
肌再生医療のデメリットとは何なのでしょうか?自身の細胞を培養して美肌の持続を目指す肌再生医療は、芸能人やモデルの間でも話題になっており、注目が高まっている美容治療です。肌の老化を遅らせたり、美肌をキープしたりする効果が期待できる肌再生医療ですが、デメリットもいくつかあります。今回は肌再生医療のデメリットをメインテーマに、治療を検討中の方に向けた情報をお届けします。
INDEX
1.肌再生医療とは?治療概要と期待できる効果をチェック

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肌の再生医療は、脂肪や異物などの注入を行うことなく、自身の細胞を培養して移植する治療のこと。メスによる切開も行いません。肌再生医療の目的は、外部の刺激から肌を守る力や自然治癒力を生かし、美肌の持続を目指すこと。美容皮膚科やクリニックで肌再生医療の治療を受けられます。
美肌成分であるヒアルロン酸やコラーゲン、エラスチンは年齢とともに減少していくもの。これらはうるおいのある肌を維持するために欠かせない成分で、減少するとシワやシミ、たるみなどの肌トラブルにつながります。肌再生医療は、美肌成分を作り出す線維芽細胞を移植し、増やしていく治療です。年齢とともに生じる老化症状に対し、肌細胞の活発な働きを促すことでハリや弾力のある美肌へと導きます。施術可能な部位は、目や口の周り、額、頬などの顔全体。首や手の治療もできます。
<肌再生医療に期待できる効果>
- 根本から肌の老化に働きかける
- 肌の老化に対する進行対策
- 美肌を持続させる
肌再生医療は、根本からエイジングケアを図る治療です。即効性はありませんが、少しずつ肌悩みが改善されていくといわれています。また、美肌成分の生成機能を高めることで、老化を緩やかにする作用も期待できるでしょう。現在肌悩みがない方でも、治療を行うことで美肌を持続させる効果もあるとされています。
肌再生医療のメリットは、治療に自身の細胞を使うため副作用のリスクが少なく、採取・培養した肌細胞を冷凍保存できること。自身の希望するタイミングに合わせて治療可能です。その他、治療に年齢制限がないこともメリットといえるでしょう。
2.肌再生医療にはどんなデメリットがある?

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肌の老化や美肌の維持に効果が期待できる肌再生医療ですが、デメリットもいくつかあります。
■肌再生医療のデメリットその1│治療コストが高め
肌再生医療のデメリットとしてまず挙げられるのが、治療コストが高めであること。先進的な技術を用いる治療のため、肌再生医療の料金は高くなる傾向にあります。相場は施術方法やクリニックによって異なりますが、数十万〜数百万円といわれています。治療にかかる料金は、大きく分けて細胞抽出料金と細胞移植料金の2つ。その他、血液検査料や施術技術料なども加算されます。また、細胞を保管する場合は別途保管料も必要です。
■肌再生医療のデメリットその2│治療リスクがある
肌再生医療は比較的安全な治療とされていますが、リスクがゼロというわけではありません。体外での組織の培養や体内への注入過程において、感染が起こる可能性があります。無菌環境が整っていない施設での治療は感染症のリスクが高まるので、依頼先は入念に選ぶことが大切です。また、治療に伴う合併症の可能性もあるため、治療後は慎重に状態を監視していきましょう。
■肌再生医療のデメリットその3│効果には個人差がある
肌再生医療の治療には自身の細胞を用いるため、効果に個人差が生じます。体質や肌の状態によっては、反応が不十分なこともあるでしょう。また、変化が現れるまでに時間がかかるだけでなく、効果の出方が非常に緩やかな治療です。「すぐに効果を実感したい」「大きな変化を求めている」という方には物足りず、デメリットとなるでしょう。
■肌再生医療のデメリットその4│治療に時間がかかる
肌再生医療には、治療に時間がかかるという特徴があります。治療プロセスは、細胞の採取、培養、注入と複数に渡ります。中でも細胞の培養には時間がかかり、数週間~数ヶ月必要なこともあるでしょう。また、十分な効果を得るためには複数回の治療が求められ、長期的な視点で進めていくことになります。
■肌再生医療のデメリットその5│治療の適応範囲に限りがある
肌再生医療は適応範囲に限りがあり、進行した疾患には効果が不十分なこともあります。比較的早い段階では治療の効果が期待できるものの、疾患が進行している場合や組織の損傷が大きい場合は、作用が限定的となるでしょう。また、特定の疾患を抱えている、免疫異常を起こしている、といった方には適用できない場合があります。
■肌再生医療のデメリットその6│治療後はフォローアップが必要
肌再生医療では、治療の効果の確認、再生過程のモニタリング、副作用・合併症の監視、生活指導・サポートなど、複数のフォローアップが必要になります。スケジュールの目安は、治療後約1~2週間で行う初回の経過観察、治療後1~3ヶ月で行う進行状況の確認、治療後6ヶ月~1年で行う長期的な効果確認のフォローアップなど。1人ひとりの状況や治療内容によってスケジュールは変わりますが、フォローアップは長期に渡ります。
3.トラブルの可能性も肌再生医療のデメリット
肌再生医療のデメリットとして、トラブルの可能性もあります。ここではトラブル事例をチェックしていきましょう。
■トラブル事例その1│痛みや腫れなどの症状が出る
肌再生医療の治療では注射器を使うため、施術部位の痛みや腫れ、内出血などの症状が考えられます。腫れのピークは治療後約2~3日、その後約1〜2週間で落ち着いてくるでしょう。施術部位に内出血が生じた場合は、数日~1週間程度で吸収されていきます。
■トラブル事例その2│肌にしこりができる
肌再生医療の1つに、自身の血液から血小板を抽出し、自己治癒力を利用して肌のエイジングケアを図る“PRP療法”があります。その治療を行った場合に想定されるトラブルが、肌のしこりです。数ヶ月程度で元に戻ることもありますが、コラーゲン繊維が残ると元に戻らない可能性もあります。
■トラブル事例その3│麻酔の副作用
肌再生医療では、治療過程で麻酔を使います。麻酔の種類によって変わりますが、副作用やアレルギーのトラブルが考えられます。また、麻酔薬の注入量が多いと“麻酔薬中毒”の症状が現れる可能性もあるでしょう。
4.他の美容治療と肌再生医療はどう違う?自分に合う治療法を選ぼう

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肌再生医療は“肌細胞そのものを増やす治療”です。
<肌再生医療ならではの3つの魅力>
- 自身の細胞と血液のみを使用するため、副作用のリスクが低い
- 治療により増えた細胞は年齢とともに減るが、すぐに吸収されることはないので持続性が高い
- 元気な肌細胞を冷凍保存しておけば、その後好きなタイミングで移植できる
エイジングケアを目的とする美容医療には、ヒアルロン酸注射やレーザー治療、ボトックスなどが挙げられます。それぞれの特徴をチェックしてみましょう。
治療名 | 治療内容 | 効果が現れるまでの期間 | 副作用 |
肌再生医療 | 肌細胞を増やす治療 | 約1〜6ヶ月 | ほぼなし |
ヒアルロン酸注射 | 異物を入れる治療 | 治療直後 | 少ない |
レーザー治療 | 肌細胞に働きかける治療 | 約1〜3ヶ月 | 少ない |
ボトックス | 異物を入れる治療 | 約1〜2週間 | 少ないが耐性ができる |
肌再生医療は、他の美容施術と比べて効果が出現するまでの期間が長めです。「すぐに変化を感じたい」という方はヒアルロン酸注射を選ぶなど、自身の希望に合わせて選択すると良いでしょう。
まとめ
肌再生医療は、エイジングケアや美肌の維持を考える方向けの治療です。肌細胞そのもの増やす根本治療である点は、肌再生医療ならではのメリットといえるでしょう。ただし、治療を検討する際は、肌再生医療のデメリットもきちんと把握しておくこと。他の美容治療の特徴もチェックしたうえで、自身に合う治療を選ぶことが大切です。肌の再生医療の依頼先選びでは、実績や症例数、口コミも参考にしながら、信頼できる美容皮膚科・クリニックを選択しましょう。
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