
男の人は何歳までできるのだろう……そんなふうに考えたことはありませんか?この記事では、赤ちゃんを望んでいる方やパートナーの健康や生殖能力に関心がある方、結婚や出産などのタイミングを決めかねている方に向けて、男性の生殖能力や年齢に伴う性欲の変化について詳しく解説します。また、併せて妊活中のカップルが受けられる医療的なサポートについてもご紹介。パートナーとの間に子どもを授かりたいと考えている方は、ぜひ目を通してみてください。
1.男の人は何歳までできる?70歳の男性にも生殖能力があるって本当?

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「男の人は何歳までできる?」と気になる方もいるかもしれませんが、結論からいえば性行為を行う年齢に上限はありません。健康状態が良く性的欲求がある男性なら、何歳になってもパートナーとの性行為を楽しめます。
個人差が大きいため、いわゆる“現役”とされる男性の平均年齢は不詳ですが、世界的に見れば60代や70代以降でもセックスを続けている男性は珍しくないようです。ただし、年齢を重ねるほど、性欲は徐々に衰えていくとされています。また、生殖能力はライフスタイルや生活習慣の影響を受けます。そのため将来的に2人の子どもを望むのであれば、できるだけ早めにタイミングを検討したほうが良いでしょう。
■男性のEDは20代後半から緩やかに増加
性行為自体は何歳になっても楽しめますが、日本では20代後半頃からED(勃起不全)を訴える男性の数が緩やかに増加していく傾向にあります。実際、浜松町第一クリニックが行った20~40代の男女671人を対象とした調査で「自身の性生活をセックスレスだと認識している」と答えた方の割合は46.3%にものぼるとのことです(※1)。
「男性が勃たなくなる年齢は?」「男の人は何歳までできる?」という問いに正解はありませんが、20代後半という若い年齢でも、肉体的・精神的な問題でED症状に悩んでいる方がいます。
■男性の生殖適齢期は30代前半まで
これまでは、何歳になっても精子が新しく作り続けられるとされていたため、男性の生殖適齢期について活発な議論は行われてきませんでした。しかし、近年の研究では、60代70代と年齢があがるにつれて、女性と同様に男性も妊娠確率が徐々に低下していくことが明らかになりつつあります。これは、加齢によって精子のDNAが損傷しやすくなるため。日々新しく作られていたとしても、DNA損傷した精子が増えれば、妊娠しにくくなるという見解です。
まだ研究途上の面もありますが、1番妊娠しやすい年齢は30代前半ごろまで。子どもを望むのなら、女性も男性も35歳くらいまでに計画しておくのがベターです。まだ先の話と考えている方も、親になるための準備として、日ごろから健康状態に気を配っておくと良いかもしれません。
もちろん、35歳を過ぎても妊娠・出産に至るケースは多分にありますが、将来後悔しないようにするには、加齢とともに妊娠しにくくなる現状をお互いに認識しておくことが大切。人生のライフプランを計画するうえで、きっと役に立つはずです。
2.精子が老化する要因

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男性の生殖適齢期は、30代前半をピークに緩やかに減少していくとされています。しかし、精液所見に影響を与えるのは、年齢だけではありません。ここでは、精子の老化を促す生活習慣についてご紹介します。
■運動不足
肥満の男性は適正体重の方と比較し、精子の数や濃度が低下するとされています。そのため、精子の健康を維持するには、適正体重のコントロールが重要。適度な運動は、精子の質を改善する効果が見込めます。パートナーとウォーキングを楽しんだり仕事の合間にストレッチをしたりして、無理なく続けられるダイエット法を見つけてみましょう。
■喫煙
喫煙習慣は、精子の数や動き、形に影響を及ぼすと考えられています。また、喫煙はEDを引き起こす原因の1つ。これは、たばこに含まれるニコチンに血流を悪くさせる作用があるためです。1日に吸うたばこの本数が多いことや喫煙歴が長いことは、EDのリスクを高めます。パートナーとの性行為を長く楽しみたいのであれば、この機会に禁煙に取り組んでみても良いかもしれません。
■精神的ストレス
精神的なストレスは、心の健康だけでなく精子の健康にもダメージを与えます。ストレスを感じると、体内では活性酸素が発生。活性酸素が過剰に生成されると、細胞損傷や炎症を引き起こし、老化を促進させる原因となります。老化が進めば、精子のDNA損傷が生じやすくなる可能性も。
ストレスを緩和させることは難しいかもしれませんが、没頭できる趣味や娯楽を見つけ、なるべくリラックスできる環境を整えていくことが大切です。心の健康を維持するためにも、自分なりにストレスとうまくつき合う方法を探っていきましょう。
■飲酒
過度な飲酒は、精子の質を低下させたりED発症のリスクを高めたりするリスクがあります。とくに、毎日のように晩酌を楽しむ方は要注意。飲酒の機会が多いと、精液の量や精子の形に悪影響を及ぼすこともあります。もちろん飲酒は、子どもを希望する女性にとっても気をつけたい生活習慣です。どの程度であれば妊娠に影響があるのかは明らかにされていませんが、飲酒は週に2日までを目安に、適量を楽しむ程度に抑えておきましょう。
■睡眠不足
睡眠は、心身の健康を維持するうえで重要な役割を果たしています。慢性的な睡眠不足は、生活習慣病の悪化や精神疾患、免疫力の低下をもたらす原因に。妊活面では精子の質に悪影響を及ぼします。妊娠を希望する方にとって最適な睡眠時間は7~7.5時間程度。短すぎるのも長すぎるのも良くないため、毎日同じ時間に寝起きするなど、規則正しい生活リズムを心がけましょう。
3.妊活中の男女が受けられる医療的なサポート

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妊活中の女性にとって「男の人は何歳までできるのか」は大きな関心ごとの1つ。性行為を行う年齢に上限がないとはいえ、加齢によって妊孕性が低下していくことを考えると、できるだけ早く子どもを授かりたいと考えるのが自然でしょう。
しかし、焦りは禁物。現在、不妊治療に関する取り組みは、国や自治体、企業などで積極的に進められています。ここでは、妊活中のカップルが受けられる医療的なサポートをご紹介。公的医療保険が適用されるものと自由診療で受けられるものに分けて解説します。
■薬物療法
不妊治療を開始すると、多くのケースでタイミング法がファーストステップとなります。しかし、タイミング法では指定された日に性行為を行う必要があるため、心理的なプレッシャーを感じる男性が少なくありません。このような義務感やストレスが原因で発症したEDには、シルデナフィルクエン酸塩やタダラフィルなどの薬物療法が適応されることがあります。薬物療法は、不妊治療を目的とした場合には保険適用が可能です。EDによる男性不妊で悩んでいるカップルは、ぜひ一度かかりつけのクリニックに相談してみてください。
■体外受精(顕微授精)
精液所見が悪く自然妊娠が難しい場合は、顕微授精で妊娠を目指すことができます。顕微授精とは、細いガラス管を使って1つの精子を卵子の中に注入し、人工的に受精させる方法。優良な精子が1つあれば受精が期待できるため、精液所見が悪い方に有用です。ただし、顕微授精は不妊治療の中で最後のステップに位置する治療法。経済的負担が大きくなりやすいほか、採卵を必要とするため女性にも身体的負担がかかります。また、2022年4月より公的医療保険の適用が認められるようになりましたが、回数や対象者は限定されているのが現状です。対象外の場合は、高額な費用がかかる可能性があることを認識しておきましょう。
■生活指導・栄養療法
自由診療にはなりますが、不妊に悩むカップルへの生活指導・栄養療法として、オーソモレキュラー療法が広まってきています。オーソモレキュラー療法とは、採血や尿検査で栄養状態を把握し、食事や生活習慣の見直しを指導する治療法。体のコンディションが整い、妊娠しやすい状態へと導く効果が期待できます。オーソモレキュラー療法は男性だけでなく女性も受けることができるため、カップルで取り組む方も少なくありません。不妊症の治療法として、新たな選択肢となりつつあります。
まとめ
「男性は何歳までできるか」が気になる女性に、男性の妊孕力について詳しく解説しました。年齢のことだけを考えると妊活は早く始めるに越したことはありませんが、大切なのは夫婦2人が同じ方向を向いて頑張れるかどうかです。妊活がうまくいかないと、不安や焦りが出てくることもあるでしょう。しかしそんなときこそ、2人で楽しみながらダイエットや体質改善に取り組んでみると良いかもしれません。医療や美容医療の力も借りながら、2人にとってベストなライフプランを計画してみてください。
【参考】
※1 浜松町第一クリニックの調査データ
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