まとまった休みがとれるGWやお盆は、人知れず美容医療を受けられるチャンス。とくに、術後のダメージが回復するまでの“ダウンタイム”が必要な外科手術系メニューを検討する方も多いのではないでしょうか。今回は、理想の輪郭・体型を目指せる「脂肪吸引」のダウンタイムを部位別に解説し、「何日休みをとればいい?」「バレないためのコツは?」といった疑問にお答えします。
INDEX
1.脂肪吸引のダウンタイムとは?長期休暇にこそ適した理由
食事制限やジム通いなどをしなくても、気になる部位の部分痩せや引き締まったボディラインを目指せる脂肪吸引。1回の手術で高い効果を得られるぶん体への負担は大きく、美容医療メニューの中でもダウンタイムは長めです。
【PICK UPコラム】脂肪吸引とは 脂肪吸引は、麻酔をかけた後、希望する部位にメスで小さな穴を開けてカニューレ(吸引管)を挿入。陰圧をかける器具を使い、余分な皮下脂肪を吸い取る施術。脂肪吸引を行う医師は、理想とする細さやラインを実現できるよう微調整しながら吸引する技術とセンスが必要です。 ダウンタイムは脂肪組織が回復する過程で必ず現れますが、期間や症状の程度は、吸引量が多いほど長く・強く出やすく、医師の技量によってもある程度左右されます。 |
脂肪吸引のダウンタイムには何が起きる?
ここからは、脂肪吸引後に体に起こるダウンタイム症状を解説します。
症状の出現から消失する時期についてはクリニックによって見解が異なるほか、体質による個人差もあるため、あくまで傾向として参考にしてくださいね。
傷痕(手術直後から)
切開によって、カニューレ挿入のための穴を開ける際に傷痕ができます。傷の大きさは部位によって異なりますが、大体2~5mmの範囲内。傷は時間の経過とともに消えるうえ、二の腕の場合は肘、顎下の場合は耳の裏と顎の裏など、できる限り目立たない位置に傷をつくるよう配慮するクリニックが多くみられます。
腫れ・痛み(手術直後・当日から約1~2週間)
手術直後から腫れの症状が現れるとともに、麻酔が切れるタイミングで強い筋肉痛に似た痛みが出現。腫れ・痛みのピークは数日で、1~2週間かけて徐々に和らぎます。
むくみ(手術当日・翌日から約1~2週間)
むくみは、皮下脂肪を除去してできた空間に体液が溜まることが原因で起こる症状。むくみによって一時的に太ったように感じられますが、落ち着くとすっきりとした仕上がりを実感できます。
内出血(手術翌日から約1~2週間)
脂肪吸引中に血管外に出た血液が皮膚近くに移動することで、内出血(あざ)が生じます。吸引量が多い部位ほど内出血は濃く・大きく現れ、見た目のインパクトは強いものの、徐々に黄色味を帯びていき消失します。
拘縮(手術後1~3週間頃から約3~6ヶ月)
拘縮(こうしゅく)は、皮膚表面が硬くデコボコとした質感になるほか、引きつれやつっぱり感が起こる症状。痛みや内出血が落ち着いてくる頃、皮下脂肪を除去してできた空間の組織が修復される過程で起こります。拘縮が消失すれば脂肪吸引の完成です。
クリニックのダウンタイム軽減への取り組み
脂肪吸引後は一定期間、フェイスバンドやサポーターなどを用いた圧迫固定を行います。圧迫器具は服や帽子、マスクなどで隠す必要はありますが、圧迫固定を行うことによりダウンタイムの各症状を緩和し、回復を早めることが可能。
また術後の処置の工夫として、傷口を手術当日ではなく翌日に縫合する「翌日縫合」という方法をとるクリニックも。縫合のために翌日再来院する必要はありますが、手術当日に一晩かけて傷口から麻酔液が吸収シートに排出されることで、腫れや内出血の軽減が見込めます。
脂肪吸引するなら連休中が最適!?ダウンタイムを考慮したスケジュールの組み方
「周りにバレないように脂肪吸引を受けたい」「ダウンタイム期間は家でできるだけ安静に過ごしたい」とお考えの場合、やはりGWやお盆、年末年始といった長期連休がとれる時期が絶好のタイミングになるでしょう。
例えば7~9日程度の長期連休だとしたら、連休初日に脂肪吸引を受けた場合、痛みや腫れで動きがぎこちなくなりやすい数日から1週間の期間を自分のペースでゆったり過ごせます。1~2週間程度続く内出血やむくみも、連休中は人の目をさほど気にせずに過ごせるでしょう。(家族やパートナーと住んでいてバレたくない場合、着替えや入浴の際に患部を見られないようにお気をつけください)
さらに寒い季節に脂肪吸引を受けるメリットとして、圧迫固定のためのサポーターやガードルをアウターやタイツなどで隠しやすく、汗によって蒸れにくいことも挙げられます。
2025年のGWは、カレンダー通りの休みであれば5月3日(土)〜6日(火)の4連休です。
また、お盆休みは例年8月13日~15日、または16日までの3~4連休が一般的。いずれも年末年始に比べると短い日数ですが、痛みのピークを迎える施術当日~3日程度は、休みを利用して無理なく過ごすことができるでしょう。
ただし、複数箇所の多くの量の脂肪吸引を受ける場合、術後1週間程度、安静に過ごすことを推奨するクリニックが多くみられます。その場合、可能であれば有給休暇を組み合わせて、長めの連休をとることをおすすめします。
脂肪吸引に必要な通院回数は、術前カウンセリング・施術当日・縫合(翌日縫合の場合)・抜糸・その他アフターケアを含めると、平均4~5回です。担当医師に仕事やプライベートの予定も含めて相談し、無理なく通院できるようにスケジュールを組んでみてくださいね。
2.部位別ダウンタイムの目安と特徴 – あなたに合った脂肪吸引を選ぶために
脂肪吸引は施術範囲が部分的であっても、術後数日はお休みをとって無理なく過ごすのがおすすめ。しかし、「まとまった休みをとるのが難しい」という方も多いでしょう。ここでは脂肪吸引の部位別に、ダウンタイムの特徴や圧迫固定が必要な期間、最短での仕事復帰時期の目安をご紹介します。
腹部の脂肪吸引│美しいボディラインをつくれる分、ダウンタイムは長め
腹部の脂肪吸引と一口にいっても、アプローチする部位はさまざま。アンダーバスト~上腹部~下腹部~ウエスト~腰と範囲が広いため、術後は大きな変化が期待できます。しかしその分、ダウンタイムは長く、強く出る傾向です。
〈圧迫固定の期間・仕事復帰の時期〉
腹部の圧迫固定期間は約1週間。ボディスーツと呼ばれる圧迫着を着用するケースがみられます。仕事復帰はデスクワークの場合、最短で翌日~翌々日。営業職や接客業など体をよく動かす職業の場合は、少なくとも2~3日のお休みをとると安心です。
太もも・ヒップの脂肪吸引│美脚を目指せる部位!ダウンタイム中は歩行に影響あり
太もも・ヒップの脂肪吸引は、吸引範囲が広く吸引量も多いため、痛みがとくに強く出る傾向です。体の動きにも影響が出やすいですが、無理のない範囲で体を動かすことで回復が早まります。
〈圧迫固定の期間 ・仕事復帰の時期〉
太もも・ヒップの場合、ガードルによる圧迫固定を約1週間行います。
仕事復帰はデスクワークの場合、早い方で翌日または翌々日には可能です。しかし階段の上り下りや、走ったりかがんだりした際に痛みが強まり、普段よりも動きづらくなります。営業職や接客業など、体を動かすことの多い方は施術後2~5日程度、デスクワークの方も念のため1~2日程度、お休みをとると安心です。
顔・あご周りの脂肪吸引│ダウンタイムは他部位に比べて短め!洗練された小顔に
顔・あご周りは腹部や太ももに比べて吸引量や範囲が少ないため、ダウンタイムは軽度ですが、施術当日は腫れが目立ちやすいでしょう。隠しづらい部位ですが、帽子・マスク・マフラー・眼鏡など、小物使いで工夫しながらダウンタイムを乗り切る方が多いようです。
〈圧迫固定の期間 ・仕事復帰の時期〉
顔・あご周りの脂肪吸引後は、フェイスバンドを使った圧迫固定を3日~1週間程度行います。
クリニックの方針によりますが、施術当日は終日フェイスバンドを着用し、翌日以降は家にいる間だけの着用で良いとするケースが多くみられます。そのため、早い方で施術翌日からの仕事復帰が可能。腫れやむくみがある程度引いてから復帰したい方は、3日程度お休みをとると安心です。
▽脂肪吸引後のフェイスバンドはなぜ必要?くわしくはこちらをチェック
二の腕の脂肪吸引│軽度のダウンタイムで初心者にも人気!
初めての脂肪吸引は二の腕という方も多い人気の部位です。
二の腕の吸引範囲は、内側(いわゆる振袖部分)、外側(肩につながる部分)、もしくは全周などさまざま。医師は患者の理想の仕上がりや状態に合わせて吸引範囲を見極めます。いずれにしても腹部・太ももに比べると吸引量・範囲は少なく、比較的短いダウンタイム期間で高い引き締め効果が期待できます。
〈圧迫固定の期間 ・仕事復帰の時期〉
二の腕は1~2週間程度、包帯やボレロのような形状のサポーターを使い圧迫固定を行います。二の腕は服で自然に隠せるため、職場はもちろん家族にもバレにくいという声も。
痛みは腕を動かした際に強く出ますが、早い方で翌日~翌々日には仕事復帰が可能です。ただし、重いものを持ち上げる動作が多いお仕事の場合は、施術後数日はお休みをとることをおすすめします。
脂肪吸引後の仕事復帰は医師とよく相談しよう
脂肪吸引後のダウンタイムを軽くするための取り組みに注力するクリニックも多く、ご紹介したように仕事内容によっては翌日の仕事復帰も不可能ではないでしょう。しかし、無理をすると腫れや痛みが悪化する可能性があります。医師とも相談して、少しずつ普段の生活に戻れるようなスケジュールを組むよう心がけてくださいね。
3.【体験談あり】脂肪吸引のダウンタイムを快適に過ごすためのポイント
脂肪吸引後のダウンタイム症状に「大変そう……」と不安を感じる方も多いでしょう。ここからは、脂肪吸引のダウンタイムとうまく付き合い、快適に過ごすためにできることをご紹介。SNS上にみられたリアルな声もチェックしてください。
ペットシーツ・冷却シートの活用
ダウンタイムを軽減する「翌日縫合」の場合、施術当日は傷口から麻酔液やリンパ液などのむくみの原因となる液体が排出されます。就寝時には、ベッドにペットシーツを敷いておくと安心して休めるでしょう。SNSでは、「失禁用シーツが吸収力抜群で役立った」という声もみられました。
また腫れや内出血の症状は、患部を適度に冷やすことで緩和につながります。冷却シートや氷のうを準備しておくと良いでしょう。
早期回復のための生活習慣を心がける
脂肪吸引後は圧迫固定でむくみを抑えますが、加えて温かい食べ物・飲み物をとるようにしたり、術後1週間後には湯船にゆっくり浸かったりと、体を温めることを意識するとむくみの早期軽減につながるでしょう。また、十分に睡眠時間を確保することや、栄養バランスを意識した食事をとることも体の回復を助けることにつながります。
SNSでは、「顔の脂肪吸引後は口が開けづらかったから、非常用に保管していたおかゆのレトルトパックが役立った」という声がみられました。
彼バレ・夫バレ対策は必要?
脂肪吸引に対してネガティブなイメージを持つ男性もいるでしょう。ダウンタイム中は、パートナーに脂肪吸引がバレやすい状況になりそうですが、意外にもSNSでは「施術後2週間、患部を見られないように気をつけたら大丈夫だった」という声や「顔の脂肪吸引は旦那に気づかれなかった!」という“バレなかった”という声がみられました。
また、夫に顎下の脂肪吸引を受けて顔が腫れていることを伝えたら「ダウンタイム明けにもっときれいになるのが楽しみ!」とポジティブな反応が返ってきたという声も。
パートナーのタイプによっては正直に伝えることで、ダウンタイムをより前向きに乗り越えられるかもしれませんね。
まとめ
長期休暇は回復のための時間を確保しやすく、大がかりな脂肪吸引の施術にもトライしやすいタイミング。一方、「休日でも家事や育児で安静にできない……」という方の場合、比較的短いダウンタイムで気になる部位のボリュームダウンを図れる「脂肪溶解注射」や「ボトックス注射」といった注入系のメニューも検討してみてはいかがでしょうか。生活スタイルや予算、お悩みに合った美容医療で自分らしい美しさを手に入れましょう。
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