
美容医療をやり始める際、“自分のゴール”をきちんと意識できている方は意外と少ないもの。意識できていた方でも美容医療に魅了されてゴールを見失えば、いろいろな施術を次々に受けたくなるかもしれません。自分のゴールを見失ったままだと、施術を受けたときは満足感が得られても結局は回り道や本来のゴールから乖離してしまうおそれもあるでしょう。また、美容医療を繰り返すうちに自分の美の基準と世間からの評価に大きなズレが生じることもあり得ます。
そこで今回は、美容医療のゴールを見失わないために自己満足と世間の評価のバランスを取る方法に迫ります。美容医療のゴールを意識することで、本当に受けたい施術や治療のプロセスが明確になり自分の理想像により近づけるかもしれません。
INDEX
1.「自分の美の基準を知る」ってどういうこと?
自分の美の基準を知ることとは、自分に合った「美」を見極めることです。そのためには、悩みの背後に隠れている本質的な希望を見つめ直すことが大切です。また、自分の美の基準に他人から見た自分のイメージも影響する場合は、どのように折り合いをつけるのかも重要なポイントになります。
悩んでいる症状や外見を単純に治療したい場合
目の下のクマ・ほうれい線・輪郭など、悩んでいる症状や外見の改善により満足感を得られそうな場合は、治療が完了すれば自分の美の基準を満たしたと言えるでしょう。
ほかに改善したいパーツがある場合は、以下を参考にして自分の美の基準に到達するかどうかをチェックすると良いでしょう。
- 施術を受けたパーツが美しくなったことで、悩んでいたほかのパーツが以前より気にならなくなったかどうか
- 予算やダウンタイムなどを考慮したとき、無理なく治療が受けられそうかどうか
若返りを望んでいる場合
「顔やボディを若々しく見せたい」と思っている方は、本質的には若い頃の自分に戻りたいという想いが強い傾向にあります。若返りを望む方は、気になるパーツや症状を単純に治療するだけでは若い頃の自分に近づくことは難しいでしょう。また、他人からエイジングを指摘されたくないという焦りから、必要以上に美容医療を行ってしまうおそれもあります。
美容医療のゴールが若返りの場合は、若い頃の写真を参考にエイジングした部分を自分で確認しましょう。そのうえで美容クリニックの医師に相談すると、自分のゴールに近づくための治療法を提案してもらいやすくなるかもしれません。
自分以外の誰かに憧れている場合
有名人やアイドルなど自分とは違う誰かに憧れを抱き、美容医療を行いたいと思う方もいるでしょう。まずは憧れの人物のどのパーツに近づきたいと思っているのかを分析し、その人物が自分に似ているタイプかどうか客観的に判断してみてください。
自分に似ているタイプであれば憧れのイメージに近づける可能性はあります。ただし、自分らしい美の基準にマッチするかどうか、美容医療によってパーツを変化させることで違和感が出ないかどうかも事前に確認することが大切です。
2.「オーバーフィラー顔」ってなに?「気づいたら目指していたゴールではない方向に…」とならないために
美容医療のゴールを見失った方に起こりがちなことの1つが、“オーバーフィラー顔”と呼ばれる状態。オーバーフィラー顔とは、ヒアルロン酸製剤やコラーゲン製剤などのフィラーと呼ばれる注入剤を過剰に使用してしまい不自然な仕上がりになった顔のこと。
他人から見れば顔のボリュームが出過ぎている状態にも関わらず、本人は気にすることなくさらに注入を希望するのです。オーバーフィラー顔になる方が陥る状態は「Overfilled syndrome(入れ過ぎ症候群)」と呼ばれ、美容医療業界でも問題視されています。
ここでは、目指していたゴールとかけ離れないようにするためのポイントを解説します。
施術後の見え方を複数の視点から確認
施術後は家族・パートナー・友人など信頼できる人からアドバイスをもらうことも大切です。普段から服装やヘアスタイル、メイクなどについて率直な意見を言ってくれる人にアドバイスを求めましょう。
自分が目指すゴールと施術後の仕上がりが近いかどうか複数の人から意見を集めましょう。
他撮りや動画で確認する習慣を
自撮りは自分が美しく見える角度やポーズで撮影してしまう傾向にあり、自分を客観的に評価することは難しいかもしれません。そのため、自分以外の誰かに自分を撮影してもらう他撮りや、施術後の表情が自然かどうかを確認できる動画を撮影してもらい確認する習慣をつけることがおすすめです。
他撮りや動画で施術箇所を確認すると、自分のゴールに近づけたかどうかを客観的に判断でき、追加施術が本当に必要かどうかも見極められるでしょう。
【コラム】 オーバーフィラー顔の事例(海外セレブ)
海外セレブを例に、オーバーフィラー顔のイメージをチェックしておきましょう。 故 ジョセリン・ウィルデンシュタイン
ジョセリン・ウィルデンシュタインは、リフト手術やフィラーなどの美容医療を繰り返し受けてきた海外セレブ。まるで猫のような吊り上がった目のために、アメリカでは「キャットウーマン」の異名を持ちます。 |
3.変化を感じたい?ナチュラル志向?目指すゴールによっては、こんなチェックも必要かも
世の中には「美容医療を受けたことが一目で分かるくらいの変化が欲しい」という方もいるかもしれませんが、そのようなケースはほんの一握り。美容医療で変化を求める方は、「劇的に変化したいけれど、仕上がりはナチュラルなほうがうれしい」というスタンスが基本的なようです。また、「変化はわずかなもので良く、とにかくナチュラルさ重視」という方も多いことが日本人の特徴です。
そこで、美容医療による盛り過ぎを防止するために、今回NERO編集部では美容医療を受ける際のチェックリストを作成しました。目指すゴールに近づくためにも、ぜひ活用してみてください。
美容医療盛り過ぎ防止チェックリスト
(1)友人やパートナーなど信頼できる人に意見を聞く
施術前後に周囲の信頼できる人に率直な意見を求めましょう。相手のために厳しい意見も言ってくれる人がベターです。
(2)他人に動画撮影してもらい客観的に自分の状態を確認する
他者目線でいろいろな角度から動画撮影してもらうことも参考になります。鏡や自撮り画像では要改善ポイントだと思っていても、客観的な目で見ると気になるパーツの印象が変わることもあり得ます。
(3)症例画像から仕上がりイメージをつかむ
気になるドクターのSNSやクリニックのホームページなどに掲載されている症例画像を見て、自分が受けたい施術の仕上がりをしっかりと想像してみることも大切です。
(4)症例数の多い医師を選ぶ
自分が受けたい施術の症例数が多い医師を選ぶと、経験の豊富さからハイクオリティな施術を受けられる可能性が高いでしょう。また、施術がオーバー気味になるおそれも減らせるかもしれません。
(5)複数の医師に意見を求める
複数の医師からクリニックやオンラインでカウンセリングを受けることもおすすめです。セカンドオピニオンやサードオピニオンも参考にして、施術を受けるかどうか判断すると良いでしょう。
(6)カウンセリングで仕上がりイメージを確認する
カウンセリングで仕上がりのシミュレーション画像を見せてくれるクリニックだと、施術後のイメージがグッとつかみやすくなるでしょう。公式ホームページ上で無料のシミュレーションサービスを提供しているクリニックもあるようです。
(7)少しずつ試していく方法を取る
例えば、フィラーの場合は少ない注入量から始めたり注入する箇所を少な目にしたりする方法を取ると、ナチュラルな仕上がりに近づきやすいでしょう。また、いきなり切開手術を受けるのではなく、切開を伴わず一定期間を過ぎると元の状態に戻る施術から受けることもおすすめです。
(8)修正ややり直しが可能な施術から試す
例えばヒアルロン酸製剤の注入では、施術後に気になる部分のヒアルロン酸製剤を溶解するヒアルロニダーゼ処置が受けられる場合があります。また、二重整形の中にはやり直しが可能な術式もあります。美容医療ビギナーは修正ややり直しが可能な施術から始めてみると良いかもしれません。
(9)過度な施術を正直に止めてくれる医師を選ぶ
クリニックの公式ホームページ・SNSなどで「ご要望があっても、患者様の美しさにつながらない過度な施術はいたしません」と公言している場合もあります。自分ではナチュラルとオーバーの境目が分からないこともあるため、そのようなスタイルの医師を選ぶことも1つの手です。
(10)表情が不自然になっていないか確認する
喜怒哀楽の表情を一通り試してみて、表情が引きつれたり顔に不自然な凸凹ができたりしていないか施術後は定期的にチェックしましょう。違和感がある場合は医師に相談して、今後の施術の可否についても意見を求めてください。
まとめ
美容医療は人生を彩る素晴らしいものであるがゆえに、次々と施術を受けたくなる気持ちになることは自然な流れなのかもしれません。ただ、そのような時こそ自分のゴールに立ち戻れるように「美容医療でここまで辿り着けたらゴールにしよう」とあらかじめ決めておくことが大切です。
そのためには、自分の美の基準を明確にして自己満足と世間の評価のバランスも考えておきたいもの。今回の記事で紹介したチェックリストも参考にしながら、自分のゴールを見失わずにこれからも自分に必要な美容医療を楽しんでくださいね。
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