ハイドロキノンは皮膚科で処方してもらうべき?使い方や気を付けたいポイントも解説

ハイドロキノンは皮膚科で処方してもらうべき?使い方や気を付けたいポイントも解説

「ハイドロキノンを使ってみたいけど、皮膚科に行くべき?」と疑問をお持ちの方に向けて、ハイドロキノンの基礎知識をご紹介します。強い漂白作用を持つハイドロキノンは、シミに効果が期待できる塗り薬です。市販で手に入れることもできますが、皮膚科で処方されるものとは異なる点があります。併用することで効果アップが期待できるトレチノインの情報や、トレチノインとハイドロキノンとの違い、使い方もチェックしていきましょう。

1.ハイドロキノンとは│トレチノインや市販品との違いについて

ハイドロキノンは“肌の漂白剤”と呼ばれるほどの漂白作用を持つ塗り薬です。メラニンの生成を抑制する働きがあるため、今あるシミを薄くしたり、新しくできるシミを予防したりする効果が期待できます。美容医療では、ニキビ痕やレーザー治療後の色素沈着に対しても使われることの多いハイドロキノン。単独使用だと皮膚に浸透しにくいので、トレチノインと併用することで効果アップが期待できるとされています。

<ハイドロキノンの効果が期待できるシミの種類>

肝斑 額や頬、目、口の周りなどに現れる褐色のシミ。境目が曖昧で、左右対称かつ広範囲に生じるのが特徴。原因は女性ホルモンの影響が大きいといわれている。
そばかす 目の下から頬にかけて現れる丸い小さなシミ。顔以外に、手や背中に生じるケースもある。雀卵斑(じゃくらんはん)の別名を持つシミで、原因は遺伝との関連が高いとされている。
炎症後色素沈着 ニキビやかぶれ、やけどなどの原因から皮膚が炎症を起こし、シミとなって痕が残ったもの。年齢に関係なく現れるシミで、自然に消滅するケースと、肌のターンオーバーや紫外線の影響でシミとして残るケースがある。
老人性色素斑 一般的に“シミ”と呼ばれる種類。顔中どこでも生じやすい円形で、さまざまな大きさであること、茶褐色で境目が比較的はっきりとしていることが特徴。主な原因は紫外線で、30代以降に現れやすいとされている。

ハイドロキノンの効果の出方には個人差があり、早いと約1ヶ月、目に見えて効果が実感できるまでに約3ヶ月かかることもあります。ハイドロキノンを使う治療はやめるとシミなど肌の状態が元に戻るといわれているので、約3ヶ月を目安に治療を続けましょう。

■トレチノインとハイドロキノンの違い

ビタミンAの誘導体であるトレチノインは、肌のターンオーバーを促して美肌へと導く医薬品です。シミやシワ、ニキビ、毛穴の開きなどの治療に使われます。シミ治療においては、メラニンの生成を抑えることと、肌に蓄積されたメラニンの排出を促すことが必要。ハイドロキノンとトレチノインには、それぞれシミ治療に必要な働きがあります。

トレチノイン……ビタミンAの1種。肌のターンオーバーやコラーゲン生成を促す働きがある。
ハイドロキノン……今あるシミを薄くする、新しくできるシミを防ぐなどの効果が期待できる。

トレチノインは、化粧品にも配合できるハイドロキノンと違って市販品はありません。トレチノインのみでシミ治療をしたい方は、医師の診断を受けて処方してもらいましょう。

■皮膚科処方と市販品│ハイドロキノンクリームの違い

ハイドロキノンは、ドラッグストアなどで手に入る“市販品”と、皮膚科で処方される“医療用医薬品”に分かれます。違いは成分の配合量で、高濃度のハイドロキノンは医療機関のみで取り扱われます。市販されているハイドロキノンクリームは、厚生労働省の規定により2%の配合までと決まっており、それ以上の配合量になると皮膚科など医療機関での処方が必要です。

2.ハイドロキノンクリーム│皮膚科で処方してもらうメリットは?

出典:photoAC

ハイドロキノンクリームを皮膚科で処方してもらう際のメリットを見てみましょう。

  • 医師に直接相談できる
  • 2%以上の配合量のハイドロキノンが処方可能
  • 副作用が現れたとき、医師に相談しやすい
  • 基本的に即日処方

中でもメリットとして大きいのは、医師に直接相談できることと、高濃度のハイドロキノンが手に入ること。医師に肌状態を確認してもらえば、より安心してハイドロキノンを使えるでしょう。また、高濃度のハイドロキノンなら、市販品では対策が難しい肌状態でも効果が期待できます。
「忙しくて皮膚科に行く時間がなかなか取れない」という方は、ハイドロキノンの取り扱いがある皮膚科のオンライン診療も検討してみましょう。スマホなどを使って簡単に医師のカウンセリングを受けることができ、外出しなくても自宅で処方してもらえます。

3.皮膚科でハイドロキノンを処方してもらうには

医薬品のハイドロキノンを処方してもらうには、皮膚科または美容皮膚科を受診する必要があります。医薬品は市販品に比べてより高い効果が期待できる一方、副作用のリスクを伴う可能性がありますが、皮膚科での処方ならすぐ相談できるので、心配な方は皮膚科で処方してもらうと良いでしょう。その他、美容クリニックでレーザー治療後の色素沈着にハイドロキノンクリームを用いる場合もあります。
ハイドロキノンは医薬品なので副作用のリスクがありますが、皮膚科での処方ならすぐ相談できるので、心配な方は皮膚科で処方してもらうと良いでしょう

■ハイドロキノンとトレチノイン│皮膚科では保険適用外?

日本で未承認のハイドロキノンは、美容目的での処方とされるため、保険適用外になります。市販品、皮膚科処方、オンライン診療のどれを選んでも全額自己負担です。そのため、料金設定にばらつきがあります。

4.ハイドロキノンの使い方をチェック

出典:photoAC

1日2回、朝晩の洗顔後、スキンケアで肌を整えた後にハイドロキノンを塗ります。顔全体ではなく、気になる部分にだけ少量塗るのがポイント。メイクをする場合は、ハイドロキノン、日焼け止め、メイクの順に塗っていきましょう。ハイドロキノンを塗った肌が紫外線を浴びると、シミが濃くなり悪化することもあります。ハイドロキノンを塗ってからの外出は、季節や時間の長さを問わず、紫外線対策を行うことが大切です。

■トレチノインとハイドロキノンを併用する場合のやり方

トレチノインとハイドロキノンを併用する場合は、ハイドロキノンを後に塗ります。トレチノインの働きは、肌のターンオーバーの促進と、ハイドロキノンの浸透をサポートすること。順番が逆になっても問題ありませんが、併用時の効果を高めるなら“トレチノインの後にハイドロキノン”を心がけましょう。

■ハイドロキノンは使用期限を守って使おう

ハイドロキノンは酸化しやすく、常温で保存するとすぐに効力を失うとされています。未開封なら冷暗所、開封後は冷蔵庫で保存しましょう。使用期限の目安は開封後約2ヶ月です。長期間放置すると十分な効果が得られなくなります。また、ハイドロキノンが黄色や茶色に変色した場合は使わないようにしましょう。

5.ハイドロキノンを使うときに気を付けたいポイント

出典:photoAC

ハイドロキノンは人によって肌に合わない場合もあります。使うときに気を付けたいポイントをご紹介するので、事前にチェックしておきましょう。

■副作用に気を付ける

ハイドロキノンを使うと、赤みやかぶれの症状が現れることもあります。赤みが出たら使用を中止し、医師に相談しましょう。高濃度のハイドロキノンを使うときは、医師の指導により治療を進めることをおすすめします。また、アレルギー反応によるかぶれは予測が難しいもの。症状が現れたら医師に相談し、他の治療法に切り替えることも視野に入れる必要があります。

■紫外線対策の徹底

ハイドロキノンを使うにあたり、とくに気を付けたいのが紫外線対策です。メラニンには紫外線によるダメージ防止の機能があるので、ハイドロキノンでメラニン生成を抑えた状態の肌では、いつも以上にダメージが大きくなってしまう可能性があります。シミが悪化するリスクを和らげるためにハイドロキノンを使っているときは、紫外線ケアに目を向けることが大切です。

■適切な部分に使用する

ハイドロキノンは“必要な部分だけに塗る”ことが使い方のポイントです。高濃度のハイドロキノンを長期間使い続けた場合、白斑が生じる可能性があります。使い方と使用期間の目安をきちんと守り、正しく使うことを心がけましょう。

■効果が実感できなければ他の治療を検討する

ハイドロキノンは効果が実感できるまでに時間がかかるものですが、長期間の使用は白斑のリスクを高めます。3ヶ月以上使い続けても効果が実感できない場合は、医師に相談したうえで他の治療も検討してみましょう。

まとめ

市販のハイドロキノンもありますが、「医師に相談してから使いたい」「副作用が不安」と思う方は皮膚科で処方してもらうのがおすすめです。皮膚科処方だと市販品よりもハイドロキノンの濃度が高く、より高い効果が期待できるでしょう。ハイドロキノンの使用は、シミにお悩みの方の対策法の1つです。使ってみても満足のいく効果が実感できなければ、美容医療も選択肢に入れてみてください。

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