リジュラン注射は、幅広い肌トラブルに効果を発揮する治療法の1つ。しかし、失敗やデメリットが不安で、施術をためらっている方もいるでしょう。
そこで今回は、リジュラン注射がどのような肌の悩みに適しているか、リジュラン注射を受ける前に知っておきたい注意点を解説します。
ご自身の現在の症状を解決するのにリジュラン注射が適しているか、判断の参考になれば幸いです。
1.リジュランとは?
リジュランは、シワ・たるみ・くすみ・乾燥・目の下のクマなどの、加齢に伴う肌トラブルに高い効果を発揮する製剤です。
リジュランについて調べると、「リジュラン注射」と「リジュラン水光注射」の2つの呼び方を目にするでしょう。両者は、リジュランを打ち込む機器が異なります。
「水光注射」は、9本の極細の針がついた専用機器で肌の浅部に薬剤を注入し、うるおいに満ちた明るい肌(=水光肌)へ導く施術です。
対する「リジュラン注射」は、一般的な注射器で薬剤を注入します。
◾️リジュランの主成分はサーモン由来の「ポリヌクレオチド」
リジュランの主成分は、サーモンから抽出される「ポリヌクレオチド」です。
ポリヌクレオチドは、皮膚の真皮層にある線維芽細胞に働きかけ、コラーゲンやエラスチンの生成を促進します。肌組織の再生に優れているため、もともと整形外科などで創傷治癒や関節注射に用いられてきました。
美容医療の分野では“ポリヌクレオチド=肌の再生・若返りをサポートする成分”として注目されています。
【ポリヌクレオチドに期待できる作用】
- 肌のハリ感アップ
- 保水力の向上
- 皮脂バランスを整える
- 小ジワの改善
ポリヌクレオチドの特徴である“肌組織の再生力の高さ”を、利用して効能を発揮するのがリジュラン注射なのです。
◾️リジュランiは目元の悩みに特化
リジュラン注射には種類があり、なかでも “リジュランi” はデリケートな目元の皮膚のケアに特化しています。
【リジュランiに期待できる効果】
- 目元の小ジワの改善
- 目元のハリ感アップ
- 目の下のクマの軽減
リジュランiは、繊細な目元に優しく作用します。目元のエイジングにお悩みの方にとって、強い味方になるでしょう。
2.リジュランはこんな人に向いている!目の下のクマにも効果的?
リジュラン注射がどのようなお悩みを持つ方に適しているか、ここからはより具体的に解説します。
◾️肌のたるみが気になる人
リジュラン注射は、肌のハリ改善・ボリュームアップ効果が期待できます。
リジュランの働きの1つが“線維芽細胞の活性化”です。線維芽細胞は真皮層にあり、ハリのある肌に欠かせないコラーゲンやヒアルロン酸などの成分を生成しますが、加齢とともに減少します。また、紫外線や乾燥などの原因で働きが衰えてしまうことも。
リジュランを注射すると、線維芽細胞の動きが活発になり、肌のたるみが改善するのです。
◾️目の下のクマが気になる人
リジュラン注射は、加齢に伴う目の下のクマに効果的です。
加齢によって引き起こされるクマは、おもに肌のボリューム不足が原因。肌のボリュームが減ると目の下がくぼみ、影が目に留まるようになるのです。
リジュランを注射し、真皮の細胞産生能力が高まれば、若々しくふっくらとした目元になり、クマが目立ちにくくなります。
◾️シワが気になる人
リジュラン注射は、以下のようなシワの対策に効果を発揮します。
- 乾燥による目元・口元の小ジワ
- 眉間や額の表情ジワ
- たるみジワ(ほうれい線など)
リジュランの働きによってコラーゲン・ヒアルロン酸・エラスチンなどが滞りなく生成されるようになると、肌にハリや弾力が生まれ、シワが目立ちにくくなるためです。
◾️ニキビや傷痕が気になる人
リジュランには、皮脂分泌をコントロールして毛穴を引き締める働きがあります。結果、毛穴が詰まりにくくなり、ニキビなどの肌トラブルを防げるのです。
また、リジュラン注射により、肌全体のハリやボリューム感が増すと、ニキビ痕や傷痕などの肌の凹凸が目立ちにくくなります。
3.リジュランで失敗・後悔しないため知っておきたい5つのポイント
美容クリニックでリジュラン注射を受けた方の中には「効果がわからなかった」「リジュランって効果ない?」「思っていたより痛かった」といった声も。
そこで、せっかくリジュラン注射を受けても、失敗や後悔につながってしまう理由と、施術前に知っておきたい注意点を解説します。
◾️ リジュラン注射の効果はゆっくり“すぐ変化がない=失敗”ではない
リジュラン注射は、肌の細胞を活性化して、肌の質そのものを高める治療です。
そのため、直接的なボリュームアップや即効性を得にくく、“全然変化がない……失敗した?”と感じることも。施術後、効果を実感するまで数週間から数ヶ月かかることを知っておきましょう。
◾️リジュラン注射は複数回の施術で1クールが基本
リジュラン注射は、1回の施術でも効果が期待できますが、回数を重ねることで肌質の変化をより実感できます。治療回数の目安は、2〜3週間ごとに計3~4回です(個人差があります)。
1回だけの施術で大きな変化が得られることを期待すると、失敗したと感じるケースもあるため、注意しましょう。
◾️若く健康的な肌の場合、リジュラン注射の効果を感じにくく失敗と感じるケースも
リジュランのおもな効果は、肌の再生・修復、シワやたるみの改善。つまり、リジュラン注射は、ダメージを受けた肌にこそ、真価を発揮する治療です。
そのため、肌がもともと健康な方、とくに若い方はリジュランによる変化が少なく“失敗したのでは?”と感じることがあるようです。
◾️リジュランの痛みはゼロではない
リジュラン注射はメスを使用しないため、痛みが少ないとイメージする方もいるでしょう。
しかし、リジュラン注射は肌に注射針を刺すため、表面麻酔を使ったり、麻酔が配合されたリジュラン製薬を用いたりしても、多少の痛みは伴います。
痛みがまったくないと思い込んでいると、“想像より痛かった!”と感じる可能性がありますので注意が必要です。
◾️アレルギーと副作用に注意
リジュラン注射にふくまれるポリヌクレオチドは、人体になじみやすく副作用やアレルギー反応が少ない成分とされています。
ただし、注入部の針痕・赤み・腫れ・内出血といった副作用が生じる可能性はゼロではありません。
副作用を軽減するには、以下のような点に気をつけましょう。
【リジュラン施術後の注意点】
- 刺激の強い化粧品の使用を避ける
- 施術部をこすらない
- サウナなど血行が良くなる行動を避ける
また、ポリヌクレオチドは、もともとサーモンに含まれる成分です。魚・魚卵などのアレルギー体質の方は、アレルギー反応を起こす危険性がありますので利用を控えましょう。
4.リジュランのメリットは?
最後にリジュラン注射のメリットを紹介します。
◾️さまざまな部位に注入可能
リジュランはテクスチャーがやわらかいため、顔(額・頬・目の周辺・口元)の他、首やデコルテ、手の甲、傷痕など、さまざまな部位へ注入可能です。
また、リジュラン注射は、症状・部位に合わせて、注入法を変えられます。
小ジワやクマなどの局所的な悩みにはピンポイントで注入、施術部位全般の乾燥がお悩みであれば肌全体に均一に注入、といったように目的に合わせた最適なアプローチが可能です。
◾️他の施術と組み合わせ可能
リジュラン注射は、単独の施術だけでなく、他の施術と組み合わせてさらなる効果を追求することもできます。
【リジュランと他施術の組み合わせ例】
- ヒアルロン酸注入×リジュラン⇒肌の再生とハリアップ
- ダーマペン×リジュラン⇒肌の自己再生力をより高める
美容医療によっては、他施術と併用不可なものもあります。
比較的制限が少なく他の施術と組み合わせられる点は、リジュラン注射のメリットの1つと言えるでしょう。
◾️まとめ
リジュラン注射は、肌質を根本から整え、シワ・たるみ・目の下のクマ・ニキビの改善など、幅広い肌の悩みに効果を発揮する治療法です。メスが不要で、気軽にできるエイジングケアですが、一度の施術で大きな変化が得られると思っていると、施術が失敗したと感じたり、リジュラン注射を受けたことを後悔したりするケースも。失敗・後悔を防ぐには“リジュランは効果がゆっくり表れること”“複数回の施術で効果をより実感できること”“多少の痛みは伴うこと”など、正しい知識を持ちましょう。
・当サイトは、美容医療の一般的な知識をできるだけ中立的な立場から掲載しています。自己判断を促す情報ではないことを、あらかじめご了承ください。また、治療に関する詳細は必ずクリニック公式ホームページを確認し、各医療機関にご相談ください。
・本記事は、執筆・掲載日時点の情報を参考にしています。最新の情報は、公式ホームページよりご確認ください。
・化粧品やマッサージなどが記載されている場合、医師監修範囲には含まれません。
【治療の内容】
リジュラン(ポリヌクレオチド主成分製剤)を使用したスキンブースター治療
【治療期間および回数の目安】
約2〜3週間ごとに1回、計3~4回程度
※治療期間や回数等はクリニックごとに異なります。
【費用相場】
1回 約 ¥35,000~ ¥100,000
※使用する部位・量・本数によってクリニックごとに異なります
【リスク・副作用等】
内出血、赤み、腫れ、浮腫、かゆみ、痛み、アレルギーなど
【未承認機器・医薬品に関する注意事項について】
・リジュランの治療には、国内未承認医薬品または医療機器を用いた施術が含まれます。
・治療に用いる医薬品および医療機器は、各クリニックの医師の判断のもと導入しています。個人輸入における注意すべき医薬品等に関する情報は、下記をご参照ください。
https://www.yakubutsu.mhlw.go.jp/individualimport/purchase/index.html
・薬事承認を取得した製品を除き、同一成分や性能を有する他の国内承認医薬品および医療機器はありません。
・重大なリスク・副作用などが明らかになっていない可能性があります。
・万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。
【治療の内容】
ダーマペン(マイクロニードル治療)
【治療期間および回数の目安】
3~4週間に1回、1~5回程度
※治療期間や回数等はクリニックごとに異なります。
【費用相場】
1回 約 ¥15,000~ ¥25,000
【リスク・副作用等】
・赤み、皮むけ、内出血、腫れなど
【未承認医療機器を用いた治療について】
・マイクロニードル治療には、国内未承認医薬品または医療機器を用いた施術が含まれます。
・治療に用いる医薬品および医療機器は、各クリニック医師の判断のもと、個人輸入手続きが行われています。個人輸入における注意すべき医薬品等に関する情報は、下記をご参考ください。
https://www.yakubutsu.mhlw.go.jp/individualimport/purchase/index.html
・薬事承認を取得した製品を除き、同一成分や性能を有する他の国内承認医薬品および医療機器はありません。
・諸外国において、治療に伴う重大な副作用の報告はありません。
・万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。
【治療の内容】
ヒアルロン酸製剤の注入
【治療期間および回数の目安】
9~12カ月に1回程度
※製剤や部位によって個人差があります
【費用相場】
1本 約¥55,000円~150,000円
※使用する本数には個人差があります。
【リスク・副作用等】
赤み、内出血、腫れ、痛み、アレルギー反応、修正位置のずれなど
【未承認医療機器を用いた治療について】
・ヒアルロン酸注射およびヒアルロニダーゼ注入には、国内未承認の薬剤および薬事承認された使用目的とは異なる治療が含まれます。
・治療に用いる医薬品および医療機器は、各クリニック医師の判断のもと、個人輸入手続きが行われています。個人輸入における注意すべき医薬品等に関する情報は、下記をご参考ください。
https://www.yakubutsu.mhlw.go.jp/individualimport/purchase/index.html
・薬事承認を取得した製品を除き、同一成分や性能を有する他の国内承認医薬品および医療機器はありません。
・諸外国において、治療に伴う重大な副作用の報告はありません。
・万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。