スキンブースターとは?基本知識から気になる疑問まで一気に解決

スキンブースターとは?基本知識から気になる疑問まで一気に解決

スキンブースターとはどのような美容医療なのか、解説しています。皮下注射によって肌質改善を促す美容医療として注目されているスキンブースターですが、どのような治療なのか詳しくご存じでしょうか。施術前に正しい知識を身につけるためにも、この記事で基本知識をおさらいしておきましょう。特徴の異なるスキンブースター製剤の種類についてもまとめているので、参考にしてください。

1.スキンブースターとは?基本的な知識のおさらい

出典:photoAC

スキンブースターとはどのような美容医療なのでしょうか。まずは、基本的な知識をおさらいしていきましょう。

■スキンブースターとは肌質にアプローチする注入治療

スキンブースターとは、肌の調子を整える成分や栄養分を皮下に注入することで、肌悩みや肌質の改善を目指す治療方法です。名前に「ブースター」とつくため、「ブースター化粧水」と勘違いしてしまいがちですが、美容医療における皮下注射を指します。また、スキンブースターは、別名「水光注射」とも呼ばれています。美容大国である韓国でトレンドになっていた、女優のようなみずみずしい肌である「水光肌」に導く美肌治療が元になっているのでしょう。

スキンブースターによって期待できる効能は使用する製剤によって異なりますが、おもにエラスチンやコラーゲンの生成を促すことで、肌質改善に効果を発揮します。

■スキンブースターのメリット

スキンブースターは以下のようなメリットがあります。

  • 治療効果を得やすい
  • 仕上がりがなめらかで自然
  • 細かい部分の治療が可能
  • 顔以外にも施術できる
  • 施術は15~30分と短時間で済む
  • ダウンタイムが少ない

スキンブースターは製剤によって顔だけではなく、年齢が出やすい手の甲や首のシワにも注入できるため、加齢による幅広いお悩みにアプローチ可能です。

■スキンブースターが向いている人

スキンブースターは、肌の内側に直接美容成分を届けられるので、肌質改善に高い効果が期待できます。そのため、以下のような人におすすめの治療方法です。

  • ニキビやニキビ痕にお悩みの人
  • 乾燥肌や小ジワが気になる人
  • 肌にハリ・ツヤ・透明感が欲しい人
  • 年齢が出る首や手の甲の状態が気になる人

2.スキンブースターの種類

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スキンブースターは、使用する製剤によって期待される効果が異なるとされています。製剤の種類やそれぞれの特徴は以下のとおりです。

製剤名 主成分 期待される効果
「リジュラン®」 ・ポリヌクレオチド(PN) ・肌のハリや弾力アップ
・肌質改善
「ジュベルック」 ・ポリ乳酸(PDLLA)
・非架橋ヒアルロン酸
・ニキビ痕や小ジワ・毛穴の開きなど肌の凹凸を解消
「スネコス®」 ・非架橋ヒアルロン酸
・アミノ酸
・クマの改善
・目元の小ジワを軽減
「ASCE+」 ・エクソソーム(ヒト脂肪幹細胞由来) ・肌質改善
・皮膚組織の再生を促進

ここからは、さらに詳しく見ていきましょう。

■「リジュラン®(REJURAN® Skin Booster)」

「リジュラン®」は、韓国PharmaResearch社が開発・製造しているスキンブースター製剤です。サケから抽出した有効成分ポリヌクレオチド(PN)を主成分とするため、「サーモン注射」とも呼ばれます。ポリヌクレオチド(PN)は、皮膚の真皮層にアプローチすることで線維芽細胞を活性化するなど、組織の再生に必要な成分や成長因子に働きかける作用があるとされています。

スキンブースターとして「リジュラン®」を使用すると、加齢による肌のハリや弾力不足、シワなどの肌悩み改善に効果的。その他、保湿力や皮脂バランスの改善、若々しい印象に導く組織再生作用や抗炎症作用も期待できます。

同じようにポリヌクレオチド(PN)を使用するスキンブースターである「リズネ(LIZNE)」は、「リジュラン®」の特許が切れたため、開発された製剤です。2つの製剤の違いは原料。「リジュラン®」がサケから主成分を抽出しているのに対し、「リズネ」はマスから抽出しています。「リズネ」は高純度のポリヌクレオチド(PN)を含有しているため、比較的痛みが少ないことが特徴です。

■「ジュベルック(Juvelook)」

「ジュベルック」は、韓国VAIM社によって開発・製造されているスキンブースター製剤で、同国のクリニックでも好評を得ています。ポリ乳酸(PDLLA)と非架橋ヒアルロン酸を配合し、肌のハリ・弾力改善効果や保湿力アップをはじめ、広い肌悩みにアプローチします。とくに、肌にボリュームを与える作用が期待でき、小ジワや毛穴、ニキビ痕など、凹みが気になる部分に注射を打つことで目立ちにくくなるでしょう。

同じくVAIM社には、ポリ乳酸(PDLLA)を使用した「レニスナ( Lenisna)」があります。「レニスナ」は「ジュベルックボリューム」とも呼ばれ、粒子の大きさと量の違いから深いシワへの効果も期待できます。また、1ヶ月おきに3回施術した場合、「ジュベルック」が12~16ヶ月持続するのに対し、「レニスナ」は18~24ヶ月と長い持続期間が特徴です。

■「スネコス®(SUNEKOS®)」

「スネコス®」は、イタリアのProfessional Dietetics社が展開しているスキンブースター製剤です。非架橋ヒアルロン酸と6種類のアミノ酸を独自の比率で配合する技術で国際特許を取得しています。おもに目元に使われることが多く、青クマや影クマ、目元のシワにも改善効果が発揮されます。

主成分がヒアルロン酸ではあるものの、ボリュームアップに使われるヒアルロン酸注射の製剤とは異なり、体内への吸収を遅らせる添加剤が含まれていません。より自然でサラサラと水っぽい「非架橋」の状態にあるため、血管閉塞やアレルギーなどの副作用が起こりにくいとされています。また、肌にボリュームをもたせて皮膚表面にハリや弾力を与えるヒアルロン酸注射とは異なり、「スネコス」は自己治癒能力を高めて、肌本来の再生力にアプローチします。そのため、より自然に若々しい印象にしたいという人に向いているでしょう。

■「ASCE+」(エクソソーム)

そもそも「エクソソーム」自体は、人間の体にある細胞から生み出されている細胞外小胞の1つ。たんぱく質やDNAなどを他の細胞に運搬・伝達する役割を果たしており、ガンをはじめさまざまな病気の治療にも用いられています。このエクソソームの細胞間コミュニケーションに着目して、美容医療に応用。ターンオーバーに関係する細胞や、コラーゲン・エラスチン生成に関わる細胞など、細胞同士を移動することで、皮下組織の再生を促したり、細胞の老化を防ぐ抗酸化作用に働きかけたりする効果が期待されています。

このエクソソームの中でも、品質の高さで注目されているのが、韓国ExoCoBio社の製造する「ASCE+」です。ヒト脂肪幹細胞に由来した50億個ものエクソソームをはじめ、成長因子やアミノ酸、コエンザイムなど多種多様な活性成分が含まれているため、シミ・シワの改善やハリ・弾力アップをはじめ、肌質を改善し若々しい印象に導く効果も期待できます。

3.スキンブースターの気になる疑問を解決しよう!

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気になる疑問を解決して、スキンブースターとはどのような美容医療なのか、さらに理解を深めましょう。

■スキンブースター治療の流れは?

スキンブースターの治療は、以下のような流れで行います。

  • 洗顔したうえで素肌のカウンセリング
  • 麻酔をして施術
  • 注意事項やアフターケアの説明

施術時間はおよそ15~30分と、比較的短時間で完了するのが特徴です。

■施術中の痛みや副作用・ダウンタイムはある?

痛みの生じ方は個人差がありますが、軽い疼痛を感じる場合も。そのため、施術前に麻酔クリームで痛みに配慮しながら注射を行います。

スキンブースターによるダウンタイムはほぼないとされていますが、まれに注入部位に内出血や腫れ、赤みが見られるケースがあります。たいていの場合は翌日~1週間経てば落ち着きますが、長く続くときはクリニックに相談してください。

■施術後のアフターケアで気をつけることは?

メイクや入浴は翌日から可能です。施術当日はシャワーで済ませ、激しい運動や飲酒、マッサージ、熱いお湯での洗顔は避けましょう。また、治療後の色素沈着を防ぐためにも、日焼け止めクリームで紫外線ケアを徹底してください。

■治療が受けられない人はいる?

以下のよう人は、スキンブースターの治療が受けられません。

  • 妊娠・授乳中
  • ケロイド体質
  • サーモンアレルギーなど魚や魚卵のアレルギーがある
  • ヒアルロン酸注入でアレルギー症状が出たことがある
  • 皮膚ガンやヘルペスといった疾患がある
  • 発熱など当日の体調に不安がある

まとめ

皮下注射によって肌質改善を促すスキンブースターは、比較的短時間で施術でき、ダウンタイムも少ないため注目されています。ただし、使用する製剤によって肌悩みへのアプローチが異なります。今回ご紹介した製剤ごとの特徴を踏まえて、自分に合ったスキンブースター治療を検討してみてはいかがでしょうか。

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