浅層・深層RFは、肌質改善から輪郭形成まで、アプローチする層の違いで結果が大きく変わる施術。
「RF(ラジオ波)治療」と聞くと、肌を温めて引き締める・ハリや弾力を高める……そんなイメージを持つ方が多いかもしれません。
しかし今、RF治療は“熱の深さ”を自在にコントロールし、肌構造そのものをデザインする段階に進化しています。
肌質から輪郭までトータルで整えたい方、自分に合うRF治療を選びたい方はぜひチェックしてください。
RF治療の位置づけとアプローチの違い
たるみ治療の代表格として知られる「RF(ラジオ波)」。切らない肌治療の定番となっていますが、 “アプローチする層の深さ”によって効果や目的は大きく異なります。
上の図のように、皮膚は上から「表皮 → 真皮 → 皮下組織 →SMAS(筋膜)・ 支持組織(靭帯など)」という構造になっています。
もし皮膚を建物にたとえるなら、真皮は外壁や屋根、皮下組織はクッション材、そして垂直繊維の支持靭帯(リガメント)は柱のような役割を担っています。これらがしっかりしていることで、顔全体の構造が保たれているのです。
そのため、たるみが生じたフェイスラインをしっかり引き上げたい場合は、皮膚深部の「皮下組織(脂肪)」、骨や筋肉と皮膚を結びつけて顔の構造を支える「支持靭帯(リガメント)」といった“皮膚の土台レベル”まで熱を届けて、内部をリフォームする必要があります。
そのために用いられるのが、「インモード(InMode)社」が開発した次世代のRF機器・イグナイトRFのハンドピース「クォンタム(Quantum)」、そしてエンブレイスRFのハンドピース「フェイスタイト(Facetite)」「ボディタイト(Body Tite)」。
いずれも顔や身体の気になる部位にカニューレ(細い針)を挿入し、皮膚の内側と外側の両面からRF(ラジオ波)をダイレクトに届けるという仕組みで、外科的RFとも呼ばれる施術です。
真皮から皮下組織、皮下脂肪へにまでRFの熱が及び、しわやたるみを構造的にタイトニングでき、リフトアップ・部分痩せ効果は長期間持続します。
まさに“外科手術未満・皮膚治療以上”の存在といえるでしょう。
一方で皮膚科領域で扱うRFは、皮膚の比較的浅い層が主なターゲット。表皮や真皮といった肌表面〜中層のタイトニングとコラーゲン生成により、毛穴やキメ、ハリを整えることが主な目的です。
このように外科的RFと皮膚科的RFには、「アプローチできる層と出力の明確な違い」があるのです。
しかし外科的RFと皮膚科的RF ともに、“どの層に照射するか”を直接指定しているわけではなく、電極方式によって熱が集中しやすい位置が変わるということを知っておきましょう。
【浅層RF(主にバイポーラ/マルチポーラ方式)】
| 電極方式 | 2つまたは3つの電極間で高周波電流が行き来して、皮膚内に熱を発生。(バイポーラ/マルチポーラ方式) |
| ターゲット | 電極間の距離に応じて、皮膚の浅層(表皮や真皮)をターゲットとする。 |
| 期待できる効果 | ・ 主に皮膚表面のキメ改善、毛穴の引き締め、軽度のタイトニング(引き締め)、肌質改善を目指す。 ・ コラーゲン・エラスチンの生成を促し、ハリ感をもたらす。 |
【深層RF(主にモノポーラ方式)】
| 電極方式 | 1つの電極から高周波を流し、離れた位置にある対極板にて回収し、再び電極へ戻ることで体内に広く深く電流を流す(モノポーラ方式)。 |
| ターゲット | 真皮深層から皮下組織(脂肪)、支持組織で強力な熱収縮を生じさせる。 |
| 期待できる効果 | フェイスラインや頬の強力なたるみ改善、コラーゲン・エラスチンの生成の活性化。 |
これらの違いにより、浅層RFは肌のキメや毛穴、ハリ感といった「肌の質感の若返り」に、深層RFはフェイスラインや頬のたるみなど「形の若返り」に優れるという結果に違いが生まれています。
このように、同じRFでも“狙う層”が違えば、見た目の変化の方向性も変わるのです。
いま美容医療の現場では、この「RFの層別設計」が進化しつづけています。
単に“熱を与えて引き締める”時代から、肌構造を理解したうえで“どの組織を、どんな熱分布で刺激するか”を設計する時代へ移行しているのです。
▽高周波治療20年の歴史
インモード(InMode)社を例に出した技術論
RF治療の進化は、浅層の肌質ケアから深層の肌構造へのアプローチへ。
イスラエルの「インモード(InMode)」社は、その転換点を示す代表的存在です。本項ではインモード社のRFデバイスを例として、RF技術の進化の流れをご紹介します。
肌質へアプローチする従来の“表面ケア”
RFによる“表面ケア”は、毛穴を引き締め、ハリやツヤを与え、肌の透明感やキメを整えること。これが浅層RFの役割です。
肌に触れたときの“なめらかさ”や“みずみずしさ”を生むうえで欠かせない領域であり、日常のメンテナンスにも適しています。
ただし前項で述べたとおり、浅層RFでは輪郭の形までは大きく変わらないことが多いことも事実。
近年のさまざまな研究によってフェイスライン・ボディラインの“重さ”や“もたつき”は、
- 皮下脂肪のボリューム
- 支持靭帯(リガメント)のゆるみ
- 皮下組織の密度低下
といった、肌深層の構造変化に起因することが明らかになりました。
そこで登場するのが、「深い組織に熱が集まる設計のRF」です。
総合的なアプローチを目指して進化した “深層RF”
RFデバイスの開発で世界をリードするインモード社のテクノロジー。
中でも注目を集めているのがエンブレイスRFのハンドピース「モフィウス(Morpheus)」とイグナイトRFのハンドピース「クォンタム(Quantum)」です。
従来の“肌表面を温めるRF”とは一線を画し、皮下脂肪やSMAS(筋膜)レベルまでアプローチできる設計によって、
- 脂肪の収縮作用→脂肪のもたつきによる“影”の軽減
- 支持組織の引き締め→フェイスラインのリフトアップ
- 真皮のコラーゲン・エラスチン生成促進→肌質改善
という総合的な変化を同時に引き出せるのが大きな特徴。「顔・身体のフォルム」「脂肪」「肌質」への総合アプローチが可能なのです。
さらに、支持組織の構造そのものを引き締め・補強することで、“戻りにくい輪郭”を形成できることも深層RFの大きな強み。皮膚の内側に見えない“支え”を作るようなイメージです。
つまり
- 肌表面の質感を磨くのは浅い層への熱(表層RF)
- フォルムをデザインする力をもつのは深い層への熱(深層RF)
この2つはどちらが優れているという話ではなく、目的がまったく異なるアプローチ。
美しい肌をつくるうえで本当に大切なのは、「浅層と深層、どちらにアプローチするべきか」を見極め、最適なRFを選ぶことです。
世界的な潮流と日本の課題
いま、海外でモフィウスを導入していないクリニックを探す方が難しいほど、世界におけるRF治療の中心は「深層RF」へと移行しています。
フェイスラインの引き締めからボディ痩身まで、RF治療による構造的なタイトニングが広く認知されているのです。
一方で、日本では依然として「シルファーム」「ポテンツァ」といった、表層中心のRFマイクロニードルが主流。
「シルファーム」も「ポテンツァ」も肌質改善を目指せる優れたデバイスですが、脂肪層や支持靭帯などの構造変化にまでは十分にアプローチできません。
そのため、輪郭のゆるみや首・二の腕・お腹まわりといった“フォルム”の悩みには成果を得にくいのが現状です。
今後の方向性
加齢に伴うさまざまな症状・悩みに対して、最適解を提示できる次世代のRF治療。
この潮流をどう取り入れていくかが、日本の美容医療が次のステージへ進むうえでの重要な鍵といえるのではないでしょうか。
たとえばインモード社のRFデバイスを中心に、外科系RFと皮膚科系RFの橋渡しを行うことが、「どの層に、どのような目的で熱を届けるか」を設計して選ぶRF治療の考え方が、より広く浸透していくかもしれません。
インモードの複合治療機を使った小顔治療「インモードVリフティング」は、脂肪に働きかけるハンドピース「ミニFX(mini FX)」と、真皮と表皮層に働きかけるハンドピース「フォーマ(FORMA)」を組み合わせることで、肌の表面の質感から深部の構造まで一貫して治療できることが特徴。
ミニFXで脂肪減少・顔のボリュームダウン、フォーマでコラーゲン生成を促してハリを高めるという相乗効果が期待できます。
従来は分けて考えられていた「肌質改善」と「脂肪の減少・タイトニング」を一本化するアプローチを実現する治療です。
このような“外科系RFと皮膚科RFの融合”こそ、次世代のたるみ治療を支える鍵といえるでしょう。
そして日本の美容医療も、こうした構造を再構築するRFアプローチを積極的に取り入れることで、より世界水準に近いレベルに到達できる時代が訪れるでしょう。
まとめ
世界的にはすでにRFは“肌構造を治療する技術”として確立しています。
日本で受ける際は、最新機器の知識・技術・経験を兼ね備えたドクターを選ぶことが重要です。今後もNERO編集部では、“切らない治療”の進化と臨床現場のリアルを追いかけていきます。
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