れにくく、清潔な肌を保ちやすくなるでしょう。
同じように、入浴時に体を洗う際も要注意。硬いナイロンタオルやボディタオルは、肌にダメージを与える可能性があります。強い刺激や摩擦が加われば、肌は皮脂分泌を促進させることも。美しい背中を保つには、極力肌に刺激・摩擦とならない行動を心がけるようにしましょう。
シャンプーなどの洗い残し
シャンプーやコンディショナーなどのヘアケア剤、ボディソープの洗い残しで、肌トラブルが発生することもあります。とくに背中は、自分で直視することが難しい部位です。しっかりと洗い流したつもりでも、シャンプーなどが残ってしまうことは珍しくありません。万一洗い残しが毛穴に詰まれば、ざらつきや黒ずみが起きるだけでなく、アクネ菌が繁殖する原因にもなります。
髪の毛や体を洗ったあとは背中のすみずみまでしっかりと流し、泡が残らないように十分注意しましょう。
魅せる背中へと導く「ケミカルピーリング」
ケミカルピーリングは、古くなった角質や表皮を剥がす施術のこと。古い角質や表皮を取り除くことで、肌のターンオーバーを促す効果が期待できます。ターンオーバーの乱れは、肌のざらつきや黒ずみ、ニキビを引き起こす要因の1つです。つまり、ケミカルピーリングでターンオーバーが正常化することは、健やかで美しい肌の土台を整えることにつながります。
ケミカルピーリングに用いられる薬剤の種類は、グリコール酸の他にサリチル酸、トリクロロ酢酸など。グリコール酸には毛穴の角化を防いだりコラーゲンの生成を促したりする効果が、剥離作用のあるサリチル酸とトリクロロ酢酸には毛穴の角化を防ぐ他、肌の凸凹やニキビ痕を改善する効果が見込めます。
ケミカルピーリングは、複数回施術を受けることで肌質の変化を実感しやすくなります。魅せる背中を目指すためにも、背中のざらつきやごわつき、黒ずみ、くすみ、ニキビなどでお悩みの方におすすめしたい施術です。
2.ガチガチにこり固まった筋肉をほぐして滑らかな美肩ラインへ
肩の筋肉がガチガチに凝り固まっていると、上半身が太っているかのような印象を与えることがあります。肩こりがひどい方の多くは、僧帽筋(そうぼうきん)と呼ばれる首の付け根がもっこりと張り、首が短いように見えてしまうためです。肩こりが起こる原因は、主に4つあります。
姿勢
デスクワークやスマホ操作などで長時間同じ姿勢を続けると、肩こりの原因になります。とくに首が前に出たような姿勢は、頭の重みが肩周りの筋肉に直接加わるため要注意。パソコンやスマホを使用する際は、適宜休憩を挟むなどで肩や首に負担をかけないように心がけましょう。
眼精疲労
眼精疲労を感じている方は、肩こりを訴えるケースが多い傾向にあります。眼精疲労も肩こりも、自律神経が崩れることで引き起こされるためです。目と首には、同じ自律神経が通っています。つまり、目が疲労や不調を感じれば自律神経のバランスが崩れ、首にも負荷をかける可能性があるということです。パソコンやスマホを仕事で日常的に使っているという方は、姿勢だけでなく眼精疲労にも注意したほうが良いでしょう。
運動不足
運動不足で筋肉が衰えると、肩こりが悪化することがあります。筋肉は通常、血液循環をスムーズに行うためのポンプのような役割をしています。つまり、筋力が低下するということは、全身の血行不良を招き肩こりを引き起こす原因に。適度な運動で日ごろから筋肉を鍛えておくことが肩こり予防につながります。
ストレス
ストレスが原因で肩こりが起こることもあります。ストレスによって自律神経が乱れると、血管が収縮し、血行が悪くなる可能性があるためです。とくに強いストレスを感じていると、筋肉が緊張しやすくなります。ストレスは肩こりの他に頭痛やめまいを引き起こすこともあるため、自分なりの発散方法を見つけながらなるべく溜め込まないことが大切です。
滑らかな美肩ラインへと導く「肩ボトックス」
肩ボトックスとは、肩や首回りの筋肉に、ボツリヌス菌を由来にしたタンパク質(ボツリヌストキシン製剤)を注入する施術のこと。ボツリヌス菌は、神経の働きを抑えて筋肉の緊張を緩和する作用を持ちます。そのため、ガチガチに凝り固まった筋肉にボツリヌストキシン製剤を注入すれば、肥大化した肩の盛り上がりを自然に下げ、首まわりがスッキリとした印象に。肩こりで上半身が太っているように見える方に効果的な施術です。肩ボトックスは、施術にかかる時間が5~10分と非常に短いのが特徴。治療効果には個人差がありますが、一般的に施術が初めての方でも3~4ヶ月ほど持続します。内出血などのダウンタイムも1~2週間で消滅するため、夏が近くなってからでも美しい肩のラインを目指せるでしょう。
3.ストレッチや日常生活を意識して美しいバックスタイルへ
後ろ姿美人を目指すなら、美しい姿勢を保つことは基本中の基本。巻き肩や猫背は、見た目にマイナスの影響を及ぼします。美しい姿勢をキープするには、日ごろから正しい姿勢を意識しておくことが重要です。ここでは、巻き肩や猫背のセルフチェックと改善方法をそれぞれチェックしていきましょう。
巻き肩のセルフチェックと改善方法
まずは、巻き肩のセルフチェックから。肩幅に足を開いて、鏡の横に立ってみてください。そして、できるだけ腕をまっすぐに伸ばすことを意識してバンザイをします。このときに鏡を見て、腕が耳より前にあるときは巻き肩の可能性が高いでしょう。
また、他にも以下のような症状があれば要注意です。
- 起床時に肩こりや首の痛みがある
- 仰向けで寝にくい
- ひどい腰痛がある
- 姿勢の悪さを人から指摘されたことがある
- 呼吸が浅く、息苦しさがある
- 胸に痺れを感じることがある
巻き肩の可能性がある方は、以下のような肩甲骨ストレッチが効果的です。
【肩甲骨ストレッチ】
- 背筋を伸ばして胸を張った姿勢で立ちます。
- 両手を背中に回した状態で手の平を合わせます。
- 肩甲骨を引き寄せるように、手の平を合わせたまま両手を上に持ち上げます。
- この状態を数秒間キープしたあと、ゆっくりと①の姿勢に戻します。
- 1~4を数回繰り返します。
また、筋力をつけることも巻き肩の改善につながります。トレーニングを行う際は、肩を覆っている三角筋の後ろを鍛えるように意識しましょう。
【三角筋の後ろを鍛えるトレーニング】
- 背中を壁につけて立つ。
- 両腕を壁につけた状態で横に広げる。
- 二の腕の裏で押すようにして体を壁から離す。
- 2~3を繰り返す。
猫背のセルフチェックと改善方法
続いて猫背のセルフチェックです。まず、壁にかかとをつけた状態で立ちます。このときに後頭部と両肩、お尻が壁についているかチェックしてください。もし後頭部と両肩が壁についていないのなら、あなたは猫背になっているのかもしれません。
また、猫背は生活習慣と密接に関連しています。以下のような生活習慣がある方は、猫背になっている可能性があるでしょう。
- 仕事はデスクワークがメイン
- スマホやパソコンを長時間使うことが多い
- 気付けば前かがみの姿勢で作業している
- 運動の習慣がない
なお、猫背は背中を伸ばすことを意識するだけで十分改善効果が期待できます。以下は、猫背の方に試していただきたいストレッチです。
【背中を伸ばすストレッチ】
- タオルを筒状に丸めます。
- 丸めたタオルが肩甲骨に当たるようにして仰向けに寝ます。
- 伸びをするように、足のつま先から両手の先までをできるだけ伸ばします。
- 気持ち良いと感じるところで止めて、1~2分間その姿勢をキープします。
- ゆっくり元に戻したら、また3~4を数回繰り返します。
巻き肩や猫背は美容医療で改善できる領域ではないため、美しい姿勢を保つには日ごろの努力が必要です。「毎日ストレッチや筋トレをするのは面倒……」と思うかもしれませんが、面倒だからこそやる人とやらない人とでは大きな差が出ます。無理のない範囲で構いませんので、ぜひこれを機会に、自分の姿勢と生活習慣を見直してみてください。
まとめ
日ごろ肌や髪をメンテナンスするように、露出する季節はとくに、背中や肩周りなどの後ろ姿にも気を配りたいものです。背中の肌トラブルや、ガチガチに凝り固まった肩の筋肉を改善するにはケミカルピーリングや肩ボトックスといった美容医療が有用ですが、姿勢が悪い方は自宅でのストレッチや筋トレから始めてみるのも良いかもしれません。自分に合った方法で魅せる後ろ姿を目指しましょう。
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