顔の傷が気になる方へ|傷痕の種類や治療法の選択肢を徹底解説

顔の傷が気になる方へ|傷痕の種類や治療法の選択肢を徹底解説

顔に傷痕ができると、「鏡を見るたび目がいく」「人と話すときに気になる」と悩んでしまうもの。そんな人に向けて、顔の傷痕に関する情報をお届けします。

記事内では、顔の傷痕の原因や種類、治療法の選択肢を解説。顔の傷痕はセルフケアも大切ですが、治らない場合は医療機関や美容クリニックでの治療を検討してみましょう。

顔の傷痕はどうして目立つの?原因をチェック

女性 鏡顔の傷が気になる方へ|傷痕の種類や治療法の選択肢を徹底解説|NERO DOCTOR / BEAUTY(美容医療)

出典:photoAC

まずは顔の傷痕について、目立つ理由や原因、受診先を見ていきましょう。

◾️傷痕が目立つ理由とは

傷痕に赤みや凹凸があると目立ってしまうものですが、その理由は皮膚の表面だけでなく内側も傷ついていることにあります。

外傷ややけど、虫刺され痕などが治るときに、傷口で血行不良や化膿を引き起こすことにより、傷を修復する組織が奥に残り、赤みや皮膚の盛り上がりが起こるとされています。

傷痕の残りやすさと肌質はほとんど関係ないといわれていますが、年齢とともに残りやすくなるもの。加齢により肌が乾燥しやすくなったり、ターンオーバーが遅くなったりすると、傷痕の修復に影響が出ます。

そのため、年齢を重ねるほど、傷痕に対する適切なケアを心がけることが必要です。

◾️顔の傷痕の原因

顔の傷痕の原因は“後天的なもの”と“先天的なもの”に分かれます。

後天的なもの
  • スポーツや事故によるケガ、やけど、ニキビ、引っ掻き傷、掻きむしりなどが原因。
  • 皮膚疾患があったり修復の経過が悪かったりすると痕になりやすい。
先天的なもの
  • 単純性・先天性血管腫、太田母斑など。
  • あざのような見た目で、成長とともに消えていくケースや、治療が必要なケースがある。

後天的な傷痕に関しては、残らないようにするためのセルフケアが重要です。注目ポイントは以下の3つ。

  • 保湿
  • 遮光
  • 保護

傷痕が乾燥すると、赤みやかゆみ、痛みの原因になります。肌のバリア機能を保つと外部からの刺激や細菌感染の防止につながるので、保湿に目を向けることが大切です。

また、傷痕が紫外線を浴びると色素沈着を起こしてしまいます。遮光テープを使って紫外線対策を行うなど、遮光面でもケアを心がけましょう。

傷痕の保護は、治癒過程での細菌感染による悪化を防ぐために欠かせません。傷痕が残りやすくなることと治癒の遅れを防ぐために、摩擦や刺激から肌を保護しましょう。

顔は体と比べて人の目線がいきやすいため、傷痕が残ると目立ったり、気になったりしやすいもの。適切なケアで治らない場合は、他の選択肢として治療を検討してみましょう。

◾️顔の傷痕治療の受診先について

傷痕が顔にできたときの治療は、形成外科や皮膚科、美容クリニックなどで行います。傷痕の原因や状態によって治療法が異なるので、まずは自身の傷痕をチェックしてみましょう。

例えば、事故による傷痕の治療は形成外科で手術を受ける・太田母斑は美容クリニックのレーザーで治療するなどです。

瘢痕(はんこん)やケロイドの治療には保険が適用されますが、皮膚を美しくすることを目的とする場合は自由診療になります。

顔の傷痕の種類

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続いて、顔の傷痕を種類別に見てみましょう。

◾️長い直線・シワに交差する傷痕

人の顔はほとんどが曲線になっているため、長くて直線に近い傷痕は目立ちやすいとされています。

一方、顔のシワに沿うような傷痕は目立ちにくいですが、ひきつれやすく、ふとした顔の動きによって目立つこともあるでしょう。

傷痕の長さ自体を短くするのは難しいとされていますが、形を変えたり、ひきつれを和らげたりすることで目立ちにくくする方法はあります。

ひきつれが強い傷痕の場合は、手術での治療が適しているケースが多いでしょう。

◾️幅広めの傷痕

傷痕の原因によっては、幅が広くなってしまうことも……。

傷痕は通常の皮膚とは違う構造でできており、表面がツルツルしているように見えることが特徴です。そのため、幅広めの傷痕は目立ちやすいといえます。

とくに毛が生える部分の場合、傷痕ができると毛が生えにくくなってしまい、より目立ってしまいます。

幅広めの傷痕の治療例は、幅を狭くする手術やレーザー、毛が生えにくくなった部分への植毛など。傷痕が落ち着いてくる時期に合わせて治療を始めましょう。

◾️盛り上がりのある傷痕

口の周囲のような頻繁に動く部位ほど、盛り上がりのある傷痕になりやすいとされています。

適切な処置により傷が一旦治ったとしても、後から傷痕が盛り上がってくるケースもあります。傷痕の盛り上がりは体質の影響も受けるため、ケロイド体質の人はとくに可能性が高くなるもの。

症状が強い場合は、傷痕の状態や体質に合わせた治療を検討しましょう。

顔に傷があるときの治し方│治療法の選択肢を解説

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顔の傷痕の治療法には、注射や手術の選択肢があります。注射での治療が適しているのは、痛みや赤みを伴う傷痕です。

合成副腎皮質ホルモンを注射して炎症を抑え、硬くなった組織をやわらかくします。

ただし、注射を繰り返すと陥没変形のリスクが高まったり、女性の場合は生理不順になったりと、副作用もあります。注射での治療は、間隔を空けて慎重に進めることが大切です。

手術での治療には複数の選択肢があり、それぞれ特徴が異なります。ここからは手術別に解説していきましょう。

◾️切除法

切除法は、傷痕が気になる部分の皮膚を切除・縫合する方法です。傷痕の範囲が小さいと1回の切除で治療可能ですが、範囲が広い場合は数回に分けて切除・縫合します。

傷痕の範囲や方向に合わせて、Z形成術やW形成術などから適した術式を選びます。

<切除法の適応症状>

  • 事故や美容整形の手術によってできた顔の傷痕
  • ニキビや水ぼうそうによってできた顔の傷痕 など

切除法のメリットは、盛り上がりのある傷痕も改善できること・ごく1本の細い線で目立ちにくくできること・ひきつれやつっぱり感といった機能面も改善できることなどです。

切除したことによる傷痕はできますが、手術前と比べて目立ちにくくなるケースが多いとされています。

また、傷痕の範囲が小さい場合は1回で治療を終わらせることができるので、「顔の傷はどれくらいで治るんだろう?」と治療にかかる時間が気になる人向きです。

◾️剥削法

剥削法(はくさくほう)は、傷痕部分の皮膚を特殊な器具で削り取る方法です。術後は、もとの傷痕が小さければ擦り傷のような状態になります。

もとの傷痕が大きければやけどしたような赤みのある状態になりますが、時間とともに傷痕が薄くなって肌の色も落ち着いてくるため、顔の傷を比較的早く治す方法といえるでしょう。

<剥削法の適応症状>

  • 盛り上がりのある顔の傷痕
  • やけどによる顔の傷痕 など

剥削法のメリットは、切らない手術のため縫合による傷痕が残らないこと・範囲の広い傷痕にも対応していることなどです。少ない治療回数で傷痕修正できるため、顔の傷痕を早く直したい人向けです。

しかし、やり直しができず、削りすぎるとケロイドになるというデメリットもあります。

◾️レーザー治療

レーザー治療は、傷痕の色を薄くしたり、凹凸や盛り上がりを改善させたりすることで目立ちにくくする方法です。

例えば、傷痕の赤みや黒ずみが目立つ場合はYAGレーザー、凹凸や盛り上がりが目立つ場合にはフラクショナルレーザーと、傷痕修正の目的によって適したレーザー治療が異なります。

<レーザー治療の適応症状>

  • 広範囲の顔の傷痕
  • テカリのある顔の傷痕
  • 美容整形の手術によってできた顔の傷痕 など

皮膚に無数の穴を開けることで治癒能力を促し、新しい皮膚の再生を図るレーザー治療。

新しい傷痕を作らないためきれいに治せること・治療回数を重ねるほどに改善が見られることなどのメリットがあります。レーザー治療は約6ヶ月~1年かけて治療を繰り返し行います。

効果が現れるまでに時間がかかる点はデメリットなので、傷痕の緩やかな改善を希望する人向けでしょう。

◾️光治療(ルメッカ)

赤みに対して強力な治療効果を発揮する光治療(ルメッカ)。シミやくすみ改善への効果で知られる美容医療ですが、顔の傷痕にも適応します。

<光治療(ルメッカ)の適応症状>

  • ニキビや虫刺されによる赤みのある顔の傷痕

光治療(ルメッカ)のメリットは、消えづらい赤みや色素沈着を改善できること・従来の光治療よりも少ない回数で改善が見られること・肌質改善の効果も期待できることなどです。

デメリットとして、術後の一時的な赤みや腫れ、色素沈着などのリスクがあります。

◾️ダーマペン

ダーマペンによる治療では、超極細の針を超高速で真皮層まで通し、肌の再生を図ります。新陳代謝を促して傷痕を修正する方法です。

<ダーマペンの適応症状>

  • 美容整形の手術によってできた顔の傷痕
  • やけどによる顔の傷痕 など

短いダウンタイムで治療できること・傷痕修正と合わせて肌質改善効果も期待できることなどが、ダーマペンによる治療のメリット。

複数回施術を受ける必要がある点はデメリットですが、肌の内側から原因にアプローチしたい人は検討しましょう。

◾️医療アートメイク

医療アートメイクは、傷痕の色を肌になじませて目立ちにくくする方法です。傷痕を治すのではなく、傷痕を目立ちにくくすることを目的としています。施術では、肌の色に合わせた色素を皮膚に注入します。

医療アートメイクのメリットは、痛みに配慮されていることと、自然な印象に仕上がることです。術後は数日間腫れや赤みが出ることもありますが、痛みのレベルや仕上がりの自然さを重視する人に向いています。

まとめ

傷痕ができてから約3~6ヶ月は“傷痕が治っていく段階”にあたります。

この時期に外科治療を行うとかえって治りにくくなることもあるため、傷痕修正は約6ヶ月~1年以上経過してから検討し、始めるのが一般的です。

まずは医師に相談し、傷痕の状態に合わせた治療開始のタイミングと方法を見極めましょう。顔の傷が気になる人は、ご紹介した治療法を、ぜひお悩み解決に役立ててください。

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【治療の内容】QスイッチNd:YAGレーザー
【治療期間および回数の目安】週に1回、5~6回程度 ※治療期間や回数等はクリニックごとに異なります。
【費用相場】1回約¥10,000~¥20,000
【リスク・副作用等】赤み、色素沈着、瘢痕形成、色素脱失など
【未承認機器・医薬品に関する注意事項について】
・本治療には、国内未承認医薬品または薬事承認された使用目的とは異なる治療が含まれます。
・治療に用いる医薬品および医療機器は、各クリニック医師の判断のもと、個人輸入手続きが行われています。個人輸入における注意すべき医薬品等に関する情報は、下記をご参考ください。
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・薬事承認を取得した製品を除き、同一成分や性能を有する他の国内承認医薬品および医療機器はありません。
・諸外国における安全性等に係る情報
-重大なリスクや副作用が明らかになっていない可能性があります。
・万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。

【治療の内容】IPL(光治療)
【治療期間および回数の目安】約3~4週間に1回、3~10回程度 ※治療期間や回数等はクリニックごとに異なります。
【費用相場】1回約¥10,000〜¥30,000
【リスク・副作用等】赤み、痛み、色素沈着、浮腫、皮膚の損傷、シミやほくろが一時的に濃くなるなど
【未承認機器・医薬品に関する注意事項について】
・本治療には、国内未承認医薬品または薬事承認された使用目的とは異なる治療が含まれます。
・治療に用いる医薬品および医療機器は、各クリニック医師の判断のもと、個人輸入手続きが行われています。個人輸入における注意すべき医薬品等に関する情報は、下記をご参考ください。
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・薬事承認を取得した製品を除き、同一成分や性能を有する他の国内承認医薬品および医療機器はありません。
・諸外国における安全性等に係る情報
-重大なリスクや副作用が明らかになっていない可能性があります。
・万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。

【治療の内容】ダーマペン(マイクロニードル治療)
【治療期間および回数の目安】3~4週間に1回、計1~5回程度
※治療期間や回数等はクリニックごとに異なります。
【費用相場】1回約¥15,000~¥25,000
【リスク・副作用等】赤み、皮むけ、内出血、腫れなど
【未承認機器・医薬品に関する注意事項について】
・本治療には、国内未承認医薬品または薬事承認された使用目的とは異なる治療が含まれます。
・治療に用いる医薬品および医療機器は、各クリニック医師の判断のもと、個人輸入手続きが行われています。個人輸入における注意すべき医薬品等に関する情報は、下記をご参考ください。
https://www.yakubutsu.mhlw.go.jp/individualimport/purchase/index.html
・薬事承認を取得した製品を除き、同一成分や性能を有する他の国内承認医薬品および医療機器はありません。
・諸外国における安全性等に係る情報
-重大なリスクや副作用が明らかになっていない可能性があります。
・万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。

【治療の内容】アートメイク
【治療期間および回数の目安】2~3回程度 ※施術回数等はクリニックごとに異なります。
【費用相場】1回約¥32,000~¥75,000
【リスク・副作用等】痛み、腫れ、赤み、内出血、炎症、色素沈着、色素不定着、色素の変性、麻酔によるトラブルなど
【未承認機器・医薬品に関する注意事項について】
・本治療には、国内未承認医薬品または薬事承認された使用目的とは異なる治療が含まれます。
・治療に用いる医薬品および医療機器は、各クリニック医師の判断のもと、個人輸入手続きが行われています。個人輸入における注意すべき医薬品等に関する情報は、下記をご参考ください。
https://www.yakubutsu.mhlw.go.jp/individualimport/purchase/index.html
・薬事承認を取得した製品を除き、同一成分や性能を有する他の国内承認医薬品および医療機器はありません。
・諸外国における安全性等に係る情報
-重大なリスクや副作用が明らかになっていない可能性があります。
・万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。