つきやま歯科医院 築山 鉄平先生にインタビュー!口腔環境から全身の健康にアプローチ

つきやま歯科医院 築山 鉄平先生にインタビュー!口腔環境から全身の健康にアプローチ

つきやま歯科医院 築山 鉄平先生にインタビュー。予防重視の先進医療に取り組む「つきやま歯科医院 井尻本院」の分院として、より高度な専門的な治療にも対応する「つきやま歯科医院 専門医療クリニック天神」は、福岡県では例が少ない自由診療専門歯科です。今回は、「つきやま歯科医院 専門医療クリニック天神」の院長を務める築山 鉄平先生にインタビュー。歯周病やインプラントを専門に、口腔内にとどまらず全身の健康にまで着目し、日々診療にあたられています。今回は、築山先生に過去の海外経験やあえて自由診療専門を選んだ背景など、詳しくお伺いしました。

ドクタープロフィール

つきやま歯科医院 専門医療クリニック天神 院長
築山 鉄平(つきやま てっぺい)先生

歯周病、インプラント、審美補綴(しんびほてつ)を専門として、口腔内の健康を生涯にわたって維持する医療を展開。最新の技術や治療法にも積極的に取り組み、患者のニーズに合わせた最適な治療を提供しています。米国歯周病学会の歯周病インプラント認定医であり、ヨーロッパインプラント学会の認定資格も保有。国内外の講演や書籍、論文執筆など臨床、学術面で活躍中。

(経歴)
2001年 九州大学歯学部 卒業
2001年 佐賀大学医学部 歯科口腔外科 勤務
2005年 日本橋矢澤歯科医院 勤務
2006年 タフツ大学歯学部歯周病科
最優秀臨床賞(certificate of excellence)受賞
2009年 米国歯周病学会 歯周病インプラント認定医取得(Diplomate,American Board of Periodontology)
2009年 タフツ大学歯学部審美補綴フェロー
2010年 福岡県医療法人雄之会 つきやま歯科医院 勤務
2014-2017年 タフツ大学 招聘臨床助教授(Visiting Clinical Assistant Professor)
2017年 ヨーロッパインプラント学会 (EAO) 認定医取得

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築山先生の強み ~海外での経験が医療の在り方を考えるきっかけに~

つきやま歯科医院 専門医療クリニック天神 院長 築山 鉄平(つきやま てっぺい)先生

―――先生は海外にも行かれていろいろな経験をされていますが、どんなきっかけがあったのでしょうか。

そうですね、はじめは大学5年生のとき。大学生なので特にビジョンなどもなかったのですが、当時日本を引っ張っていた先生方がアメリカでトレーニングを受けられていて、すごくキラキラしているように感じたんです。そういう姿に憧れて最初にワシントン大学を見学しに行きました。プロとして教育を受けているという感じで、教育環境が素晴らしかったですね。

次は、卒業後に勤務した佐賀医科大学のとき。佐賀医科大学は先天性疾患の口唇口蓋裂という疾患の治療に優れた実績を持つ医局で、日本国内にとどまらず国外の発展途上国の恵まれない子どもたちにも医療を提供していくというビジョンがありました。研修医でもかばん持ちのような形でついていくことができたので、スリランカやチュニジアに行かせていただく機会がありました。

最初は本当に国際感覚を身につけるといったイメージでの携わり方だったのですが、実際に海外へ行ったことで、医療の在り方を考えるきっかけになりました。医療には命を守るための医療に加え、美容のようにプラスアルファの医療があるなどいろいろなアプローチ方法があるけど、医療の本質はどこにあるんだろうとか。海外から見た日本や日本から見た海外といった視点を初めて経験して、いろいろ考えさせられました。

歯科医療への情熱 ~多種連携で予防医学にアプローチしたい~

―――専門分野である歯周病学やインプラント治療はもちろん、全身の予防医学の重要性を推奨している築山先生ですが、そこに至るまでの経緯を教えてください。

もともと外科が好きだったので、口腔外科学から歯周病学、インプラント学に歩みを進めたという感じです。専門医としてのスキルや知識を高めるためにアメリカやヨーロッパでも勉強させていただきました。予防歯科に関しては、もともと私の父が予防という概念がない40年前から取り組んできていて、結果を出してきたという背景があります。病気を治して診療報酬を得るということが当たり前の流れの中で、そもそも病気しない方が良いよねという方向に舵を振っていたんです。

父の予防歯科への取り組みを受け継いでいることに加え、歯周病の病因論が解明されていくに従って、全身疾患との関係性が注目されるようになったという学術的側面もあり、全身の予防医学のことも今後は考えなければいけないという考えに至りました。

―――なるほど、全身の予防医学を実践していくにあたり、どんなアプローチをしていこうとお考えですか?

医療機関のうち病気でもないのに継続して通院し続けるのは、歯科医院しかありません。患者さんは歯科医院に継続的に予防メインテナンスで通院しますし、生涯にわたって患者様とタッチポイントがあるので、長いお付き合いの中で患者さんの小さな変化にも気づきやすいという側面があります。そこで、歯科医と他の医療分野のプロフェッショナルと連携することで、全身の予防医療にもつなげられる。そのためには、多種連携のアプローチが欠かせません。他のプロフェッショナルと連携するため、さまざまな知識を身につける必要があると考えています。

つきやま歯科医院の魅力 ~自由診療専門歯科クリニックで患者様の選択肢を広げる~

つきやま歯科医院 専門医療クリニック天神

―――築山先生が「つきやま歯科医院 専門医療クリニック天神」は、自由診療専門のクリニックと伺ったのですか、なぜ自由診療専門を選ばれたのですか?

予防メンテナンスを受けに来られる患者様は健康意識が高く、何らかのトラブルが起きた際に積極的に質の高い治療を受ける傾向にあります。その高いニーズに応えるため、専門医療に特化したクリニックを開院しました。また副院長の木戸淳太先生と共にアメリカで専門医としてのトレーニングを受けてきたので、最善の治療をご提供するためには健康保険内という制限医療内ではそれが実践できないと考えたからです。

それはアメリカにいるときに、日本の医療制度の限界を感じたという側面もあります。アメリカって良くも悪くも保険の利かない国で、病気になって治療するととんでもなくお金がかかったりするんです。自己責任の国なので、保険に加入するなら自分に合う民間保険を探さなければならないし、質が高い治療を受けるなら高額な医療費が必要になる。

一方、日本は思い切り社会主義みたいなところがあって、他の国では考えられないレベルの治療項目が網羅されています。いい意味で。ただ非常に単価が安く、歯科医師も相当の対価を受け取れるような制度であれば良いのですが、短時間でやらなければならない薄利多売的な制度のため、どうしてもクオリティが落ちてしまい、結果的に患者様の健康をおびやかし、患者様が不利益を被る形になっている。

自由診療に振り切っているアメリカの制度と極端に制限医療に振り切っている日本の制度のどちらが良いというわけではなく、両方の選択肢があっても良いのではと思ったというのもあります。

―――自由診療専門の歯科クリニックはなかなかないですね!「つきやま歯科医院 井尻本院」についても教えてください。

私は、「つきやま歯科医院 井尻本院」を全身の健康ステーションにしたいと考えています。現在移転予定なのですが、5階建てのビルが全部歯科なんです。医科はないのですがビルが駅のすぐそばにあるので、共感いただける医科の先生に近くに来ていただき、「このエリアに来たらメディカルのニーズがある」というスモール健康タウンを作っていけたら良いなと思っています。

1つのフラッグシップとして、価値観の発信方法やビジネスの在り方など、制度設計のヒントにできるようなポジションを確立できていけたら良いですね。昔から社会では「ゆりかごから墓場まで」と表現しますが、私たちは「始めよければ終わりよし」という表現で、幅広い世代の歯の健康に注力していくつもりです。

―――他とは違う立ち位置だと思うのですが、業界からの横風などを感じたりすることはありますか?

既存のオーソリティに入るとどうしても横風を感じざるを得ないと思うのですが、あえてよい距離感を置いています。どっぷり入ってしまうとどうしてもそこを意識するような発言もせざるを得なくなると思うので、ある程度自由に行動がとれて自由に発言できる状態でいたい。

ただ、キワモノ集団になるのはまずいというか、解像度が低い価値観を共有して声を上げていては話にならないので、王道的な歯科医療を体現している点を武器にしながら、どっちにも行けるようなポジションでいたいなと思っています。

歯科医療業界の今後の動向と期待 ~予防メソッドの確立を強みに~

つきやま歯科医院 専門医療クリニック天神

―――歯科業界医療業界の今後の動向において、築山先生のビジョンはありますか?

歯が悪くなったら治療すれば良いという考えではなく、治療にならないよう定期的なクリーニングや検査が重要という風潮が日本でももっともっと広まってほしいと思っています。歯科の中の二大疾患はむし歯と歯周病なのですが、予防メソッドを確立している領域は歯科だけなんです。他の医科領域は早期発見早期治療が原則なので、結局治療介入が不可欠ですが、歯科の場合は決してそうではない。そこから新しい存在意義を見つけられるような革新的な業界に生まれ変わっていくと良いなと思っています。

予防が大切と繰り返し申し上げていますが、治療の質が担保されることも同じくらい重要です。医療は社会に属しているものなので、質を担保するためにはまず良質な教育から。最近の歯学部は国家試験を合格させるための予備校みたいになってきているので、卒後教育で補完するなどして、業界全体のボトムアップにつなげていけると良いですね。

―――築山先生はどのようなアプローチで業界の底上げをしようと思っていますか?

院内だけでなく院外の活動も重視しており、まだ下っ端ではありますが制度設計の意見交換会に参加させていただくようになりました。医師にも患者様にとっても良い医療制度になっていけば良いなという想いから、流れが変わるきっかけになるかもしれないという期待を込めて、意見を発信しています。

底上げというと底辺を上げないといけないような感じがすると思うのですが、最初に変えるときはリーダーシップを取れるような方が世界観を示していく必要があると思っていて。その世界観がある程度一般化してくると、制度にも反映されたり力を持ったりと、引きずられるように全体が底上げされていくと思っています。

医科の制度はパラダイムシフト*が一気に起きにくく、何か1つ行動を起こしたからといってすぐに変化が生じるわけじゃないんです。リーダーシップを取れるような方が意思表示をして考えがもまれて、また醸成してという感じでちょっとずつ上がっていって、それが若い世代のスタンダードになってという感じですかね。だから、今のリーダーとか次世代リーダーとかとタイアップして、次の世界観を見せていくのが私の役割だと思っています。

*パラダイムシフト…その時代の規範となる考え方や価値観などが劇的に変化すること

―――共鳴できる仲間が増えてきた実感はありますか?

そうですね。勉強会を主催しているのですが、たまたま寄ってきてくれた方々がすごく気の良い仲間たちばかりなんです。結構規模がありますが、会員制度とかヒエラルキーもなくすごくフラットな組織で。社会にインパクトを与えられそうなエネルギーのある若い世代が集まっていて、良い意見交換ができていると感じています。

読者や患者様へ向けて伝えたいメッセージ ~歯科医院を気軽に相談できる窓口に~

最近は、定期的に歯科医院にクリーニングしに行く習慣のある方も増えてきています。クリーニングしてもらうことに価値を見い出すというより、自分が健康かどうかを確認しに行く場所と認識していただければうれしいですね。口に関して分からないことは口の専門家である歯科医に相談していただければと思います。さまざまな取り組みを通じて健康に対する価値観と口腔健康価値を伸ばせるよう、今後も努力を重ねていきたいです。

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