【NERO独占スクープ】並行輸入問題の闇! 日本美容外科学会(JSAS) 理事長・鎌倉先生が語る、美容医療が静かに失いつつある「安全の前提」

📌 記事をざっくりまとめると…

  • 並行輸入問題の本質は「違法か否か」ではなく、安全の前提条件が崩れ始めていること

  • 日本美容外科学会〈JSAS〉理事長が指摘するのは、安全は製剤そのものではなく、流通・管理・責任構造で決まるという視点

  • NEROの独自取材で、複数の主要正規メーカー・正規輸入代行業者が同じ危機兆候を証言

  • 正規・非正規を分けているのは製剤名ではなく、トレーサビリティ(追跡番号)と教育を含む“安全インフラ”の有無

  • この構造で最もリスクを負うのは、施術を受ける患者である

第1弾の“その先”で、いま何が問われているのか

NEROは前回、独自スクープとして報じた。
「美容医療を侵食する“並行輸入の闇”——正規ルートを担う主要企業が警鐘を鳴らす、見えない流通リスク」

「並行輸入は違法なのか」
「安い製剤は悪なのか」

第1弾でNEROが提示したのは、
こうした単純な是非論では捉えきれない“構造的な危機”だった。

第2弾となる本稿では、
日本美容外科学会(JSAS)理事長であり、
長年にわたり臨床・学術・制度を横断して美容医療を見つめてきた
鎌倉 達郎 先生の視点から、なぜ今、美容医療における「安全の前提条件」そのものが揺らいでいるのか、その本質に迫る。

1. なぜ今、「並行輸入問題」が“医療の前提”として問われているのか

並行輸入は、制度上ただちに違法とは言えない。
だからこそ、これまで多くの場合は
「価格」「競争」「自由診療」という文脈で語られてきた。

しかし近年、美容医療の現場では
その議論の立て方自体が限界を迎えている

問題は、
並行輸入という“手法”ではない。

医療として当然守られてきた
「安全が成立する前提条件」が、
市場構造の中で静かに崩れ始めていること
——
ここに本質がある。

2.鎌倉先生が語る——美容医療における「安全の前提条件」

鎌倉達郎 先生(日本美容外科学会〈JSAS〉理事長)
「医療である以上、
その製剤が“どこで管理され、
誰が責任を持つのか”が明確でなければなりません。」

「価格や流通形態の話の前に、
安全が成立するための前提条件が
きちんと揃っているかどうか
が重要です。」

【NERO独占スクープ】並行輸入問題の闇! 日本美容外科学会(JSAS) 理事長・鎌倉先生が語る、美容医療が静かに失いつつある「安全の前提」

鎌倉先生は、
並行輸入そのものを一律に否定する立場は取らない。

しかし同時に、こうも語る。

「前提条件が欠けたまま行われる医療は、
たとえ"悪意がなくても"
結果的に患者さんのリスクを高めてしまう可能性があります。」

ここで言う「前提条件」とは、
単なる製剤の“真贋”(しんがん)ではない。

3.正規・非正規を分けているのは“製剤”ではなく“構造”だった

NEROが第1弾で報じた通り、
正規品と並行輸入品を分ける決定的な違いは、
製剤の名前やラベルではない。

違いを生むのは、流通と責任の構造である。

「同じように見える製剤であっても、
背後にある管理体制や責任設計が違えば、
医療としての安全性はまったく別物になります。」(鎌倉先生)

4. 複数企業取材が示した、共通する“危機の兆候”

NEROは今回、
美容製剤を中心に取り扱う、
主要正規メーカーおよび正規輸入代行業者として
日本市場の安全基盤を支えてきた複数企業
に独自取材を行った。

立場も扱う製品も異なる各社が、
驚くほど一致した危機認識を語った。

  • 並行・準並行的な流通の急増

  • 温度管理が担保されていない可能性

  • ロット追跡の断絶

  • 製剤の劣化・希釈・期限問題

  • 事故発生時、責任の所在が不明確になる構造

重要なのは、
これらが「断定」ではなく
現場で“観測されている兆候”として一致している点だ。

5. 安全はどこで失われるのか——流通・責任・トレーサビリティの断絶

正規ルートが長年担ってきたのは、
目に見えない“安全のインフラ”だった。

  • コールドチェーンによる温度管理

  • ロット・製造履歴の追跡

  • 医師教育・研修体制

  • 学会支援

  • トラブル発生時の責任ライン

「並行的な流通が増えることで失われるのは、
製剤の品質そのものではなく、安全を支える前提条件です。」(鎌倉先生)

【NERO独占スクープ】並行輸入問題の闇! 日本美容外科学会(JSAS) 理事長・鎌倉先生が語る、美容医療が静かに失いつつある「安全の前提」

6. JSAS(日本美容外科学会)が直面している課題と現在地

「現行制度の中では、
正規・非正規を明確に線引きすることは簡単ではありません。

だからこそ、
医師一人ひとりが
“何を基準に判断するのか”という
共通認識を持つことが重要
だと考えています。」(鎌倉先生)

学会として“糾弾”や“断罪”を行う立場ではないと前置きしつつ、
判断軸の共有こそが、今できる最も現実的な対策だと語る。

【NERO独占スクープ】並行輸入問題の闇! 日本美容外科学会(JSAS) 理事長・鎌倉先生が語る、美容医療が静かに失いつつある「安全の前提」

JSASにおける賛助会員・アドバイザリー委員会の位置づけ

日本美容外科学会〈JSAS〉では、
業界の健全性と医療としての安全性を支える仕組みとして、
賛助会員制度およびアドバイザリー委員会が設けられている

これらは単なる協賛や名義貸しではない。
学会の理念を共有する企業が関与し、

  • 安全性に関する知見の共有

  • 医師教育・情報提供の質の担保

  • 流通や管理に関する課題の可視化

といった観点から、
医療の“前提条件”を底上げする役割を担っている。

「規制で縛ることが目的ではありません。
正しい判断軸を、業界全体で共有できる状態をつくることが重要です」
—— (鎌倉先生)

学会の役割を「取り締まる側」ではなく、
医療としての共通基準を示す“座標軸”をつくる存在だと位置づける。

編集長POINT|並行輸入問題の闇が突きつける“医療の再定義”

並行輸入問題の闇とは、
違法性の話ではない。

医療として本来守られるべき
流通・管理・責任・教育という前提条件が、
市場構造の中で静かに溶け落ちていること
——
それこそが最大の問題だ。

そして、この構造の歪みが最終的に跳ね返る先は、
ほかでもない施術を受ける患者である。

患者は、
製剤の流通経路も、
管理状態も、
トレーサビリティ(追跡番号)の有無も、
自ら確認することができない。

「患者さんは、“安さの裏側”を判断できない立場にあります」

鎌倉 達郎 先生のこの言葉は、
この問題の本質を端的に突いている。

安全は、
製剤の名前や価格で決まるものではない。

追跡できるか。
責任が辿れるか。
教育と管理が維持されているか。

それらが積み重なって、
はじめて“医療としての安全”は成立する。

並行輸入問題が突きつけているのは、
「安いかどうか」ではなく、
それが“医療として成立しているかどうか”という再定義なのだ。

まとめ|美容医療が守るべき「安全の前提」を取り戻すために

  • 並行輸入問題は「善悪」ではなく「構造」の問題

  • 正規・非正規の境界は制度上、見えにくい

  • だからこそ、判断軸の共有が不可欠

  • 最終的に守られるべきは、患者の安全

NEROは今後も、
一次情報に基づく独立した医療ジャーナリズムとして、
美容医療の「安全の構造」を可視化し続けていく。

プロフィール|鎌倉 達郎 先生

聖心美容クリニック 統括院長
日本美容外科学会(JSAS) 理事長

1989年 宮崎医科大学医学部卒業。
九州大学医学部第二外科を経て美容外科医に転身。
聖心美容外科 東京院・福岡院院長を歴任後、統括院長に就任。
2015年 第104回日本美容外科学会(JSAS)会長、
2022年より同学会理事長。
並行輸入問題の闇! 日本美容外科学会(JSAS) 理事長・鎌倉先生が語る、美容医療が静かに失いつつある「安全の前提」


NEROとしての使命

NEROは、
美容医療をより良い未来につなぐために
“安全の構造”を可視化し続ける。

正規か、並行か。
その選択が、あなたの安全を左右する時代が始まっています。

だからこそ、
患者も医師も、そして市場に関わるすべての人も、
“正しい判断材料”を持てる世界をつくりたい。

NEROはこれからも、
一次情報に基づく独立した医療ジャーナリズム を軸に、
より透明で、安全で、持続可能な美容医療の未来を報じ続けていきます。

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