【Breaking News】美容クリニック市場1.5倍でも倒産最多──東京商工リサーチが示した「真の分岐点」とは?

NEROが美容・健康医療に関する注目のTOPICSをとりまとめ!


市場1.5倍でも倒産最多──いま、美容クリニックに何が起きているのか?

市場は伸びている。それは事実だ。
全国の美容クリニック市場はこの3年間で1.5倍に拡大し、売上は過去最高を記録した。
だがその裏側で、倒産・休廃業の件数は過去10年で最多という静かな異変が起きている。
東京商工リサーチの最新調査が示したのは、単なる“売上拡大”ではなかった。
数字が物語るのは、分岐点の到来である。

【Breaking News】美容クリニック市場1.5倍でも倒産最多──東京商工リサーチが示した「真の分岐点」とは?

📌 ざっくりまとめると…

  • 市場は拡大しているが、収益構造は限界に近づいている

  • 2024年は倒産・休廃業が最多、選別の時代が静かに始まっている

  • これからの勝者は、経営の“構造”を設計できるかどうかで決まる

成長と崩壊が同時に進む、美容クリニックの現在地とは?

売上急増。「日常化」する美容医療

まず押さえておきたいのは、市場そのものは確かに拡大しているという点だ。
全国248の美容クリニック法人が記録した2024年の売上高は3,137億円(前年比+29.9%)
この3年間で、なんと約1.5倍にまで膨れ上がった。

背景には、SNSの普及やマスク生活の終了など、日常に美容医療が入り込む環境がある。
“美容医療は特別な贅沢”という時代は、もう終わっている。
いまや、男性も含めて美容は生活習慣の一部になりつつある。
NEROでも繰り返し触れてきたが、この「日常化」は市場拡大のエンジンだ。

CHECK POINT

成長とは、すべての者が潤うことではない。むしろ、分岐の始まりかもしれない。

【Breaking News】美容クリニック市場1.5倍でも倒産最多──東京商工リサーチが示した「真の分岐点」とは?

倒産最多。売上の裏で進む“沈黙の選別”とは?

成長の裏には、見逃せない数字がある。
2024年、倒産4件・休廃業3件の合計7件が確認された。
これは東京商工リサーチによると、過去10年で最多の退出件数となる。

なぜ市場が拡大しているのに、撤退が増えているのか?
理由は明確だ。広告費の高騰、円安による医療資材コストの上昇、人件費の圧迫。
加えて、後発クリニックにありがちな「広告頼み」の集客構造が、資金の消耗戦を招いている

たとえば、SNS広告で1件の来院を獲得するのに10万円以上かかる場合もある。
しかもその患者が継続しなければ赤字になる。この構造では、“短命”になるのも当然だろう。

CHECK POINT

 SNSで売れるかではない。継続できる構造を持っているかどうかが、唯一の基準になるのだ。

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利益率2.6%、見えてきた「構造の限界」とは?

数字が示すもう一つの現実。それは利益の薄さである。
売上は確かに右肩上がりだが、2024年の利益率はわずか2.6%にとどまった。
要因は複数あるが、特に以下の3つが構造的だ。

  • 広告宣伝費の膨張(特にSNS・リスティング)

  • 立地と機器への初期投資過多

  • リピーター依存型経営の限界

さらに、分析対象のうち73.7%が年商5億円未満の中小クリニックであることも見逃せない。
資本体力がなければ、“市場の波”に耐えきれず倒れるのは必然だ。

CHECK POINT

「施術力」があるだけでは、もう勝てない。“美しさ”は、事業モデルにも必要だ。

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これから勝てるのは、「施術力」より「設計力」とは?

では、これからの時代に勝ち残る美容クリニックとは何か?
答えはシンプルだが、厳しいともいえる時代になった。

  • 短期的な広告に頼りすぎない導線設計ができるか

  • 施術単価ではなく、LTV設計に基づいた商品開発ができるか

  • オンライン診療・化粧品ECなど、多角化に踏み出せているか

  • 単品施術に依存せず、患者の“人生単位”で向き合える価値提供があるか

美容医療の次のフェーズは、“施術メニュー戦略”ではなく、経営構造そのものの勝負の、つまり「ビジネスモデルの勝負」にるかもしれない。

CHECK POINT

美容医療に求められるのは「結果」だけではない。「継続」と「設計」が問われる時代が、もう来ている。

編集長POINT
~「成長=安定」ではなかった──数字が暴く、美容クリニックの構造リスク

構造で差がつく時代へ──変化に備える者だけが生き残る

美容医療は「売れる」時代から、「残る」時代へ移行している。
成長する市場は常に華やかに見えるが、そこには先行者と後発の格差、広告依存とLTV志向の格差が顕在化しつつある。

本質は、患者の人生設計に寄り添えるかどうか。単なる一回施術ではなく、「数年後の自分にも必要とされるクリニック」になれるかが問われているという点は否めない。
施術は「誰がやるか」ではなく、「どの構造でやるか」の時代であり、
美容医療において“選ばれる”とは、顧客の中に“残る”ということなのである。

【Breaking News】美容クリニック市場1.5倍でも倒産最多──東京商工リサーチが示した「真の分岐点」とは?

まとめ

  • 市場はこの3年で約1.5倍に拡大し、売上は過去最高を記録

  • 一方で2024年、倒産・休廃業は合計7件で過去最多に

  • 広告費・人件費・機器投資が利益を圧迫、利益率は2.6%に

  • 73.7%が年商5億未満の中小法人、資金耐久力に課題

  • LTV戦略、多角経営、構造的設計が次のサバイバル基準

  • “勝てる”より“残れる”クリニックの設計が問われている

▲以上で終了▲

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