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美容医療は失敗が怖いと思っている方へ。実は美容医療の失敗は、クリニック側によるもの、患者側が自衛できるものの2パターンがあります。まずはご自身が正しく美容医療を知り、失敗リスクを下げていきませんか?今回は美容医療初心者へ向けて、経験者の意見も交えながら施術を受ける前に知っておきたいことを解説。あわせて、NERO編集部が選ぶ初めてにおすすめの施術もご紹介します。
美容医療初心者が陥る典型的な失敗とは?
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美容医療の失敗あるあるは、原因を探ってみると実は患者側の理解不足や誤解だったという事例も多く存在しています。まずは、美容医療初心者が陥りやすい失敗を見ていきましょう。
①美容医療に過度な期待をしてしまう
仕上がりに満足できなかった、症状が少ししか改善していない…こんな失敗談は、美容医療への過度な期待が原因かも。美容医療はエビデンスに基づいて治療を行っていきますが、一般的な医療と同様、100%の改善を保証するものではありません。広告を見ていとも簡単にきれいになれると思いがちですが、効果や治療回数には個人差があります。
②ダウンタイムへの理解・準備不足
ダウンタイムは、肌の回復を待つ期間です。ダウンタイム中に現れやすい症状は、赤み、腫れ、むくみ、内出血などが代表的。当日~数日で日常生活に戻れる施術も数多くありますが、中にはダウンタイムが1週間~1ヶ月続くような治療もあります。それを知らず、上記のような症状が出た際に、医療ミスや失敗と思い込んでしまう方も少なくないようです。
例えば、レーザー治療後に色素沈着したという失敗は、施術後の紫外線対策不足や間違ったスキンケアが原因なことも。本来ならアフターケアについても医師から指導がありますが、患者側が守れていなかった可能性があります。
③リスク・副作用への理解不足
美容医療はエステとは違い、医薬品や医療マシンを使った医療行為です。エステに比べて費用対効果が高いことがメリットですが、副作用やリスクがつきもの。例えば注射系の治療なら内出血や青あざができやすくなり、レーザー系の治療ならやけどや水ぶくれができる可能性もあります。これらは決して失敗ではなく、治療に含まれる副作用・リスクであることを念頭においておきましょう。
④クリニックを知名度や安さで選ぶ
初心者が陥りやすいのが、「大手だから安心でしょ?」「キャンペーン中で安いから」と安易にクリニックを選んでしまうこと。行ってみると実は経験の浅い新人ドクターが担当だった、仕上がりが好みじゃなかった、なんて失敗が今でも多発しています。
⑤必要ない施術でお金を無駄にする
美容医療は治療の大部分が保険適用外です。自由診療になるため、クリニックによって料金設定が異なります。中には必要のない治療をすすめて治療費を上乗せしたり、初回から高額な定期プランを提案したりするクリニックもあり、断れなかったというケースも。一方、SNSやメディアに流されてしまい、必要ない施術まで希望して後で後悔したという声もあります。
美容医療初心者向け!正しい知識でトラブルを防ぐ
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上記のような失敗を防ぐには、美容医療を受ける前にきちんと知識を身につけておくことが大事!そこで美容医療経験者やドクターの視点も交えながら、初心者が知っておきたいことをまとめました。
①治療の内容やリスクを理解しよう
気になっているその治療、どんな内容で何の目的で受けるのか、自分で説明できますか?SNSや口コミでの成功体験談が、すべてが自分に当てはまるとは限りません。他人の情報を鵜呑みにせず、ダウンタイムや副作用の詳細、起こり得るリスク、何の薬剤を使っているのかなど、施術する前に医師に十分な説明を求め、慎重に検討しましょう。
②適正価格・適正回数を知ろう
クリニックを比較して、適正価格や施術回数の相場を調べておきましょう。予算の上限があるなら、カウンセリング時にはっきりと伝えることも大事。予算の決め方については、料金が安い分効果が出るまで回数を重ねる必要がある治療や、高額だけれど効果の持続が長い治療もあるため、月単位・年単位で計画すると良いでしょう。
▼【予算別】年間美容計画表はここからチェック
③スケジュール管理をしよう
長いダウンタイムを耐えてでも早く変化がほしいのか、1回ごとの変化はわずかでもダウンタイムが少ない施術を選ぶのか、仕事やプライベートのスケジュールと照らし合わせて考えてみましょう。治療によっては、施術後数ヶ月先で効果のピークを迎えるものもあるため、大切な予定がある場合はその日から逆算して計画を立てると◎。月1~2回の施術が必要な治療の場合、通いやすい立地のクリニックを選ぶことも大切です。
④信頼できる美容クリニックを選ぼう
クリニック選びの際は、まずはいくつかの候補のクリニックでカウンセリングまわりをしてみるのがベター。さらに、ドクターの経歴、学会へ出席しているか、特定の治療の専門医か、症例のデザインが自分好みかなど、広い視点で医師を確認しておくと安心感につながります。そのほか、医師によるカウンセリングが丁寧かどうかも見逃せないポイント。例えば必要のない施術は引き止めてくれる、ささいな疑問にも親切に対応してくれるなど、患者側の気持ちに寄り添うクリニックは信頼感があると言えます。
▼初心者必見!クリニックの選び方の詳細はこちら
⑤セルフケアは徹底しよう
施術後の紫外線対策には、日焼け止めを毎日欠かさず塗るのはもちろん、マスクや帽子、サングラスなどもぜひ活用してください。また、肌が弱っているとダウンタイムが長引いたり、施術の効果が発揮できなかったりする要因になります。施術後だけでなく、日ごろからしっかり保湿をして土台から整えておくのが理想的。施術前後はレチノールなどの刺激的な成分が配合されたスキンケアはお休みするなど、治療に合わせて正しいスキンケアを行うことも大切です。
⑥トラブル発生時の対処法を知ろう
事前説明と異なる肌トラブルや想定外の副作用が起こったときは、まずは治療を受けたクリニックに問い合わせましょう。治療した肌の深さや薬の使用量などがカルテに残っているため、修正や処置がスムーズです。ほとんどのクリニックが真摯に対応してくれますが、中には問い合わせにきちんと取り合ってくれないケースも。
このような受けた医療に関する悩みや相談は、全国各地に用意されている「医療安全支援センター」に相談ができます。また、不当な契約や解約に関するお金のトラブルの相談は、消費者ホットライン「188(いやや)番」へ。クリニックに相談しても解決できないトラブルは一人で抱え込まず、第三者の意見を聞くことを心がけましょう。
初心者向けおすすめ施術リスト!
美容医療が初めての人でも比較的安心できる、「ダウンタイムが少なく」「効果の実感が得られやすい」施術を5つ厳選しました。ぜひ以下を参考にしつつ、お悩みに応じて初めての美容医療デビューにお役立てください。
①高周波治療
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高周波治療は、電磁波による強力な熱エネルギーを皮膚の真皮層に照射し、肌の表面を傷つけずに引き締め効果を狙うものです。同時にコラーゲンの生成も促すため、ハリやボリュームアップ効果も得られるのが魅力。「ラジオ波」や「RF」とも呼ばれており、用いる医療マシンはボルニューマ・ポテンツァ・サーマクールなどが代表的です。頬のコケや口まわりのたるみ、目元のくぼみといったお悩みに適しています。
▼高周波治療をマシン別に解説した記事はこちら!
②医療ピーリング
ピーリングは、薬剤や専用マシンを使って古くなった角質を除去し、ターンオーバーを正常に整える治療方法です。ピーリングの主な種類は以下の3つ。
・ケミカルピーリング……薬剤で角質を溶かして肌の再生を促す
代表的な治療名:グリコール酸ピーリング・サリチル酸ピーリング
・浸透型ピーリング……薬剤を真皮層に浸透させてターンオーバーを促す
代表的な治療名:マッサージピール・ミラノリピール
・マシンピーリング……レーザーやジェット水流で角質や汚れを除去
代表的な治療名:レーザーピーリング、ハイドラフェイシャル
刺激が少なく施術後すぐにツヤ感を実感できるのは浸透型ピーリング、ニキビや毛穴詰まりに悩んでいる方はマシンピーリングというように、ピーリングは種類によって得意とする肌悩みが異なります。いずれもニキビや毛穴のケア、シミやくすみの改善などに効果的ですが、施術後はとくに肌が無防備になるため、こまめな保湿ケアや紫外線対策が必須です。
③導入治療
専用マシンを使い、電気の力で美容液の有効成分を肌の奥まで届けるスキンケアシステムです。イオン導入やメソナJが代表的ですが、イオン導入では対応できない薬剤を使え、真皮層まで成分を届けられるメソナJがとくにおすすめ。保湿成分が配合された薬剤をベースに、ビタミンC誘導体、トラネキサム酸、ヒアルロン酸などを悩みに合わせてブレンドしたものを浸透させていきます。浸透力は、なんと自宅で行うスキンケアの約300倍。施術直後から効果を実感でき、シミ、美白、ニキビ、肌質改善など、あらゆる肌悩みの改善を促します。
▼メソナJの悩み別薬剤カラーはこちらからチェック
④注入治療
注入治療といえばボトックスやヒアルロン酸注入が代表的ですが、初心者にはボトックスという声も多数。ボトックスには表情筋をゆるめる作用があり、長年悩まされてきた表情ジワも1回で改善が見られるため満足度が高い施術と言えます。部位にもよりますが施術時間も5分~と、治療へのハードルが低いのも魅力。ただし、いきなり口まわりなど目立つ部位に入れると表情の違和感に慣れない可能性もあるため、初めは眉間や目尻の表情ジワから試してみるのがおすすめです。なお、ボトックスは効果が出てなじむまで2~3週間かかり、効果も半年程度でなくなります。大切な予定がある場合は、スケージュール管理に気をつけましょう。
▼ボトックスの基本を解説した記事はこちら
⑤レーザー治療
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出典:Cynosure
美容医療の王道といえば、シミ取りレーザー。シミにはさまざまな種類があり、シミタイプに合った治療を行うことが失敗しないコツです。例えば、濃く目立つシミをピンポイントで狙い、1回で改善したいならスポットレーザー、シミと肝斑を根気強く治していきたいならトーニング、痛みや刺激を抑え、全体的な美白効果も狙いたいなら光治療など、シミ取り治療の選択肢は豊富です。
スポットレーザーは施術後に保護テープを貼るなどアフターケアを行わなければなりませんが、トーニングや光治療は丁寧な保湿ケアのみでOK。シミ取りが初めての場合、医療用の肌診断機で測定してもらうとより詳細な肌状態を知ることができます。
▼IPL・トーニング・スポットを比較するならこちら!
▼肌診断機についてはこちらもチェック
まとめ
美容医療の失敗は、自分のイメージと実際の治療に乖離(かいり)があることも原因の1つ。きれいになりたい!という思いからついつい何でも挑戦してみたくなりますが、まずは慎重かつ冷静に、比較的安心できる治療からスタートするのが失敗回避のコツです。美容医療が初めての方はぜひこの記事をバイブルにして、悩んだときは見返してみてくださいね。知識を身につけながら、美容医療を楽しんでいきましょう。
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