「エンライトン(enLIGHTen)SR」でほくろが除去できるのか気になっている方も多いでしょう。そこでこの記事では、「エンライトンSR」という進化したピコレーザーを使用したほくろ治療について詳しく解説します。「エンライトンSR」の特徴や効果、従来の方法との違いを知ると、自身に適した治療法を見つける手助けになるでしょう。
エンライトンSRとは?
「エンライトンSR」は、アメリカの『CUTERA®(キュテラ)社』により開発された、ピコ秒レーザーを採用した美容医療機器です。まずは、「エンライトンのSR」の特徴や、その他のレーザー治療との違いについて解説します。
ピコレーザーとは?
そもそもピコレーザーとはピコ秒(1兆分の1秒)という時間で、照射するレーザーを指します。従来の主流であった、ナノ秒(10億分の1秒)で照射するレーザー治療と比べ、より短い時間での照射を可能にしています。この違いにより、ピコレーザーは熱による肌へのダメージを抑えつつ、メラニン色素にのみ効果的なアプローチができるようになっています。
エンライトンSRの特徴・その他機器との違い
「エンライトンSR」は、ピコレーザー治療の中でも改良を重ねてきた機器。日本では厚生労働省の認可を受けています。ピコレーザーを搭載したその他の機器と比較し、それぞれの違いを見ていきましょう。
機器 | エンライトンSR | ピコシュア | ピコウェイ |
メーカー | キュテラ社 | サイノシュアー社 | シネロン・キャンデラ社 |
特徴 | ・厚生労働省承認 ・日本人の肌に合わせた設定が可能 ・ピコ・ナノレーザー両方の照射ができるため幅広い治療が可能 |
・世界初のピコレーザー ・アメリカ「FDA」、厚生労働省承認 ・アレキサンドライトの波長搭載 |
・アメリカ「FDA」、厚生労働省承認 ・最もレーザーの照射時間が短い |
『キュテラ社』のエンライトンには、「エンライトンSR」と「エンライトンiii」が存在します。その違いは搭載されたレーザーの波長です。
「エンライトンSR」は523nm・1064nmの2種類が搭載されているのに対し、「エンライトンiii」にはさらに670nmの波長を搭載。そのため、除去できる色素に差が生じます。「エンライトンSR」に除去できる色素は「赤、橙、黄、茶、黒」、そして「エンライトンiii」は先ほどの5色よりも対応できる色素数が増します。
エンライトンSRによるほくろ治療の仕組み
レーザーの照射方法を変えることで、ほくろ治療に対しての効果が期待できます。ここからはその仕組みについて解説していきます。
ほくろにアプローチするメカニズム
「エンライトンSR」は以下の3種のレーザー照射が可能です。
- ピコトーニング
- ピコフラクショナル
- ピコスポット
この中でも、ほくろ治療に用いられるのが「ピコスポット」。治療において、レーザーを高出力で照射するため、ほくろの色素に対して選択的に作用します。レーザーの衝撃波がほくろの色素に届き、瞬時に色素粒子を微細化。この過程で周囲の健康な皮膚組織へのダメージを抑えつつ、効果的にほくろの除去ができます。
治療が可能なほくろの種類
「エンライトンSR」は、薄く平坦なほくろに対して効果が期待できます。人によっては1回の施術でも効果を実感できるでしょう。
一方で「エンライトンSR」での治療が難しいほくろもあります。深い位置にあるほくろや、メラニン色素が濃く沈着しているものは、完全な除去が困難であったり、複数回のレーザー照射が必要であったりする場合も。また、盛り上がったほくろに対しては、レーザーが効果的なケースと、電気メスなどで削る治療が効果的なケースがあるのです。
そもそも、単なるほくろだと思っていても、実は「メラノーマ(悪性黒色腫)」の疑いがある場合も。メラノーマの特徴は、「色が均一ではない」「左右非対称」「6mm以上の大きさがある」「急に大きくなった」などです。このようなほくろの場合、適切な診断と処置が必要なため、自己判断は控え、まずは医療機関へ相談しましょう。
エンライトンSRを用いたほくろ治療の流れ
ここからは「エンライトンSR」を用いたほくろ治療の施術の流れを解説していきます。
カウンセリングから治療まで
まず、カウンセリングで医師が患者さまの肌状態や希望を確認し、治療内容を決めます。個々の状態に応じて、適切な治療計画を立て、より効果を高めるため複数回の治療が推奨されることもあるでしょう。
そして、治療当日は「エンライトンSR」を使用してほくろにレーザーを照射します。施術時間は、施術箇所や、シミ取り放題などのプランによって異なるため、5~30分程度です。レーザー光から目を守るためにゴーグルを装着します。施術の際の痛みはほとんどありませんが、パチパチとした刺激を感じる方もいるため、必要に応じて麻酔の使用が可能です。治療後は、冷却や保護クリームの塗布などのアフターケアを行います。そして自宅では保湿や紫外線対策が必要です。なお、メイクは場合によっては当日から可能ですが、赤みなどが生じた場合は控えましょう。
治療回数の目安
治療回数は、ほくろの大きさや色、深さによって異なりますが、多くの場合1~3回程度で効果が現れます。小さなほくろであれば1回の治療で十分な場合もありますが、大きめのほくろや色の濃いものは複数回の治療が必要となることも。治療間隔は通常1~3ヶ月に1回程度で、肌の回復状態を見ながら治療を続けます。個人差や部位によっても異なるため、詳細は医師との相談が必要です。
ほくろ治療以外の効果
「エンライトンSR」は、ほくろ治療以外にも、幅広い肌悩みに対し効果が期待できます。それでは、どのような悩みに対応できるか紹介していきます。
シミや刺青除去への応用
「エンライトンSR」は、ほくろ治療だけでなく、シミや刺青の除去にも効果が期待できます。刺青除去に関しては、ピコ秒レーザーの特性を生かし、刺青のインク粒子を粉砕できるためです。従来のレーザーでは難しかった、カラーインクを使用した刺青にも対応可能。また、レーザー照射による熱ダメージが少ないため、周囲の健康な肌への影響を抑えた施術を可能にしています。
シミに関しては、ほくろ治療と同様に、メラニン色素を効率的に破壊することで、肌の明るさを取り戻すサポートをします。
美肌治療としての可能性
「エンライトンSR」に搭載されている「ピコトーニング」や「ピコフラクショナル」を用いると、毛穴の引き締めや、肌質改善に期待ができます。低出力のレーザーが肌の深層部に働きかけることで、コラーゲン生成を促進。このような効果によって、肌のハリや弾力が向上し、きめ細やかな肌質が目指せるのです。肌の弾力を向上させるため、リフトアップを目指せるでしょう。「エンライトンSR」を用いた美肌治療は、ダウンタイムが少なく、日常生活への影響を抑えながら、肌の若返りを実現できる魅力的な選択肢となっています。
まとめ
「エンライトンSR」によるほくろ治療は、従来のレーザー治療と比較して、より効果的で安全性の高い選択肢のひとつです。ピコレーザーテクノロジーを活用した治療法は、患者さまの肌への負担を軽減しつつ、望ましい結果へ導いてくれるでしょう。「エンライトンSR」は、ほくろ治療だけでなく、さまざまな肌トラブルに対応できる多機能な医療機器として、今後さらなる発展が期待されています。
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