傷跡修正の種類とは?どんな治療法が適しているのかを把握しよう

傷跡修正の種類とは?どんな治療法が適しているのかを把握しよう

傷跡修正の施術には、どのような種類があるのかをご紹介します。また、それぞれの治療法に向いている傷の種類や注意点、よくある疑問などについてもまとめました。怪我や手術などによってできた傷跡を、できるだけ目立たなくしたいと考える方もいるでしょう。しかし、具体的な方法が分からず、治療に一歩踏み出せずにいませんか?今回の記事を参考に傷跡修正への理解を深め、治療にトライしてみください。

1.メスなしでできる傷跡修正ならレーザー治療

出典:photoAC

メスなしで傷跡治療をしたい方にぴったりな方法が、レーザー治療です。どのような治療法なのか、詳しくチェックしていきましょう。

■傷跡修正に用いるレーザー治療とは

レーザー治療は脱毛や顔のシミ取りなどに用いられますが、傷跡修正の治療法としても代表的です。傷跡部分にレーザーを照射し、患部を目立たなくしていきます。凹凸のある傷跡にはフラクショナルレーザーや炭酸ガス(CO2)レーザーが、傷跡部分の赤みが気になる場合はYAGレーザーがといったように、レーザーの種類を使い分けることでさまざまな傷跡にアプローチ可能。つまり、幅広い傷跡に対応できる治療法なのです。メスを使わないことから体への負担も少なく、日常生活への影響も抑えられます。そのため、顔の傷跡修正にも重宝する治療法です。

■レーザー治療はどのような傷跡に向いている?

傷跡修正を目的としたレーザー治療では、やけどや外傷、手術などによってできた傷を目立たなくする際に向いています。レーザーの種類によっては、傷跡の凹凸だけでなく、赤みや色素沈着の改善を目指すことも可能です。ほかにも、ダーマペンを使うこともあるニキビ跡改善にも、レーザー治療が用いられることがあります。
レーザー治療はメスを使用せずに施術できることから、外科的な治療に抵抗がある方に向いている治療法です。施術の前に麻酔を使用することも多く、痛みが心配な場合でも比較的トライしやすいでしょう。

レーザー治療は、複数回に分けて施術を実施し、少しずつ治療を行います。傷跡の状態やレーザーの種類などによっても異なりますが、およそ2~8週間前後の間隔を開け、5回以上の施術を受けるのが一般的です。ただし、組織を焼くことで傷跡修正を行う炭酸ガスレーザーの治療は、1回で施術が完了することもあります。

■レーザー治療で気をつけたいこと

傷跡修正のレーザー治療では、施術後に赤みや炎症後色素沈着、水ぶくれといった副作用が現れることがあります。こういった副作用は基本的に一時的なものであるため、徐々に落ち着いてくることがほとんどです。

一般的なダウンタイムは、1~2週間程度。施術後には、患部のダメージ回復をサポートするために、日焼け対策と保湿を行いましょう。治療後1週間程度は、ステロイド軟膏で患部を保護します。施術後のケア方法については、クリニックによって方針が違う場合もあるため、医師の指示に従ってください。

2.手術なしで傷跡修正するならステロイド注射

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続いてご紹介する傷跡修正は、ステロイド(トリアムシノロンアセトニド(ケナコルト))注射を用いた治療法です。治療の概要や向いている傷跡、注意点などをまとめました。

■傷跡修正に用いるステロイド注射とは

ステロイド注射は、傷跡部分にステロイド剤を含む製剤を注入し、傷跡を目立たなくする治療法です。レーザー治療同様にメスを使用することなく注射によって短時間で施術できるため、トライしやすい方法。手術などによってできた傷跡が回復していく過程で線維芽組織が過剰に作られ発生する、赤みを伴った傷跡「ケロイド」の改善にも重宝します。

■ステロイド注射での治療はどのような傷跡に向いている?

ステロイド注射は、ケロイドを含む、赤みや盛り上がりのある傷跡に向いている治療法です。ステロイドには、繊維芽細胞を抑制する働きや抗炎症作用、血管収縮作用などが期待できるため、赤みが目立つ傷跡や傷跡にかゆみがある場合にも適しています。1度での劇的な変化は感じられないことがほとんどで、1ヶ月に1回程度、3~5回程度繰り返し施術を行うのが一般的です。

■ステロイド注射での治療で気をつけたいこと

ステロイド注射は、ときに効果が強すぎることで、傷跡やその周辺部分がくぼむ、血管拡張がおこるといった場合もあるため、注入量や施術回数を医師としっかり相談しましょう。また、製剤を注入する際に痛みを感じることがあるため、局所麻酔を混ぜる、製剤を冷やしてから治療するといった工夫をしているクリニックもあります。痛みが心配な場合は、事前にクリニックに相談しましょう。

ステロイド注射は注射器よる治療法であるため、施術後には赤みや内出血といった副作用が現れる場合があります。個人差はありますが、赤みは数時間程度で、内出血は1~2週間程度で消失することがほとんどです。施術2週間前~術後最低1ヶ月程度は、血流循環を悪くする喫煙を控えることも覚えておきたい注意点です。喫煙は、傷の治りが悪くなる、感染症を引き起こすといったリスクがあります。

3.少ない治療回数で傷跡修正するなら切除法

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ここでは、傷跡修正の治療法の1つ、切除法についてチェックしていきましょう。

■傷跡修正に用いる切除法とは

傷跡部分を切り取って縫い合わせる傷跡修正の治療を、切除法といいます。縫合した跡が残りますが、ほとんどの場合1度で傷跡を取り除くことができる点が大きな特徴です。小さな傷をはじめ、広範囲にわたって広がる傷跡修正にも用いることが可能。ただし、傷が大きすぎる場合には、複数回に分けて治療を行う場合もあります。切除術を受けたあと、1週間~10日程度経過して患部が落ち着いてきたら抜糸を行うのが基本的な流れです。

こういった外科的な治療法の中には、脂肪吸引を行い傷跡部分に脂肪注入することで傷跡修正を行う治療法もあります。

■切除法はどのような傷跡に向いている?

事故や手術などでできた顔を含む体の傷跡やニキビ跡、リストカットや火傷の傷跡などを修正する場合に向いている方法です。また、帝王切開の傷跡によくある、傷周辺の皮膚が引っ張られて固くなっていう状態のひきつれを改善したい場合にも向いています。切除法では、ケロイドになっている部分を伸ばし、緊張を取り除いてから縫合するのが基本。そのため、ひきつれが軽減するのはもちろん、見た目の改善も期待できる治療法です。

■切除法での治療で気をつけたいこと

切除法はメスを使用するため、施術後に細菌の繁殖を防ぐ目的で医療用テープやガーゼを用いて患部を保護します。入浴などでテープやガーゼが濡れてしまった場合は、取り替えましょう。また、施術後の色素沈着を避けるため、紫外線対策を取り入れることが大切です。日焼け止めなどは直接患部に塗布できないため、洋服などでカバーしましょう。切除術後は、患部にかゆみを感じることがありますが、これは傷が回復している過程のため、触らないようにしてください。傷が目立たなくなるには、最低でも半年以上かかることも覚えておきたいポイントです。

抜糸までのおよそ2週間前後は、激しい運動を控えるのが基本です。ただしクリニックによって方針が異なることもあるため、医師の指示に従ってください。

4.傷跡修正に関するよくある疑問

最後に、傷跡修正に関するよくある疑問の回答をまとめました。

■傷跡修正は保険適用になる?

傷跡によって社会生活に支障をきたす場合には、保険が適用されます。一方で、医学的に問題はなく日常生活に支障はないが、見た目が気になる場合保険は適応外です。一般的に美容外科での治療は保険適応外になることを頭に入れておきましょう。

■傷跡修正の治療で完全にきれいになる?

傷跡修正の治療は、傷跡を完全に消す施術ではありません。あくまで目立たなくするということを目的としていることを理解しておきましょう。

■傷跡修正の治療開始のタイミングは?

傷跡修正は、傷を負ってからすぐに治療開始できないことがほとんどです。傷を負ってから最低3ヶ月は空けて行うのが目安。傷跡修正の治療を検討している方は、傷跡の状態を医師に確認してもらい、適切な治療開始時期を見極めてもらいましょう。

まとめ

傷痕修正は、さまざまなタイプの傷跡や肌状態、希望にマッチした治療法を選択することが大切です。各治療法で特徴や注意点などが異なるため、まずはカウンセリングを受け、医師の指示に従って自分自身に適した傷跡修正の治療法を選択しましょう。ご紹介した内容を参考に、大体の治療法やその特徴などを把握しておくことで、治療にトライしやすくなるはずです。気になる傷跡を目立たなくして、コンプレックス解消を目指しましょう!

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