【Breaking News】赤字病院6割超――診療報酬の限界が突きつける「クリニック時代」の避けられない現実とは?

📌 記事をざっくりまとめると…

  • 全国6割の病院が赤字、静岡では7割近くに

  • 急性期病院の8割以上が赤字、高度急性期では利益率マイナス2%台

  • 精神科入院費は「ビジネスホテル以下」との指摘も

  • 診療報酬は 物価・人件費の高騰を価格転嫁できない公定価格

  • 不採算医療(救急・周産期・精神科)を担う病院は 赤字でも撤退できない構造

  • 「クリニック時代」となる一方で、病院再編と補填の議論は不可避

「病院は消える」現実が加速か?

前回NEROが報じたように、厚労省の概算要求は「クリニック誘導型」の補助制度を描いた。
しかしその前提には、すでに病院の持続性が急速に失われつつある現実がある。

赤字の主因は、診療報酬が公定価格で全国一律に定められ、人件費・医療材料費の高騰を転嫁できない仕組みにある。

「地域の基幹病院ほど患者は増えるのに赤字も拡大する」という逆説が、経営者たちの共通の悲鳴となっている。

赤字拡大、地域医療が持続困難に

全日本病院協会調査によれば、2024年度は病院の61%が経常赤字
物価・賃金の上昇が背景にあり、診療報酬の改定では補填しきれていない。

精神科病院の窮状も深刻で、慢性期入院の医療費は「都内ビジネスホテルの宿泊料より安い」との指摘も。
医療費全体の2割強を精神病床が占める一方、精神科医療費は全体の約4%にとどまり、構造的な矛盾が浮き彫りになった。

静岡県でも7割弱が赤字に

静岡県病院協会の調査では、2023年度の赤字病院は59.7%
2024年度はさらに増加し 68.9%が赤字見込み

中でも高度急性期・急性期病院は 8割超が赤字 という深刻な結果だった。

浜松医療センターは患者数・手術件数・救急搬送件数が増加し増収を果たしたものの、
規模拡大がそのまま赤字拡大につながる構造」と院長は訴えているという。

【Breaking News】赤字病院6割超――診療報酬の限界が突きつける「クリニック時代」の避けられない現実とは?

利益を生みにくい構造的問題

病院収益の大半を占める診療報酬は、全国一律の公定価格。
人件費や医療材料費、光熱費が高騰しても、価格転嫁できない仕組みとなっている。

患者負担には消費税がかからないが、病院が購入する薬剤・医療材料には課税がかかる。
さらに、自治体病院では人事院勧告に基づく給与引き上げが必須で、浜松医療センターの人件費は 25年度に3億円増 となる見込みだ。

救急や小児・周産期といった不採算医療を担う自治体病院は、赤字でも撤退できない構造的ジレンマに直面している。

編集長ポイント
~病院再編の時代、その先に来るもの~

今回の赤字データは、病院が消えるスピードが国の想定以上に速いことを示している。

これから避けられないのは、

  • 急性期病院の 再編・統合

  • 不採算領域の 国による直接補填

  • そして残った医師が地域で拠点化する 複合型クリニックの台頭

NEROでは以前から「クリニック時代の到来」を伝えてきた。
だが今後はそれ以上に、“どんなクリニックを育てるか”という選択の時代に入る。

病院の赤字は単なる経営問題ではない。
それは「日本の医療インフラの再設計」を迫る、避けられない現実なのかもしれない。

【Breaking News】赤字病院6割超――診療報酬の限界が突きつける「クリニック時代」の避けられない現実とは?

まとめ

  • 病院の赤字は診療所以上に深刻化し、全国6割超が赤字

  • 急性期・精神科を中心に「価格転嫁できない構造」が限界に

  • クリニック時代を迎える一方で、病院再編と制度補填が不可避

  • 今後は「病院をどう減らすか」と同時に「どんなクリニックを育てるか」が問われるのか

▲以上で終了▲

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