クマ取り施術方法と60代が後悔しないための注意点

クマ取り施術方法と60代が後悔しないための注意点

クマ取りは60代の方が気になるエイジングサインにアプローチし、若々しい印象を取り戻すための美容医療の1つ。

年齢を重ねるにつれて、目の下のクマが気になってきたという方もいるのではないでしょうか。「なんだか疲れてる?」「老けて見える?」など、鏡を見るたびに憂うつな気持ちになるかもしれません。

そこでこの記事では、クマ取りの施術を検討する際に、60代が後悔しないための注意点や施術方法について詳しく解説します。

なぜ60代は目の下のクマが目立つ?年齢による3つの原因

鏡 女性 クマ取り施術方法と60代が後悔しないための注意点|NERO DOCTOR / BEAUTY(美容医療)60代に見られるクマは、単なる疲労や寝不足ではなく、加齢に伴う目元の構造的な変化が複合的に影響している場合が多いもの。

まずは60代の目元のお悩みからクマの原因を探っていきましょう。

■60代のお悩み①皮膚のハリ不足やたるみによるクマ

鏡を見ながら顔を少し上に向けてみてください。上を向いた際にクマが薄くなったり、完全に消えたりしませんか?

このようなクマは黒クマと呼ばれるクマです。60代で目の下に生じる黒クマは、加齢に伴って生じた皮膚のたるみやくぼみが原因のひとつです。

60代になると、肌のハリを支えるコラーゲンやエラスチンなどの成分が徐々に減少し、皮膚が薄く伸びやすい状態に。こうして目の下に皮膚のたるみが現れます。たるんだ皮膚は目の下に段差をつくり、影が黒く見えることで、クマとして認識されます。

■60代のお悩み②眼窩脂肪の突出でできるふくらみと窪みによるクマ

目の下のクマの原因として、加齢による「眼窩脂肪」の突出も挙げられます。

眼窩脂肪とは、眼球を衝撃から守るクッションのような役割を持つ脂肪の塊です。

60代になると加齢に伴いこれらの組織が衰え、とくに眼輪筋が薄くなることで、眼窩脂肪を支えきれなくなり前方へ押し出されていきます。この押し出された眼窩脂肪によって、目の下に物理的な「ふくらみ」が生じて影ができ、「窪み」が強調されて見えるのです。

このふくらみと窪みによる段差は黒クマを形成し、顔に疲れた印象や老けた印象を与えがちです。

また、この眼窩脂肪の突出は、皮膚のたるみによる黒クマと同時に発生しているケースが多く見られます。眼窩脂肪の突出は構造的な変化であるため、化粧品やマッサージなどのセルフケアで改善することは難しい場合が多いです。

■60代のお悩み③加齢や生活習慣による血行不良によるクマ

目の下に現れるクマのうち、青みがかった色に見えるものは「青クマ」と呼ばれます。これは、目の下の皮膚が薄いため、その下にある毛細血管が透けて見えることで生じるのです。

とくに60代では、表皮のターンオーバーの低下や、真皮層のコラーゲン・エラスチンなどの減少によって、皮膚全体の厚みが薄くなります。皮膚が薄くなると、若い頃よりも血管の色が透けて見えやすくなり、青クマが目立ちやすくなるのです。

【クマ取り】60代のクマ向け代表的な施術方法

女性 目元 クマ取り施術方法と60代が後悔しないための注意点|NERO DOCTOR / BEAUTY(美容医療)60代の目の下のクマは、皮膚のたるみや脂肪、窪みなど、複数の要因が複雑に絡み合って生じるケースが多いもの。

目元の状態に合わせた適切な治療法の選択がとても大切です。

■【クマ取り60代】たるみと脂肪に同時にアプローチする「切開ハムラ法(表ハムラ)」

「切開ハムラ法」あるいは「表ハムラ法」として知られるこの施術は、下まつ毛の生え際ぎりぎりのラインを切開し、目の下のふくらみの原因となる眼窩脂肪を、窪んでいる部分へ移動・再配置するものです。

このクマ取り施術の特徴は、脂肪の再配置と同時に、余分な皮膚を切除できる点。とくに皮膚のたるみが重度な60代の方に多く見られる「黒クマ」に対し、高い効果が期待できます。

ふくらみと窪みに同時にアプローチし、なめらかで若々しい目元を目指せる半面、ダウンタイムが比較的長くなる傾向があります。

■【クマ取り60代】顔表面に傷痕が残らない「裏ハムラ法」

「裏ハムラ法」は、まぶたの裏側にある結膜を切開し、目の下のふくらみの原因である眼窩脂肪を丁寧に剥離し、窪んでいる部分、とくにゴルゴライン*などへ移動させて再配置することで、目元全体の凹凸をなめらかに整える施術です。

このクマ取り施術のメリットは、皮膚の表面にメスを入れる必要がないため、外から見て傷が目立ちにくい点。他人に気づかれにくい自然な仕上がりが期待できます。

眼窩脂肪の突出によるふくらみと、その下にある窪みが同時に見られるものの、皮膚のたるみが比較的軽度な60代の方に適した施術です。

*ゴルゴライン……目頭のすぐ下から頬の中央にかけて斜めに伸びる溝やへこみのこと

■【クマ取り60代】目の下の脂肪によるふくらみを整える「脱脂術+脂肪注入」

「脱脂術+脂肪注入」は、目の下のふくらみと窪みを同時に改善することが期待できるクマ取り施術です。

目の下のクマの原因となる余分な眼窩脂肪をまぶたの裏側から丁寧に取り除き、ご自身の太ももなどから採取した脂肪を、目の下の窪んでいる部分や凹凸がある箇所に注入します。

目元にハリやボリュームを与え、60代でも若々しい印象を取り戻しやすいのが特徴です。

一方で、注入した脂肪の定着率には個人差があり、一部が体に吸収されてしまう可能性があり、複数回の注入が必要となるケースもあります。さらに、皮膚のたるみが非常に強い場合は、脱脂術だけでは皮膚の余りが生じ、かえってシワが悪化するリスクも。

施術の適応を慎重に判断する必要がある点にも留意しておきましょう。

クマ取りで60代が知っておくべきリスクとダウンタイム

女性 目元 クマ取り施術方法と60代が後悔しないための注意点|NERO DOCTOR / BEAUTY(美容医療)ここからは、クマ取り施術でとくに60代が知っておくべきリスクとダウンタイムについて解説します。

■高齢者に起こりやすい「下眼瞼外反症(あっかんべー状態)」とは

目の下のクマ取り施術において、とくに60代が注意すべきリスクの1つに「下眼瞼外反症」があります。

下まぶたが外側にめくれ、目の赤い粘膜が露出してしまう状態です。「あっかんべー」をしているような状態によく例えられ、見た目の問題だけでなく、目の表面が乾燥しやすくなります。

60代以上の方は、加齢に伴う皮膚の弾力性低下や、目の周りの筋肉の衰えにより、手術によるわずかな皮膚の牽引でさえも耐えきれなくなりやすいのです。

解剖学を熟知した高い技術力を持つ医師が診断することが、クマ取り成功のポイントとなるでしょう。

■腫れ・内出血・痛みの期間の目安は?

クマ取り施術後のダウンタイムでは、主に腫れ、内出血、痛みの3つの症状が現れます。

症状には個人差がありますが、とくに60代の方は回復に時間を要する傾向があることは理解しておく必要があります。

<クマ取り施術の経過目安>

施術法 腫れ・内出血 傷痕・仕上がり そのほか
表ハムラ法 ピーク:2~3日目
1~2週間で落ち着く
3~6ヶ月程度で安定 5~7日目に抜糸あり
ダウンタイムが比較的長い
裏ハムラ法 ピーク:2~3日目
1~2週間で目立たなくなる
3~6ヶ月程度で安定 傷痕が目立ちにくい
むくみが1ヶ月程度続くことも
脱脂術+脂肪注入 ピーク:2~3日目
1~2週間で目立たなくなる
3~6ヶ月程度で脂肪がなじむ 脱脂だけの場合は1週間程度で日常復帰
しこりや凹凸に注意

■一度切開すると再手術は難しい?初回施術の重要性

目の下のクマ取りで切開を伴う施術を一度受けると、再手術の難易度が高まることがあるため注意が必要です。

手術によって皮膚の下の組織が損傷を受けると、修復過程で組織が癒着して硬くなり、その後の再手術で剥がしにくくなります。

初回手術で一度組織が変化すると、眼窩脂肪が分離するなど解剖学的な構造が複雑化します。

再手術を行う場合、癒着した組織を丁寧に剥がす作業が必要となるため、初回の手術よりも施術時間や体への負担が増加する傾向に。その結果、初回よりも腫れや内出血が強く出たり、ダウンタイムが長引いたりするリスクが高まります。

また、組織の癒着や過剰な切除によって、皮膚のひきつれが生じたり、仕上がりが不自然になったりする可能性もあるため慎重に検討しましょう。

まとめ

クマ取りをする際に60代のクマに適した主な施術法と、注意すべきリスクや経過の目安をご紹介しました。

クマ取りは60代の方が若々しさを取り戻すために有用な施術ですが、年齢が上がることで留意しておくべきことも増えてきます。

だからこそ、ご紹介したような点に着目しながら症例を確認して医師・クリニック選びを進めることが大切です。この記事の情報が、若々しい目元で明るい一歩を踏み出せる手立てになれば幸いです。

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【施術の内容】表ハムラ法
【施術期間および回数の目安】通常1回 ※状態によって異なります。
【費用相場】¥200,000~¥500,000程度 ※各クリニックによって異なります。本施術は自由診療(保険外適用)です。
【リスク・副作用等】出血、血腫、化膿、感染、眼瞼外反など

【施術の内容】裏ハムラ法
【施術期間および回数の目安】通常1回 ※状態によって異なります。
【費用相場】1回約¥300,000~¥500,000程度 ※各クリニックによって異なります。本施術は自由診療(保険外適用)です。
【リスク・副作用等】感染症、目の下の凹み、神経障害、術後の腫れや内出血など

【施術の内容】経結膜脱脂法
【施術期間および回数の目安】通常1回 ※状態によって異なります。
【費用相場】1回約¥150,000~¥400,000程度 ※各クリニックによって異なります。本施術は自由診療(保険外適用)です。
【リスク・副作用等】腫れ、痛み、内出血、結膜出血など

【施術の内容】脂肪注入
【施術期間および回数の目安】通常1回 ※状態によって異なります。
【費用相場】¥60,000~¥2,000,000程度 ※各クリニックによって異なります。本施術は自由診療(保険外適用)です。
【リスク・副作用等】術後の内出血、浮腫み、硬縮(皮膚のツッパリ感)、疼痛など
【未承認機器に関する注意事項について】
・本施術には、日本国内において薬事承認を受けていない未承認の医療機器を使用する場合があります。
・施術に用いる医療機器は、医師の判断のもと、個人輸入手続きが行われています。詳細は厚生労働省の「個人輸入における注意すべき医薬品等に関する情報」をご確認ください。
https://www.yakubutsu.mhlw.go.jp/individualimport/purchase/index.html
・薬事承認を取得した製品を除き、同一性能を有する他の国内承認医療機器は存在しない場合があります。
・重大なリスクや副作用が明らかになっていない可能性があります。
・万が一重篤な副作用が出た場合は、国の救済制度(医薬品副作用被害救済制度)の対象外となる場合があります。