「シミ取りレーザー後の色素沈着が半年経っても消えない」など、レーザー治療後の肌の経過を不安に思ったり、気になったりする方は少なくありません。そこで今回は、シミ取りレーザー後に起こり得る色素沈着の原因や経過、対策についてご紹介します。施術前に知っておきたい疑問もQ&A形式でまとめました。これから初めてシミ取りレーザーの施術を検討している方は、ぜひチェックしてください。
INDEX
1.シミ取りレーザー後の色素沈着はどうして起きる?半年で治る?
気になるシミを取るためにクリニックに行ったのに、治療後に再びシミのような痕や色素沈着があったら、とても不安になりますよね。まずは、シミ取りレーザー後に色素沈着が起きる原因や回復するまでの目安について見ていきましょう。
■シミ取りレーザー後に色素沈着する主な原因は?
シミ取りレーザー後、色素沈着が消えないと「悪化したのでは?」「失敗したのでは?」と感じる方もいるでしょう。シミ取りレーザー後の色素沈着はどうして起きてしまったのか、考えられる原因を紹介しましょう。
メラニン色素が過剰生成されているため
シミ取りレーザーは熱でシミを除去する治療法。そのため、治療直後には施術箇所が軽いやけどを負った状態になります。炎症を起こした肌はメラニンの生成が過剰になり、排出バランスが崩れてしまうのです。その結果、メラニンが局所的に蓄積、肌に残って色素沈着となっている可能性が考えられます。
摩擦や紫外線など外部からの刺激を受けたため
シミ取りレーザー後の肌は、非常にデリケートで敏感な状態です。施術した場所に触れてしまったり、紫外線を浴びたりすると、外部からの刺激によって色素沈着となるケースも。肌が治っていく過程で、かゆくなったり違和感があったりして気になると思いますが、擦るなどの行為は避けましょう。また、いつも以上に紫外線対策を心がけなければなりません。
炎症後色素沈着(戻りシミ)が発生しているため
シミ取りレーザーの治療後は、一時的に色素沈着が発生する「炎症後色素沈着(戻りシミ)」が起こり得る可能性があります。シミ取りレーザー治療を受けた方の約30~50%が経験するほど、発症しやすい合併症です。一般的なシミと違い、炎症後色素沈着は炎症によってできるため、炎症を起こした場所だけに表れます。刺激を与えずに経過を待てば、時間とともにシミは薄くなっていくでしょう。
■炎症後色素沈着の回復目安は?
個人差がありますが、炎症後色素沈着はレーザー治療後2週間~1ヶ月くらいで表れることがあります。そして、およそ半年~1年で回復するケースが多くなっているのです。シミ取りレーザー治療後の経過については、この後詳しく説明していきます。
2.シミ取りレーザー後の色素沈着の経過【施術直後~半年・1年後まで】
ここからは、シミ取りレーザー後の色素沈着の施術直後~半年・1年くらいまでの経過を、時系列で紹介します。「シミ取りレーザー後かさぶたは何日で剥がれるのか?」「色素沈着のピークはいつ?」など、気になる予後をチェックしていきましょう。
■【施術直後~数日間】赤み・腫れが出る
まず、シミ取りレーザーをした直後は、施術によって患部は軽いやけど状態になります。赤くなる・腫れるなど炎症が起き、少しヒリヒリとした感覚もあるでしょう。しかし、多くの場合、赤みや腫れは施術後数時間から数日で治ります。
患部を外部の刺激から守るため、クリニックで目立ちづらい肌色の保護テープを貼ってもらうケースがほとんどです。自然にテープが剥がれてくるまで、そのまま過ごします。
■【約1~2週間後】かさぶたができる→剥がれる
治療から3日~1週間くらい経つと、患部に「かさぶた」ができてきます。かさぶたができるタイミングで、かゆみが生じることも。2週間ほど経過すると、シールと一緒にかさぶたが剥がれて、新しい薄ピンク色の皮膚が見えてきます。
■【約2週間~1ヶ月後】色素沈着が目立つ
治療から2週間~1ヶ月くらい経つと、徐々に炎症後色素沈着(戻りシミ)が表れてきたり、「シミが濃くなった」と感じたりする方もいます。個人差はありますが、患部の色素沈着はこの頃にピークを迎え、徐々に薄まっていく傾向です。
■【約3ヶ月~半年・1年後】色素沈着が落ち着く
施術から3ヶ月くらいが経過すると、多くの場合は患部の色素沈着が落ち着いてきます。炎症後色素沈着が改善するまでは少し時間がかかりますが、半年ほど経つと「シミが薄くなっている」と感じられるはずです。しかし、個人差がありますので、色素沈着が消えるまで1年以上かかる方もいます。
3.【シミ取りレーザー】施術後の色素沈着を半年できれいな肌にするアフターケア方法
施術後の色素沈着を半年できれいな肌にするためには、どのようなことを心がけると良いでしょうか。ここからは、シミ取りレーザー後のアフターケア方法について紹介します。
■摩擦など患部への刺激を避ける
シミ取りレーザー照射後は、患部に摩擦などの刺激を与えないように気をつけましょう。例えば、クレンジングで肌を強く擦ったり、かさぶたを掻いてしまったりする行為は避けてください。また、皮膚は乾燥するとダメージを受けますので、こまめなスキンケア・保湿を心がけましょう。
■肌を紫外線から守る
治療後は、紫外線ダメージから肌を守ることが大切です。外出するときには日焼け止めを塗る、日傘を使うなど、紫外線対策を行いましょう。紫外線を浴びてしまうと、炎症後色素沈着の治りを遅くするだけでなく、新たなシミができてしまう原因にもなるため、要注意です。
■内服薬を飲む
炎症後色素沈着には、トラネキサム酸やアスコルビン酸などの内服薬を飲むことも効果的です。シミ取りレーザー治療を受ける際、美容皮膚科・クリニックなどで施術前から服用をすすめられるケースもあります。トラネキサム酸は、色素沈着の抑制・抗炎症作用などの効果、アスコルビン酸は、抗酸化作用・美白効果といった効能が期待できます。
■外用薬を塗る
レーザー治療後、腫れ・赤みが落ち着いたら、ハイドロキノンを主成分としたクリームなど、外用薬を患部に塗るのも効果的です。ハイドロキノンは、メラニン生成を抑制させる働きがあります。外用薬を塗布するときには、必ずレーザー治療をしたクリニックの医師の指示に従い、正しく使用しましょう。
4.シミ取りレーザー前に知っておきたい疑問Q&A「施術後の色素沈着が半年消えないと失敗?」など
ここからは、シミ取りレーザーを受ける前に知っておきたい、さまざまな疑問をQ&A形式で紹介します。
■シミ取りレーザーができない人はいる?
シミ取りレーザーは、下記に該当する場合は施術が受けられないケースがあります。
- 日光アレルギーの方
- 妊娠中、授乳中の方
- 強い日焼けがある方
- 抗凝固剤を服用している方
- 発熱している方
- 糖尿病、心疾患、脳疾患などをお持ちの方
- 治療中の疾患がある方など
その他にも、肌質やその日の体調によって、シミ取りレーザー治療ができない人もいます。施術を受けるクリニックで相談してみましょう。
■シミ取りレーザー後の色素沈着が半年しても消えないのは失敗?
シミ取りレーザー後の色素沈着の経過には、個人差があります。半年経っても消えない場合でも、「治療が失敗した」とは断言できません。炎症後色素沈着は、平均で半年~1年くらいで消えるといわれているため、経過を見ていきましょう。しかし、「患部の様子がおかしい」「シミが濃くなっている」など心配ごとがある方は、すぐに治療したクリニックへ相談してみましょう。
■シミ取りレーザーの料金相場は?
シミ取りレーザー治療は、基本的に自由診療となり、費用はクリニックや施術に使用するレーザーの種類によって異なります。レーザー治療(レーザーの種類は異なる)にかかる料金は、顔全体1回で15,000~20,000円くらいが相場です。医療機関によっては、施術箇所やシミのサイズ、施術回数ごとに料金が変わります。満足した仕上がりには、複数回の治療が必要になることもありますので、アプローチしたいシミの数や位置、レーザーの種類と効果を事前に確認しておきましょう。
■まとめ
シミ取りレーザーの後の色素沈着の原因、施術後から半年・1年後までの経過などをご紹介しました。シミ取り後に炎症後色素沈着が起きるケースがあることを知らないと、患部の皮膚の変化が気になり、心配になってしまいますよね。レーザー治療後の色素沈着をきれいな肌に回復させるためには、施術後のスキンケアが大切です。レーザー治療を初めてする方は、どのような効果・経過を辿るのか、事前に把握しておきましょう。不安に思うことがあれば、気軽にクリニックへ相談してみてくださいね。
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