【New Topics】エステ市場、5年連続縮小の衝撃──女性離れとHIFU規制、最後の希望は“メンズ美容”か?

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今回のNews Topicsでは、矢野経済研究所が発表したエステ市場の縮小予測をもとに、脱毛サロンの経営破たん、HIFU(ハイフ)規制による女性施術の減退、そして唯一の希望として浮上する男性美容市場の現状と今後の展望を追う。

📌 3つのポイント

エステ市場が5年連続縮小、2024年度は前年比1.7%減の3,043億円に
脱毛サロン倒産・HIFU規制の影響で女性向け市場が深刻な打撃
男性向けエステはわずかに成長、今後の市場を下支えする可能性も

1. エステ業界に忍び寄る終わりの始まり

矢野経済研究所は、エステティックサロン市場が5年連続で縮小していると発表した。2024年度の市場規模は前年比1.7%減の3,043億円となり、特に女性向けの痩身・脱毛・美顔分野が打撃を受けている。その要因には、相次ぐ脱毛サロンの倒産や、エステでのHIFU(高密度焦点式超音波治療)施術の禁止など、構造的な逆風がある。特にHIFUトラブルは社会問題となり、厚労省は2024年4月に「医療行為」として医師免許を必要とする通知を出した。

出典:矢野経済研究所/エステ市場の縮小傾向

2. 「安さ」と「美容トレンド依存」が招いた制度疲労

女性向けエステ市場の多くは、グレーゾーン施術や広告によって拡大を図ってきたが、それが制度の規制強化と信頼喪失を招いた。中でも、銀座カラーやビー・エスコートといった大手サロンの破綻は象徴的だ。美を求める消費者の期待に応えられなかったビジネスモデルは、持続性の限界を露呈したといえる。日本の美容市場全体が「医療と非医療の境界線」とどう向き合うかが、今後の健全な成長を左右する。

3. 男性エステ市場に見える“次の伸びしろ”

一方、男性向けエステ市場は前年比0.6%増の155億円と、微増ながらも堅調な推移を見せている。Z世代を中心とした男性の美容意識の高まりが後押しとなっており、企業側もターゲット戦略を転換し始めている。女性向けの縮小を補い得る「次の成長市場」として、男性美容は重要なヒントを与える。ここには、価格競争ではなく価値提案型ビジネスへの転換可能性も秘められている。

編集長POINT
~HIFU規制と脱毛倒産で崩れる旧体制、メンズ市場に活路を見出せるか~

日本のエステ業界は今、制度と信用の揺らぎに直面している。脱毛という集客の柱が崩れ、HIFUという高単価メニューが法的に封じられた。こうした市場の退潮は、「なんとなくキレイになりたい」という曖昧な欲望に依存したビジネスモデルの限界を露呈したと言える。

だが、再生の鍵は“メンズ美容”にあるかもしれない。自己投資や印象管理を積極的に行う男性層の台頭は、安定成長の兆しとなる。エステ産業は、脱・女性依存の構造転換と、医療との連携強化という2つの道を選び取らなければならない。美容医療と生活美容の線引きを明確にし、“安全で誠実な美”を再構築する時が来ている。


✅ 6つの要約ポイント

・エステ市場は5年連続で縮小、2024年は前年比1.7%減
・女性向け施術の減退が大きく影響、主因は脱毛倒産とHIFU規制
・HIFUは医療行為とみなされ、エステでの提供が禁止に
・美容医療への移行が一部で進行、制度的分岐が鮮明化
・一方、男性向け市場は微増で堅調、今後の成長期待が高まる
・“脱・女性依存”と“医療連携”が業界再構築のカギとなる

参考文献

▼以下、参考内容/

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