
医療脱毛と美容脱毛の違いを理解しておくことは、脱毛を検討するうえで重要です。
この記事では、“医療脱毛と美容脱毛は、結局どちらを選べば良いの?”という疑問をお持ちの方に向けて、両者の違いを分かりやすく解説します。
クリニックやサロン選びのポイントについてもご紹介しますので、後悔しない脱毛を目指す方はぜひ目を通してみてください。
INDEX
1.医療脱毛と美容脱毛(エステ脱毛・サロン脱毛)の基本的な違い

出典:photoAC
まずは、医療脱毛と美容脱毛の基本的な違いについて説明します。
■医療脱毛とは?
医療脱毛とは、美容クリニックなどで行われる医療行為です。医師や看護師などの国家資格を持つ医療従事者が、医療用の強力なレーザーを用いて施術を行います。
脱毛のメカニズムは、毛に含まれるメラニン色素にレーザーが反応して熱が発生し、発毛組織を破壊するというもの。これにより毛が再生されなくなり、いわゆる永久脱毛効果を期待できるのが特徴です。
医療脱毛には、熱破壊式と蓄熱式という2つの照射方法があります。熱破壊式は毛乳頭や毛母細胞と呼ばれる発毛組織に高出力のレーザーを照射し、脱毛を促す方法。
蓄熱式は、発毛の指令を出すバルジ領域に低出力のレーザーを繰り返し当て、じわじわと熱を蓄積させて脱毛効果を発揮する方法です。
痛みや効果の表れ方に違いはありますが、発毛に関する細胞や組織に働きかけて毛の再生を根本から防ぐという点では共通しています。
■美容脱毛とは?
一方美容脱毛は、エステサロンなどで行われる施術のこと。エステ脱毛やサロン脱毛などとも呼ばれ、医療に携わったことのないスタッフでも施術が可能です。
医療脱毛との大きな違いは、脱毛方式にあります。
エステ脱毛やサロン脱毛で使用する機器はIPLやSHRなどの比較的マイルドな光を用いたものが主流で、メラニン色素に反応させて毛根組織にダメージを与えることで毛の成長を遅らせる仕組みです。
施術後は毛根が減弱するため、毛が減ったり生えにくかったりといった減毛・抑毛の効果が期待できます。しかし、これらの効果はあくまでも一時的なもの。
医療脱毛とは違い、エステ脱毛やサロン脱毛では毛を作る組織を破壊できないため、永久脱毛は期待できません。
2.医療脱毛と美容脱毛の違いを徹底比較|費用・回数・効果・痛み

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医療脱毛と美容脱毛の基本的な仕組みが理解できたところで、ここからはさらにそれぞれの違いを深掘りしていきましょう。
サロンで行う美容脱毛とクリニックで行う医療脱毛には、施術にかかる費用や回数、得られる効果、感じる痛みなどにも異なる特徴があります。
■費用の違い
クリニックやサロンによっても料金設定は異なりますが、1回あたりの施術費用は一般的に医療脱毛のほうが高め。
例えば全身脱毛(顔・VIOを除く)を受けるとすると、医療脱毛の場合は5回コースで約20~30万円、美容脱毛は6回コースで10万円前後が相場となります。
1回あたりに換算すると医療脱毛は4~6万円、美容脱毛は1万6千円前後となる計算です。ただし、強力なパワーでアプローチできる医療脱毛は、少ない回数で脱毛効果を実感しやすいのが特徴。
総額で考えると、美容脱毛よりも費用を安く抑えられる可能性があります。回数の違いについては後述しますが、美容脱毛の場合は5~6回のコースでは脱毛効果を実感しにくく、数十回以上施術を繰り返すことも珍しくありません。
“思っていた以上に費用がかかってしまった”という失敗を避けるには、自分の予算や希望する仕上がりに応じて、費用面のバランスを見極めることが重要です。
■回数の違い
医療脱毛は発毛を促す組織を破壊するため、少ない回数で効果を得やすいのが特徴です。
一方美容脱毛は毛の成長を促す組織にダメージを与え、毛が生えるのを抑制する仕組み。効果の実感までに時間がかかる傾向にあります。
部位によっても異なりますが、自己処理が楽になるまでの回数は医療脱毛の場合で5~8回、美容脱毛で12~18回が目安です。部位ごとの違いも比較してみましょう。
部位 | 医療脱毛 | 美容脱毛 |
顔 | 8~10回 | 18回程度 |
脇 | 5~8回 | 12~18回 |
腕 | 5~8回 | 12~18回 |
足 | 5~8回 | 12~18回 |
VIO | 8~10回 | 15~18回 |
ただし、脱毛に必要な回数は毛量や毛の濃さなどに左右されます。
一般的に医療脱毛のほうが通う回数は少ないとされていますが、毛周期(毛が生え変わるサイクル)に合わせた施術ができなければ通院が増える可能性も。
回数を減らすには、適したタイミングで施術を受けるのがポイントです。
■効果の違い
医療脱毛と美容脱毛では、ターゲット組織へのアプローチ法が異なります。医療脱毛は毛の生成に関わる細胞や組織を破壊するため、施術を繰り返すことで半永久的な脱毛効果が見込めます。
一方、エステで行う美容脱毛は、減毛や抑毛を目的とした施術。回数を重ねることで毛が成長・再生しにくくはなりますが、発毛組織そのものを破壊できるわけではありません。
そのため時間が経つと再び生えてくることもあり、人によっては脱毛効果を得にくい可能性があります。“美容脱毛は意味ない”と言われることがあるのは、そのことを正しく理解していないことが原因かもしれません。
あくまでも美容脱毛は“毛を目立たなくする”ことが目的の施術であることを認識しておくことが大切です。
■痛みの違い
医療脱毛の痛みは、輪ゴムで弾かれたような刺激と表現されます。強いパワーで毛根や発毛組織にアプローチするため、とくに濃く太い毛が生えている部位では強い痛みを感じる方も多いようです。
一方、美容脱毛は出力が控えめな光脱毛機器を使用。痛みは温かさを感じる程度で、刺激に敏感な方にも受け入れられやすい施術です。
ただし、医師が在籍しているからこそ麻酔が使用できるのは医療脱毛ならでは。別途料金はかかるものの、痛みに弱い方には安心材料となります。また、比較的痛みを感じにくい蓄熱式を選ぶのも1つの方法です。
そのほか「医療脱毛を受けたいけれど、痛みが気になる」という場合には、エステ脱毛で薄くしてから医療脱毛に切り替える方法や、部位によって医療脱毛と美容脱毛を使い分ける方法が提案されることもあるようです。
しかし、コストや期間を考慮すると、これらの方法はあまり効率が良いとは言えません。自分の肌質や痛みへの耐性を踏まえて、適切な脱毛方法を選ぶことが後悔しないためのコツです。
3.医療脱毛と美容脱毛はどちらがおすすめ?クリニック・サロン選びのポイント

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最後に、医療脱毛と美容脱毛がそれぞれ向いている人の特徴と、施術先を選ぶうえで知っておきたいポイントについてお伝えします。
■医療脱毛が向いている人の特徴
医療脱毛が向いているのは、以下のような特徴を持つ人です。
- 少ない回数で脱毛を終わらせたい
- 肌トラブルがあるので、医師と相談しながら施術を進めたい
- 永久脱毛を目指したい
- 麻酔で痛みを和らげたい
医療脱毛は効果を実感しやすく、短時間で脱毛を完了できる点が大きな魅力です。
また、医師が常駐しているクリニックであれば、万一肌トラブルが起きた際にも迅速な対応が可能。さらに痛みが気になる場合には、麻酔の使用も検討できます。
■美容脱毛が向いている人の特徴
一方で、美容脱毛が向いているのは以下のような人です。
- 1回あたりの費用を安く抑えたい
- 脱毛が初めてで、痛みや刺激に不安がある
- 長期間通うのが苦にならない
- 自己処理がある程度楽になれば良い
美容脱毛は出力が控えめな機器を使用するため、刺激が少ない施術が特徴です。痛みに不安がある方や、脱毛初心者にもおすすめしやすい選択肢と言えます。
■後悔しない選択をするには
医療脱毛にも美容脱毛にもそれぞれメリット・デメリットがあり、どちらを選べば良いという正解はありません。大切なのはそれぞれをしっかりと比較し、自分の目的や予算、通える頻度などを総合的に考慮すること。
効果を重視するなら医療脱毛、痛みの少ない施術を求めるなら美容脱毛というふうに、ライフスタイルや希望に合わせて選ぶことが後悔の少ない脱毛選びにつながります。
また、近年では、コース契約をして前払いしたのに、企業の経営が立ち行かなくなり予定していた回数の施術が受けられなくなったという事例も問題になっています。
こうしたリスクを避けるためにも、契約前に業界の動向やクリニック・サロンの信頼性をしっかりとリサーチしておくことも必要です。
まとめ
医療脱毛と美容脱毛は施術方法に大きな違いがあるため、それに伴って得られる脱毛効果や脱毛完了までの回数、費用などに差が生じます。
医療脱毛は永久脱毛に近い効果を短期間で得られる一方で痛みを伴いやすい傾向に。美容脱毛は比較的マイルドな施術で痛みが少ない反面、脱毛回数が多くなる傾向にあります。
どちらが優れているというよりも、何を重視したいかが選択のカギです。ライフスタイルや目的に合わせて、自分に合うほうを選びましょう。
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【治療詳細】医療脱毛
【治療回数の目安】平均5~10回程度 ※個人差があります。
【副作用・リスク】赤み、やけど、痛み、かゆみ、ざ瘡の悪化、毛嚢炎、硬毛化、色素沈着など
【未承認機器・医薬品に関する注意事項について】
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