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美容医療を受けるにあたり、価格が気になる方も多いでしょう。美容医療は自由診療のため、同じ施術でも選ぶクリニックにより価格設定は異なります。できるだけ費用をかけまいと安い料金設定のクリニックを選ぶ方もいるでしょう。しかし、クリニックによっては提示されている価格に追加費用がかかるケースも少なくありません。この記事では、美容医療の隠れコストについて、詳しく解説していきます。
INDEX
1.美容医療に潜む「追加費用」とは?オプションや通院回数など、見えないコストに注意
美容医療はお金がかかるというイメージをお持ちの方もいるでしょう。美容医療で注意したいのは、見えないコスト。キャンペーンなどで提示価格が「安い!」と思っていざ美容クリニックに行くと、想定よりも高額になる、というのはよくある業界あるある…。いわゆる「悪徳クリニック」という形でなくても、実際には隠れコストがあるということはよくあるため、事前に把握しておけると安心ですね。詳しく確認していきましょう。
美容医療の価格設定
美容医療は疾患を治すのではなくより美しくなることを目的とした自由診療です。保険診療と違いすべて自己負担となります。価格設定はクリニックが独自の判断で設定するため、使用する薬剤や機械は同じでも、選ぶクリニックにより価格には差があります。立地や広告費、人件費価格などの要素を踏まえて価格設定が行われるため、事前に相場を把握しておくと良いでしょう。
美容医療に潜む隠れコスト1.オプション
美容医療によくある見えないコストが、オプション費用です。広告などで提示されている価格に惹かれて美容クリニックの門を叩いたところ、カウンセリングの結果あれやこれやと追加費用がかかり、想定以上の出費になったという話は少なくありません。
美容医療のオプション費用の一例には、以下のようなものが挙げられます。
指名料 | 技術力の高い医師を選ぶ場合に指名料が設けられている場合もある |
麻酔費用 | 局所麻酔、表面麻酔、笑気麻酔、麻酔テープなど、施術の種類により使用する麻酔と価格は異なる |
術後内服薬や外用薬 | 痛み止めや腫れ止め、保湿クリームなど |
圧迫用品 | 脂肪吸引などで施術部位を圧迫するために使用 フェイスバンド、ボレロ、ウエストニッパーなど、部位ごとに選択 |
採血代 | 脂肪吸引や豊胸など、事前検査を行う場合に必要 |
保証料 | 保証期間内に問題が生じた場合に再施術を行う制度 |
たとえば、提示されている価格に含まれているのは技術料と製品代のみというクリニックもあれば、すでに麻酔費用や内服薬の費用が含まれているクリニックもあるでしょう。クリニックにより価格表記の仕方は異なるため、注意が必要です。料金設定をよく確認し、かかる総額を見極める必要があります。
美容医療の隠れコスト2.通院回数
美容医療のメニューの中には、複数回の治療が必要なものもあります。たとえば、機器を用いて肌悩みを改善する治療や、医療脱毛、肌育注射などのメニューは、複数回の治療が推奨される傾向にあります。メニューによっては1度でも効果を感じられることもありますが、回数を重ねないと効果が実感しにくい物が多いよう。
たとえば、肌の自然治癒力を促進するダーマペンで効果を実感するには、1ヶ月に1度の頻度で5~6回の治療が推奨されています。1回2万円だとすると、効果を感じるまでには10万円程度かかることになるでしょう。医療脱毛などは毛のサイクルの関係上5~8回施術をしないと完了となりません。通院回数次第では最終的にかかる費用が高額になることもあるため、通院回数もチェックしてかかる費用を確認しておく必要があります。
2.美容医療は1回だけでは効果が薄いものも多い…メンテナンスの必要性を理解しよう
美容医療には大きく分けて半永久的な効果が期待できる治療と、一定期間しか効果が持続しない治療があります。
半永久的な効果が期待できる治療
半永久的な効果が期待できるのは、以下のような治療です。
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切開を伴う治療は、あったものを取り除くため基本的に元に戻すことはできません。ほかのデザインに変えたくなった場合は、さらに別の施術を行うことになり、体への負担もかかります。
たとえば半永久的な効果が期待できる治療には、二重まぶた切開法やフェイスリフト、脂肪溶解注射、脂肪注入などがあります。患者さまに合った施術がきちんと行われていれば、特別なメンテナンスは不要です。もちろん老化によるたるみで二重の幅が狭くなったり、頬や首がたるんだりして再度施術を検討するケースもありますが、メンテナンスとは別ものでしょう。
定期的にメンテナンスする必要がある治療
定期的なメンテナンスが必要となるのは、注入した成分が吸収される治療や継続しないと効果が実感できない治療などが挙げられます。美容医療の中でも人気の高いものについて確認していきましょう。
ヒアルロン酸注入
ヒアルロン酸注入とは、真皮層にヒアルロン酸を注入して皮膚を持ち上げ、シワの改善や輪郭形成を行う施術です。ヒアルロン酸はもともと体内に存在する成分で、時間の経過とともに体内に吸収されるのが特徴。ヒアルロン酸注入後の状態を長く保つためには、定期的に施術を受ける必要があります。
効果の持続期間は、短くて数ヶ月、長くて2~3年ほど。効果が持続する期間は製剤の種類や注入する部位によって異なります。部位により推奨されている製剤の種類があり、基本的には硬度の硬い製剤ほど長持ちし、柔らかい製剤ほど早く吸収される傾向にあります。
ボトックス注射
ボトックス注射は、筋肉を弛緩させる作用のあるボツリヌストキシンにより筋肉の動きを弱めシワを改善したりエラを改善したりする施術です。セルフケアではなかなか改善にできない筋肉が原因の表情ジワにアプローチできます。エラ張りの改善による小顔効果のほか、脇汗が気になるときにもボトックス注射が有効です。
初回の施術後は3~4ヶ月ほど効果が持続しますが、継続することで筋肉の緊張が緩和し持続期間が長くなります。効果を持続させたいからとボトックス注射を打ちすぎると、抗体ができてしまい効果が出にくくなる可能性が。そのため、半年に1度くらいの頻度でのメンテナンスが推奨されています。
糸リフト
糸リフト(スレッドリフト)とは、皮下にトゲのついた特殊な糸を挿入して引っ張り上げる治療です。フェイスラインやほうれい線などのたるみを改善するほか、コラーゲンの生成促進などにより肌質改善効果が期待できます。以前は溶けない糸も使用されていましたが、現在の主流は溶ける糸。糸の種類によっても異なりますが、持続期間は半年から3年ほどです。
糸リフトは、半年~1年に1度ごとの頻度でメンテナンスを行うことが推奨されています。定期的に糸リフトを入れても持続時間は長くなりませんが、コラーゲンの生成促進によりお肌が引き締まる効果が期待できます。糸リフトの定期的なメンテナンスに抵抗がある場合は、たるみ予防としてハイフを受けるのも良いでしょう。
美容皮膚科の治療
美容皮膚科における機器を用いた治療は、メンテナンスにより効果が長持ちします。主な治療とメンテナンス頻度は以下の通りです。
施術名 | 主な効果 | メンテナンス頻度の目安 |
ハイフ | リフトアップ | 3ヶ月~6ヶ月 |
高周波(RF治療) | リフトアップ | 3ヶ月~6ヶ月 |
スポット治療 | 濃いシミ治療、タトゥー除去 | 3ヶ月に1度 |
トーニング | 薄いシミ治療 | 2~4週間に1度 |
ピーリング | ターンオーバーの促進 | 2~4週間に1度 |
肌の状態により適した回数や頻度は異なりますが、きれいな状態を保つためにはメンテナンスが欠かせません。
3.信頼できる価格表示を見極めるポイント
明朗会計な美容クリニックを選ぶために押えておくべきポイントをまとめてチェックしていきましょう。
わかりやすい料金設定が提示されているか
まずは、クリニックのHPで料金を確認してみましょう。安さやメリットだけではなく治療の費用がすべて明記されているか、リスクや副作用、ダウンタイムが記載されているかといった点は必ず確認しておきたい項目です。
- 相場価格と比較してあまりに安い価格設定
- 施術の説明は書いてあるのに料金表にたどりつくまでに時間がかかる
- いろいろなプランがあり結局いくらになるのか見当がつかない
これらに当てはまるようなクリニックは要注意です。実際に来院し話を聞いた結果、高額な治療に誘導される可能性もあります。料金表に不明点がある場合は、クリニックに問い合わせてみると良いでしょう。オプションや通院回数なども含め、ある程度の目安の費用を確認しておくと安心です。
口コミをチェックしてコスト感を確認
事前にやりたい施術が決まっている場合は、口コミをチェックするのもおすすめです。実際に施術を受けた方がいくら支払ったのかを確認することで、コスト感を把握できます。また、費用面だけではなく、クリニックの雰囲気や施術の仕上がりなどの口コミも併せて確認しておくと良いでしょう。
カウンセリングでは価格も必ず確認
カウンセリングでは、施術の内容と合わせて費用についてもきちんと確認しましょう。納得したうえで当日施術を受けるのは問題ありませんが、カウンセリング当日に強引に施術を進めてくるようなクリニックは避けておいた方が賢明です。複数のクリニックでカウンセリングを受け、比較検討して選ぶのも良いでしょう。
医師の技術に仕上がりが左右される施術は価格以外の面も重視
顔にメスを入れる、高出力のレーザーを照射する、注射による注入治療などの施術は、医師の技術力が顕著に出ます。高度な技術が求められる施術においては、費用面だけでクリニックを選ぶのは避けた方が良いでしょう。
たとえば日本形成外科学会専門医として認定されている医師であれば、骨や筋肉の構造や生理機能についての知識を持っているのでは…と推察することもできますし、一方、美容診療の経験年数がないようでは、センスや症例数不足かもしれないと想像することもできます。 症例写真なども確認し、医師の得意とする治療を見極めることも大切です。
まとめ
今回は美容医療の隠れコストについて解説しました。美容医療の隠れコストを理解しておかないと、想定よりもお金がかさんでしまう事態にもなりかねません。満足のいく治療を受けるには、価格においてもきちんと納得することが大切です。美容外科治療であれば麻酔費用や内服薬代、美容皮膚科治療であればメンテナンス費用を事前に確認して、納得したうえで治療に進みましょう。
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