セルフプレジャーが更年期の不調にも効果的である、という話を聞いたことはありますか?セルフプレジャーはここ最近、40~50代の女性の間で注目を集めているもの。気になるものの、人には聞けないと思っている方も多いのではないでしょうか。今回は、更年期に対するセルフプレジャーの取り入れ方について詳しく解説します。更年期におけるケアの1つとして、セルフプレジャーが気になっている方は、ぜひチェックしてみてください。
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1.女性ホルモンの減少に効果も?セルフプレジャーとは
自分の体が求める快楽に応えるセルフプレジャー。これまで、女性がセルフプレジャーについて語ることはネガティブな印象が持たれていました。しかし最近では、女性の健康を整えるためのセルフケアの一環としても考えられており、マイナスイメージは払拭されつつあります。
また、フェムテック市場が徐々に拡大を見せていることも、セルフプレジャーが注目されるようになった理由の1つに挙げられます。フェムテックとは、更年期や生理などにまつわる不調を、テクノロジーで解決するためのサービスや製品のこと。フェムテックやセルフプレジャーが語られる場も増えており、女性に多くの恩恵をもたらすということで、関心を向けられているのです。
とはいえ、セルフプレジャーにまだ抵抗がある方は多いかもしれません。そこで、ジェクス株式会社が依頼し日本家族計画協会家族計画研究センターが実施した調査を紹介しましょう。調査は、2023年に全国の18~69歳の男女5,029人(有効回数)を対象に実施されたもの。この調査では、40代女性の19.8%、50代女性の12.5%が月に2~3回以上マスターベーションを実施していることが分かりました(※1)。つまり、セルフプレジャーはそれほど珍しいことではないと考えられます。
セルフプレジャーに抵抗がある方も、これまで諦めていたような更年期の不調を解決するために、取り入れてみてはいかがでしょうか。
2.セルフプレジャーが40代・50代女性の更年期ケアにおすすめの理由
ここからは、セルフプレジャーが更年期ケアにおすすめの理由を具体的に見てみましょう。
更年期にさまざまな症状が起こる原因に、女性ホルモンの1つであるエストロゲンの分泌低下があります。エストロゲンの低下は、膣の分泌物量の低下や萎縮、不眠症状の原因に。さらに40代、50代と年齢が上がるにつれてセックスの頻度が減ることも、膣へいろいろな影響を与えます。使用しない臓器は機能が低下することがありますが、膣も同様に、使わないと機能が衰える可能性があるのです。
そんなときにおすすめしたいことの1つが、セルフプレジャーです。セルフプレジャーで外陰部を刺激すると、膣や周辺の皮膚の機能を維持することにつながります。またオーガズムを得ると、脳内でβ-エンドルフィンやオキシトシンなど女性ホルモンの分泌が促されます。女性ホルモンの分泌はメンタル面や睡眠の質などにおいて、多くのメリットがあるのです。
■セルフプレジャーは自律神経を整え睡眠を促す
自律神経は、交感神経と副交感神経からなっているもので、それぞれのバランスが良く、切り替えがスムーズにできることが理想です。しかし、最近の人はストレスにさらされる頻度が高く、交感神経が優位になっていることが多いといわれます。
セルフプレジャーは、乱れがちな自律神経のバランスを整えるのにも有効です。セルフプレジャーでオーガズムを得ると、交感神経が優位になりがちな方でもスムーズに副交感神経を優位に切り替えられるのです。
このときに脳内で分泌されるのが、β-エンドルフィンやオキシトシンという幸せホルモンと呼ばれる物質。β-エンドルフィンやオキシトシンは、安眠効果や睡眠の質の向上、ストレス緩和などのうれしい効果をもたらします。
■セルフプレジャーは美容やダイエットにも役立つ
セルフプレジャーは、更年期にさしかかる方の美容やダイエットにも役立ちます。セルフプレジャーにより放出されたオキシトシンは、細胞の成長や分化を促すため美容に効果的に働くのです。また、オキシトシンが分泌されると、食欲をコントロールする働きやリラックス効果も望めるため、ダイエットしやすい環境が整うでしょう。
■セルフプレジャーで尿漏れ予防対策も
尿漏れの原因の1つに膣の萎縮がありますが、セルフプレジャーは膣の萎縮予防対策にもつながります。膣の萎縮を予防するためには、骨盤底筋を鍛えることが効果的です。セックスやセルフプレジャーで定期的にオーガズムを得ている方は、骨盤底筋が自然と鍛えられている可能性があるといわれます。その結果、尿漏れ予防にも役立つのです。
■セルフプレジャーは感じやすい体づくりにも
また、セルフプレジャーは自分の体と向き合うきっかけにもなります。セルフプレジャーをすると、自分がどこをどのように触れると気持ちが良いと感じるのか分かるように。また血行が促進され、分泌物が出やすくなると濡れやすくなります。40~50代の方の中には、膣や外陰部が乾燥したり弾力が失われたりしてセックスに対して苦痛を感じる方もいます。濡れやすくなるとセックスに対する抵抗が軽減するでしょう。
3.セルフプレジャーで更年期のケアするときのおすすめアイテムは?
セルフプレジャーで更年期ケアをする際には、どんなアイテムを使用するのが良いのでしょうか。セルフプレジャーのアイテムと聞くと、挿入するタイプをイメージする方は多いかもしれません。しかし、ローターやバイブレーター、また振動するものや吸引するものなどタイプはさまざまです。
最近は、インテリアになじみやすいデザインのものも多いため、初心者の方は見た目のかわいさなどから選んでみても良いでしょう。お手入れのしやすさや機能の充実度も、選ぶときのポイントになります。膣の萎縮を主にケアしたいと考えている方は、膣の中に挿入するタイプを選ぶのも良いでしょう。
4.セルフプレジャーを更年期のケアとして取り入れる方法
いざセルフプレジャーで更年期ケアをしようと思っても、どのようにすれば快楽を得られるのか分からない方も多いでしょう。上手に取り入れるためには以下の方法を試してみてください。
■セルフプレジャーに対するうしろめたさをなくす
まずは、セルフプレジャーをすることに対して、うしろめたさをなくすことが大切です。女性の中には、性的な快楽に対して罪悪感を抱いている方は少なくありません。セックスやセルフプレジャーに対してネガティブなイメージを持っていると快楽を得にくいため、まずはその罪悪感をなくすところから始めると良いでしょう。
■セルフプレジャーは毎日しなくてもいい
セルフプレジャーは、毎日しなければいけないものでもありません。したい気持ちがあるときやムラムラしているとき、リラックスしているときでないと、気持ち良くなれないことも。一生懸命取り組んで感じられるようになるものではないので、気持ちが乗ったタイミングで始めてみると良いでしょう。
■ローションやオイルを使うのもおすすめ
セルフプレジャーをする際に、思うように濡れないときや痛みを感じるときには、専用のローションやオイルを使用すると感度が上がりやすくなるのでおすすめです。またローションやオイルなどはデリケートゾーンへの保湿ケアとしても有効。香りや質感にこだわったアイテムのほか、痛みがある場合は抗炎症成分が配合されたタイプなどさまざまなものがあるので、自分に合うものを選んでみてください。
■リラックスできる環境をつくる
セルフプレジャーをするときは、リラックスできる環境を整えることも大切です。自宅で行う際には、仕事や家事をしている環境から、セルフプレジャーしやすいリラックス環境を整えると良いでしょう。例えばアロマやお香を焚いたり、普段とは違うミストを使用したりすることも方法の1つ。また、体を温めて血行が良くなるとオーガズムを得やすくなるので、セルフプレジャーをする前に入浴をしたり布団で体を温めたりするのもおすすめです。
このほか、普段とは違う方法を試すなど、変化をつけるのも良いでしょう。いつもはベッドでしているなら、ソファーでしてみたり姿勢を変えてみたりすると、新鮮な気持ちになれます。
5.更年期の不調は美容医療でもケアできる
更年期の不調は、セルフプレジャーだけでなく美容医療でもケアが可能です。膣のゆるみや尿漏れに対しては、膣へヒアルロン酸を注入し膣壁を厚くする方法があります。また、小陰唇の大きさや左右差を改善する手術や陰核(クリトリス)の外皮を切除する手術は、セックス時の痛みや気になる臭いの軽減にも役立つでしょう。
美容クリニックでは、人には話しにくいフェムケアの相談にも乗ってもらえます。更年期の不調で悩んだ方は、まずは相談からしてみるのも良いでしょう。
■まとめ
セルフプレジャーは、更年期の不調に有効な方法の1つ。ストレスの軽減のほか、睡眠の質を高められたり美容面に役立ったりなど、40~50代の女性にはうれしい結果をもたらします。更年期障害の症状に悩んでいる方は、自分に合う方法で取り入れてみてはいかがでしょうか。また膣にまつわる悩みは、美容医療でケアできる場合もあるため、気になる方は美容クリニックに相談してみるのも良いでしょう。
【参考】
※1 ジェックス株式会社/一般社団法人日本家族計画協会家族計画研究センター「男女の生活と意識に関する調査」
ジャパン・セックスサーベイ2024|日本のセックス事情の変化マスターベーションの頻度
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