
40代以降、“老けた?”のひと言にドキッとしたことがある方もいるのではないでしょうか。
加齢とともに訪れる輪郭のたるみや肌のくすみといった“おじさん顔”の特徴は、見た目の印象を大きく左右するものです。しかし、これらの加齢サインを年のせいにして諦める必要はありません。
この記事では、男性特有の加齢による変化やその悩みを解消するための美容医療について解説します。
また、ただの若作りではない、好印象な“イイ男”になるための秘訣もご紹介。この記事を読んで、男性としての自信を取り戻すための一歩を踏み出しましょう。
INDEX
40代以降の男性に訪れやすい変化とは
まずは、40代以降の男性に起こりやすい顔や肌の変化から見ていきましょう。
■輪郭のたるみ
40代以降の男性では、輪郭がたるみやすくなります。
輪郭がたるむ主な要因は、表情筋の衰えによるもの。表情筋とは顔の表情をつくる筋肉の総称で、皮膚や脂肪を支える役割を担っています。ところが加齢に伴って表情筋が衰えると、筋肉が皮膚や脂肪を支えられなくなり、顔のたるみが進行してしまうのです。
また、年齢を重ねるほど重力の影響も受けやすく、皮膚の下にある支持靭帯が下がってしまうのも輪郭がたるむ原因の1つ。
支持靭帯とは筋肉の層と皮膚を結び付ける組織です。顔の構造を支えることで皮膚が下がらないように保っていますが、重力の影響を受け続けると下垂が顕著に表れます。
フェイスラインがもたついたり、顔と首の境界線が曖昧になってきたら、輪郭がたるみ始めている証拠です。
■ゴルゴライン
ゴルゴラインは、ほうれい線やマリオネットラインと並ぶ加齢サインの1つ。
目頭の下から頬の中央に向かって斜め下方に表れるラインです。人気マンガ“ゴルゴ13”の主人公の頬にくっきりと描かれていることが名前の由来となっていますが、専門用語ではミッドチークラインや中頬溝といった呼び方をしています。
ゴルゴラインができる原因は、表情筋の衰えや眼精疲労など。また、年齢とともに肌の弾力を保つコラーゲン・エラスチンが減少していくことも、ゴルゴラインの原因になると考えられています。
■目の下のクマ
目の下のクマは、眼窩脂肪(眼球が収まっている部分の脂肪)の突出や血行不良、色素沈着などさまざまな原因で生じます。
とくに男性は女性と比較して眼窩脂肪が多く、加齢によって目元の筋肉が衰えると脂肪のせり出しが目立ちやすい状態に。これがいわゆる「黒クマ」の正体です。
目の下のクマは、顔の印象を大きく左右する要因。クマがあるだけで実年齢よりも老けて見られやすく、疲れた印象を与えます。
■肌のくすみ
くすみもまた、40代以降に表れやすい加齢のサイン。肌がくすむと透明感がなくなり、まるで顔色がワントーン暗くなったかのような印象を受けます。
肌のくすみを引き起こす要因は、肌への摩擦や紫外線などによってメラニン色素が過剰生成されること。
通常はメラニン色素が生成されてもターンオーバーによって排出される仕組みになっていますが、年を重ねると代謝が悪くなり、ターンオーバーがうまく機能しなくなることがあるのです。
本来は排出されるはずのメラニンが皮膚に溜まってしまうと、シミやくすみとして残存。老け顔の原因となります。
■鼻の肥大化
鼻は加齢によって肥大化する傾向にあります。芸能人を見ていても“昔より鼻が大きくなった?”“顔の印象が変わった気がする”と感じることがあるのではないでしょうか。
鼻の肥大化は自覚しにくいものですが、年とともに骨格が痩せたり肌がたるんだりすると鼻の大きさが強調されやすくなります。とくにアジア人は西洋人と比べてもともと鼻が低めの人種。横に広がりやすく、ぽてっとした団子鼻やにんにく鼻のようになりやすいのが特徴です。
身だしなみで印象は大きく変わる!男性が清潔感をアップさせる方法
輪郭のたるみやゴルゴラインといった加齢のサインが見られると、“老けたな……”と自信をなくしてしまう方もいるでしょう。
しかし、年齢を理由にして身だしなみをおろそかにするのはもったいないこと。場合によっては“清潔感がない人”というレッテルを貼られてしまうかもしれません。では、清潔感を出すには、どういった点に気を付けると良いのでしょうか?
■スキンケア
清潔感のある肌をつくるには、丁寧なスキンケアを意識することが大切です。とくに男性は、女性よりも皮脂分泌量が多く、肌が乾燥しがち。スキンケアを怠るとカサつきやくすみなどの肌トラブルを引き起こし、見た目の印象を悪化させてしまうかもしれません。
メンズスキンケアの基本は、「洗顔」「保湿」「保護」の3つ。
【基本のスキンケア】
- 洗顔:汚れや余分な皮脂を洗浄し、肌を清潔にする
- 保湿:水分や油分を補い、肌にうるおいを与える
- 保護:肌のうるおいを保ち、紫外線などの外部刺激から肌を守る
洗顔と保湿は朝と晩のスキンケアで1日2回、保護に関しては外出前のタイミングで1日1回行うのがポイントです。面倒がらずにお手入れを毎日継続することが、清潔感のある肌へとつながります。
■脱毛
女性は、男性の肌だけでなくひげや体毛もチェックしています。もちろん体毛が濃い男性を好む女性もいますが、清潔感を意識するという意味では、ムダ毛はきちんと処理しておくのが鉄則。
実際、最近はメンズ脱毛に特化したクリニック・サロンが増えてきており、若い世代を中心にムダ毛を処理することが身だしなみの一環として広まりつつあります。
脱毛によって顔や体のムダ毛がなくなると、肌のトーンが明るく見えたり全体としてシャープな印象を受けたり、見た目の清潔感が格段にアップする可能性も。
とくにひげ脱毛は、剃り残しや青ひげによるくたびれ感を解消し、より洗練された印象を与えます。
■口元治療
口元のしょぼしょぼ感やたるみによる口角の下がりは、実年齢よりも老けて見えたり不潔そうに見えたりする原因に。これは、加齢による皮膚の弾力性低下や表情筋の衰えが影響しています。
口元のしょぼしょぼ感を改善するのに役立つのは、ヒアルロン酸やボトックス(A型ボツリヌス毒素)などの注入治療です。
ヒアルロン酸は、ほうれい線やマリオネットラインのシワを目立ちにくくし、ふっくらとした口元を形成。一方ボトックス(A型ボツリヌス毒素)は、口角を上げる筋肉に働きかけ、自然な笑顔を取り戻す効果が期待されます。
口元が整うと表情全体が明るくなり、一気に若々しい印象に。清潔感や親しみやすさをもたらしてくれるでしょう。
■毛穴治療
毛穴の開きや黒ずみ、皮脂詰まりは年齢とともに悪化しやすく、見た目の清潔感を大きく左右する要素といえます。とくに40代以降の男性は、肌のハリ不足やターンオーバーの乱れによって毛穴が広がりやすくなり、“テカリ”や“毛穴の目立ち”が不衛生な印象につながることも。
こうした毛穴の悩みにアプローチする美容医療として挙げられるのが、ケミカルピーリングやダーマペンなどです。
ケミカルピーリングは、専用の薬剤によって肌表面の古い角質を除去し、ターンオーバーを正常化させる治療。皮脂詰まりを解消し、毛穴の開きや黒ずみを改善する効果が見込めます。肌のくすみも解消され、全体的に明るい印象になるでしょう。
ダーマペンは極細の針で肌に微細な穴を開け、肌の再生能力を利用してコラーゲンやエラスチンを増生させる治療法です。毛穴の引き締めや皮膚のハリ感アップなどの幅広い悩みに対応でき、若々しい肌へと導きます。
毛穴がきゅっと引き締まることで、毛穴の開きに起因する鼻の肥大化を和らげる効果も期待できるでしょう。
メンズ美容市場は拡大傾向に。美容医療を始めるうえで知っておきたいポイント
「美容医療」と聞くと、女性のもの、あるいはハードルが高いと感じる男性もいるかもしれません。
しかし近年では、美意識の高まりとともに男性向けの美容市場は右肩上がりで拡大し、多忙なビジネスパーソンやミドル層の男性でも気軽に始められるような選択肢が増えています。では、初めて美容クリニックの扉をたたくときは、どのような点を意識すると良いのでしょうか?
■初診で伝えることは?
初診では、“輪郭のたるみが気になる”“肌全体のくすみをどうにかしたい”というように、まず自分が悩んでいることを具体的に伝えるのがポイントです。
加えて過去に受けた治療経験や使用しているスキンケア、アレルギーの有無などがあれば、併せて伝えることで医師は最適な治療法を提案しやすくなります。
もちろん“清潔感を出したい”や“若々しく見られたい”といった漠然とした希望でも受診はできますが、どういった治療法があるのかまったく知らない状態でカウンセリングを受けると、結局どうしていいか分からず迷ってしまう原因に。
自分の悩みや希望をリストアップしておくとともに、ざっくりとどのような施術があるのかを事前に調べておくと良いでしょう。
■どんな計画を立てる?
治療計画を立てるにあたって重要になるのが、優先順位を明確にしておくこと。
“目の下のクマも気になるし、肌のくすみも気になる”というふうに複数の悩みがあったとしても、仕事などで多忙なミドル層が最初からすべてを改善しようとするのは現実的ではありません。
加えて、美容医療には基本的にダウンタイムがつきもの。商談や接待など大切な予定に支障が出ないよう、ご自身のスケジュールと照らし合わせて施術日を調整していく必要があります。
そこでおすすめなのが、優先順位に従って気になる部分から段階的に治療を進めていくこと。
例えば、最初は肌のくすみや毛穴の開きに効果が見込めるスキンケアから始め、肌の状態が整ったらたるみやシワの治療に進むといった具合です。肌の反応や効果を見ながら次のステップに進むことで、無理なく自然な変化が期待できるでしょう。
年齢に応じたアップデートこそ“イイ男”の証
ミドル世代の男性が美容や見た目に気を遣うことは、今や自己投資として広く認識されています。しかし一方で、その方向性を誤ると“痛いおじさん”扱いされてしまうことも。
モテるおじさんとモテないおじさんの違いは、どこにあるのでしょうか?
【モテるおじさんの特徴】
- 若作りではなく丁寧に自分をケアしている
- 清潔感があり、年相応の身なりをしている
- 体型に気を遣っている
- 時代の流れをキャッチして、都度自分をアップデートしている
- 自分磨きを怠らず、常に成長を目指している
【モテないおじさんの特徴】
- 年齢に合わない服装や言動を無理に続けている
- そもそもおじさんになったことを自覚していない
- トレンドを過度に追随しており、実年齢とのギャップがある
- 身なりが手入れされておらず、清潔感がない
- 昔モテたことを武勇伝のように語る
加齢はだれにでも等しく訪れます。だからこそ“痛いおじさん”にならないためには、その変化を自然な現象として受け入れ、若作りではなく年齢に応じてアップデートしていくことが大切。
美容医療などを活用して今の自分を整えようとする努力が、結果として“イイ男”という評価につながるのです。
まとめ
鏡を見たときに顔や体の変化を実感したら、それは見た目を見直すチャンスかもしれません。
輪郭のたるみやゴルゴサイン、目の下のクマといった“おじさん顔”の特徴を放置することは、印象を大きく損なう原因になります。
美容医療やスキンケアの選択肢が豊富になった今、年齢に合った整え方を知り実践することは、清潔感と若々しさを自然に取り戻すことにつながるでしょう。いつまでも自分らしく輝けるよう、ぜひ信頼できる医師に気になる肌悩みを相談してみてください。
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