
INDEX
世界に誇る日本の美容医療を発信!「カッティングエッジ」とは?
Cutting Edge(カッティングエッジ)は、美容医療における最新の技術・知識を共有することに加えて、世界へ向けて日本の美容医療を発信する目的で開催される、美容医療にまつわる祭典です。カッティングエッジの発起人でありプロデューサーを務めるのは、「BIANCA CLINIC(ビアンカクリニック)」理事長 堀田 和亮先生、「聖心美容クリニック」銀座院 院長の牧野 陽二郎先生、「LOCHIC CLINIC GINZA(ロシッククリニック銀座)」院長の小野 准平先生の3名。若手を中心に、医師・研修医・看護師など「最新の美容医療を学びたい」という情熱的な医療従事者が集結します。
3日間にわたるカッティングエッジ、各日のテーマをチェック!
2025年2月18日~20日の3日間にわたり、これまでと同様に東京ポートシティ竹芝にて開催されたカッティングエッジⅣ・Ⅴ・Ⅵ。
今回の開催テーマは…
2/18(火)…【第4弾】Dermatology(皮膚科)
2/19(水)…【第5弾】Injection(注入治療)
2/20(木)…【第6弾】Surgery(美容外科)
Ⅳ・Ⅴ・Ⅵともに、前回までのカッティングエッジで好評を博した皮膚科領域・注入治療・美容外科手術について、最新の技術や研究成果をさらに深められるプログラム構成。各領域のトップランナーである医師が3日間ともに7~8名ずつ登壇しました。今回は2日目・【注入治療編】のレポートです。
カッティングエッジⅤ「Injection」(2025.2.19開催)当日のプログラムの全体像
カッティングエッジⅤは、美容医療で人気の注入治療がテーマ。豪華なドクター陣が全7本のセッションに登壇し、ライブや録画による注入治療をメインに、顔だけでなくボディの注入治療に関しても技術が披露されました。
今回のカッティングエッジで中日となるⅤの開催日2月19日には、セッション後に軽食やドリンクを片手に、登壇した医師・プロデューサー・アンバサダー兼ナビゲーター・参加者が交流できるGala Party(ガラパーティー)も開催。
今回も、期待以上の収穫を感じられた大充実の美容医療イベントでした!興奮冷めやらぬうちに、カッティングエッジⅤの詳細をレポートします。
注入治療のトップランナーが勢ぞろい!見逃せないセッションのハイライト
カッティングエッジⅤでは、注入治療のスペシャリストである7名の医師が登壇されました。それぞれのセッションをご紹介します。
◆下眼瞼脱脂と脂肪注入による目の下のクマ治療、並びに顔面の脂肪注入治療
水谷 和則先生|銀座みゆき通り美容外科 理事長
カッティングエッジⅤのトップバッターは、美容外科医として30年のキャリアを誇る水谷 和則先生。水谷先生は、美容外科専門クリニックで研鑽を積み、大手美容クリニックの院長を歴任した後、「銀座みゆき通り美容外科」の理事長に就任。現在も美容医療業界全体をリードし続けています。
◇注入技術とその効果
水谷先生は今回、下眼瞼脱脂術と脂肪注入治療のライブサージャリー*を行い、治療の細部までを丁寧に解説。臨場感たっぷりのライブサージャリーが進行する中、「これが本当に現実なのか?」と信じられない様子でその技術に感心する参加者の姿が印象的でした。注入量の微調整や脂肪の取り扱いに関しても、水谷先生の熟練した手際に参加者は息を呑むほど!
水谷先生が示した注入技術は、ただ目の下を改善するだけでなく、患者の目元に自然な美しさを導くもの。注入する脂肪の粒子を細かく加工し、部位に応じた最適な注入方法を選択することで、顔全体のバランスを整えるという驚くべき仕上がりが披露されました。
【水谷 和則先生の講演総括】 ✅精密な脂肪注入技術 目元の自然な仕上がりを目指し、細かい粒子の脂肪を精密に注入。 ✅顔全体のバランス 目元だけでなく、顔全体の美しさを意識した治療設計。 ✅ライブサージャリーでの学び 実際の手術を通じて、技術の細部まで直接学べる貴重な機会に。 ✅自然で安全に配慮した仕上がり 脂肪の取り過ぎや左右差を避け、仕上がりと安全性に繊細な配慮を施すアプローチ。 |
脂肪注入によってクマが見事に改善され、目元が生き生きとした印象に変わる瞬間はまさに圧巻!会場内には興奮と緊張が交錯し、手術の進行に合わせて熱心にメモを取る参加者の姿が目立ちました。セッションの最後には、水谷先生に惜しみない拍手と称賛の声が贈られました。
*ライブサージャリー…手術の生中継
▷水谷 和則先生が理事長を務める「銀座みゆき通り美容外科」公式サイトはこちら
◆Mesh scaffoldとBi-needle threadを用いたコンビネーションスレッドリフトを極める
小川 英朗先生|城本クリニック福岡院 院長
小川 英朗先生は、脳神経外科で長年培った解剖学の知識と、繊細かつ大胆な外科技術を併せ持つドクター。長年の夢だった美容外科医に転身してからは、自身の担当患者のみならず美容医療を受ける方全員を幸せにすることを目標にしています。
◇テスリフトとその効果
今回、小川先生は先端のスレッドリフト(糸リフト)技術を駆使し、Mesh Scaffold(メッシュスキャフォールド:皮膚の中でメッシュ状に広がり足場となる素材)とBi-Needle Thread(バイニードルスレッド:両端に針がついたスレッド)を組み合わせた革新的な手法を披露。会場には、注入技術や手術の臨場感を間近で学ぼうと多くの医師が集まりました。小川先生のセッションをまとめると、
1.テスリフトの特徴と効果
スレッドリフトの中で重要な役割を果たす、コグ(糸の引っかかり)。しかし、コグが大きすぎると引き上げ時に皮膚が強く引っ張られ、盛り上がりやひきつれが起こる可能性も。そのため、コグのサイズを適切に選ぶことが重要。
テスリフトのリフト力は強くないものの組織のサポートとして非常に効果的で、とくに、中顔面に注目したリフトが可能になることが解説されました。
2.テスリフトとBi-Needle Threadのコンビネーション
Bi-Needle Threadを使い、テスリフトの効果を飛躍的にアップさせる方法が紹介されました。Bi-Needle Threadの利点は、スレッドを縦方向に挿入でき、顔の自然なラインを作れること。
3.テクニックの解説
キーポイントである牽引部位と固定部位の長さを正確に設定することで、リフトアップ効果を飛躍的に高めることが期待できます。また、メインスレッドとサポートスレッドをどのように使い分けるかが、仕上がりに大きな影響を与えることが解説されました。
小川先生は、スレッドリフトを単なるリフト術にとどまらず、顔の自然な輪郭を引き出すための芸術的な治療法として解説。その技術に多くの参加者が魅了されました。
【小川 英朗先生の講演総括】 ✅テスリフトの特徴と効果 コグのサイズや配置を適切に選ぶことにより、リフト力が飛躍的にアップ。 ✅テスリフトとBi-Needle Threadを使った挿入法 縦方向にスレッドを挿入し、顔の自然なラインを引き出す。 ✅メインスレッドとサポートスレッドの使い分け 適切なバランスでリフトアップ効果を強化。 ✅術後のケアと検診 フェイスバンド装着と定期的な検診で効果を持続。 ✅ライブサージャリーで学べる実践的な技術 実際の手術を通じて、手技と効果をリアルタイムで学べる貴重な機会に。 |
スレッドリフトの繊細な手技と、手術後の効果的なケアがどのように相乗効果を生むのかを目の当たりにし、その後の質疑応答では多くの質問が飛び交うことに!
「スレッドリフトの新たな可能性とその活用方法に対する理解が深まった!」と多くの参加者が確信させられるセッションでした。
▷小川 英朗先生が院長を務める「城本クリニック」福岡院公式サイトはこちら
◆『グランメゾン白壁』~フェイスリフト外科医が贈る、解剖学に基づいたpetitな一皿
白壁 聖亜先生|サフォクリニック 副院長
白壁 聖亜先生は、お父さまでサフォクリニック 理事長/院長の白壁 征夫先生とともにフェイスリフトの技術を磨き続け、業界をリードするドクター。ご自身で「三度の飯より、フェイスリフトが好き」と語るほど、フェイスリフトに情熱を注いでいます。
◇美とは?絶対的自信を引き出す治療法
白壁先生のセッションでは、フェイスリフトの手術法と注入治療を融合させ、顔の自然な美しさを追求するアプローチが紹介されました。白壁先生は、施術後に患者の中顔面のボリュームが上がり、唇や鼻の形もきれいに整った症例を紹介。患者からは「家族に美しくなったと言われた」と喜ばれる結果に。この症例では、フェイスリフトと脂肪注入のコンビネーションにより自然な美しさを引き出せることが証明されました。
1.フェイスリフトの歴史と技術
フェイスリフトにおけるディーププレーンフェイスリフトやSMAS(筋膜)リフトの基本技術を紹介。フェイスリフトの方法にはいくつかのバリエーションがあり、それぞれがたるみや老化にアプローチする異なる手法を持ちます。とくに注目すべきは、筋肉の拘縮や部分的な脂肪の萎縮、骨の萎縮に対する治療法の組み合わせ。
<たるみの原因と治療法>
筋肉の拘縮・脂肪の萎縮(とくにこめかみや頬)・骨の萎縮・リガメントの緩み
⇒これらの要因を徹底的にアセスメントし、どこでたるみが発生しているのかを正確に見極めてから施術を進めることが大切。
2.ヒアルロン酸製剤と脂肪注入の活用
白壁先生は、ミリファット・マイクロファット・ナノファットの使い分けに触れ、それぞれの粒子サイズが異なる部位にどのような影響を与えるかについて解説。ボリュームを決めるためにファットインジェクションマップを使用し、たるみを解消しつつ自然な仕上がりを目指します。
また、ヒアルロン酸製剤は脂肪注入の代替として使われ、患者に合わせて適した製剤を選択する方法を実演しました。
<頬や顎へのヒアルロン酸注入>
ヒアルロン酸製剤を少しずつ注入しながら、ボリューマ1本で自然にボリュームアップ。注入量は調整しながら自然に仕上げるのがコツ。
<鼻のデザインとリップ注入>
鼻の形を整えるために眉頭から鼻翼までのラインを描き、0.1~0.2ccのヒアルロン酸製剤を注入して鼻尖部を整えます。
リップ注入では、V字の線を作るイメージで唇の左右に注入を行い、少しずつ整えることがポイント。
【白壁 聖亜先生の講演総括】 ✅フェイスリフトと注入治療は絶対的な自信を引き出す治療法 美容医療において、患者の自信を引き出すことが最も重要な目的であることを強調。 ✅ファットインジェクションとヒアルロン酸製剤の使い分け 部位に合わせて、ミリファット・マイクロファット・ナノファットを適切に使い分ける。 ✅患者のアセスメントとデザイン 顔全体のバランスを考慮し、たるみや凹みの原因を考慮した治療計画を立てる。 ✅MDコード*と解剖学に基づいた治療法 解剖学に基づいたアプローチを行い、必要に応じてMDコードを補完的に活用する。 ✅術後の効果と患者の満足度 中顔面や唇、鼻の形が美しく整い、患者の満足度が高い結果に。 |
*MDコード…顔への注入治療における、各部位への注入位置・量・深さに関する指標
白壁先生はライブ手術を始める前に、まず顔の特徴を徹底的にアセスメントし、たるみの強い部位や凹みを正確にマーキングされていました。とくに、顔に左右差がある場合には頬骨の高さや顎のラインを慎重に分析し、その患者に適した治療を提案しているとのこと。
会場は、白壁先生の緻密な技術を学ぼうとする参加者の熱気であふれていました。
▷白壁 聖亜先生が副院長を務める「サフォクリニック」公式サイトはこちら
◆トータルヒアルロン酸注入
奥村 智子先生|ルクスクリニック 院長
奥村 智子先生は、世界の医療技術について見識の深い美容外科医。生涯にわたる美のパートナーとなることを目指す奥村先生の診療スタイルは、必要な治療と不要な治療を明確に伝えるスタイル。患者からの信頼が厚いドクターの1人です。
◇注入手技と使用する製剤
今回のセッションで、奥村先生はヒアルロン酸製剤を使ったトータル注入治療について、具体的な手技と患者へのアプローチを実演!そのライブサージャリーは、参加者にとって治療の流れや注意点を実践的に学べる貴重な機会となりました。
1.量と部位に合わせた製剤選択
各部位に最適なヒアルロン酸製剤を選ぶ方法を解説。額には2〜3cc、こめかみには1ccのヒアルロン酸製剤を注入し、こめかみのくぼみが強い患者には注入量を増やす必要があるとのこと。
2. 使用する製剤の特徴と使い分け
ニュービアやエランセなど、異なるヒアルロン酸製剤を部位ごとに使い分け。長期的に皮膚にハリをもたらす効果が期待できる製剤や、粘稠度が高く鼻部に最適な製剤について解説がありました。そのほか、海外では主流になりつつあるスカルプトラにも触れ、今後日本でも使用される可能性が高いことを示唆しました。
3.注入治療の実演でのポイント
■鼻部の注入
ニュービアを使って、鼻部の注入を実演。とくに注目すべきは、鼻背動脈への配慮とその部位における注入の慎重なアプローチ。22Gのカニューレを使用し、スムーズに注入を行うことがポイント。
■額・頬・こめかみの注入
額や頬には、通常の注入に加えてコントゥアリング(輪郭の補正)を意識し、顔のバランスを考慮して注入することが大切。こめかみの注入では、浅側頭動脈にヒットしないよう注意しながら、皮下にしっかりとヒアルロン酸製剤を注入すること。
■注入量の調整
たるみの強い部分には、ボーラス注入(短時間で製剤を注入すること)を行い、リフトアップ効果を引き出す。顔全体のバランスを見ながら少しずつ調整し、自然で美しい仕上がりを目指す。
【奥村 智子先生の講演総括】 ✅アセスメントシートの活用 患者との情報共有を大切にし、治療内容を透明にする。 ✅麻酔の適切な使用 注入部位に局所麻酔を使い、患者の快適さを保ちながら治療を進行。 ✅部位別に適切な製剤を選択 額・こめかみ・鼻など、部位ごとの特性に応じた製剤を使い分ける。 ✅慎重な注入技術 血管や神経への配慮を怠らず、均等で美しい仕上がりを目指す。 ✅患者の状態に応じた治療 リフトアップ効果だけでなく、脂肪注入やヒアルロン酸注入を駆使して顔全体のバランスを整える。 |
奥村先生は注入治療を行う前にアセスメントシートを用いて治療部位の状態を数値化し、それを患者と共有して治療内容の理解を深めることの重要性を解説!患者が快適に治療を受けられるよう注入前に麻酔クリームを使用し、必要に応じて局所麻酔を追加していることも解説されていました。
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◆スレッドリフト×注入治療~コンビネーションで叶える黄金バランス~
先山 史先生|ふみビューティークリニック梅田 院長
先山 史先生は、形成外科医として10年間のキャリアを積んだ後に美容皮膚科医となったドクター。自身のクリニック開業後は、患者がより自分らしく、美しく年齢を重ねられる“beautiful aging”を目標に設定。先山先生自身が「受けたい!続けたい!」と思える治療を提案しています。
◇スレッドリフトと注入治療の融合
今回のセッションで、先山先生は顔の輪郭を整えるためにスレッドリフト(糸リフト)を用いて輪郭を引き締め、顔が左右非対称の悩みにアプローチする方法を解説。特筆すべきは、OGカーブ(顔の自然な曲線)を改善するためにスレッドリフトと注入治療を組み合わせることで、黄金バランスを実現する手法です。
スレッドリフトで改善が難しい部分(たるみの根本原因)には、注入治療やほかの治療を併用することでより自然で効果的な仕上がりが期待できるそう。先山先生が提唱するコンビネーション治療による特徴は以下のとおりです。
◇スレッドリフト×ヒアルロン酸製剤
スレッドリフトと組み合わせるヒアルロン酸製剤の代表的な注入部位は、側頭部・頬内側部・下顎部・額・鼻翼基部・口唇部。たるみやボリュームロスを補うことで、年齢に応じた自然なエイジングケアが期待できるとのこと。
◇スレッドリフト×ボツリヌストキシン製剤
■咬筋の肥大に対するアプローチ
実際の症例で、脂肪のボリュームと咬筋の肥大の診断を行った後、ボツリヌストキシン製剤を併用することが決定。咬筋が肥大している場合、ボツリヌストキシン製剤の注入治療とスレッドリフトを併用することで顔の形を引き締める効果が期待できるそう。
ネックリフトとの併用も実演され、バイニードルを使うことで顔のたるみをしっかりと引き上げる手法が示されました。
■顎裏のたるみ改善
とくに顎裏のたるみが強い患者には、バイニードルやアンカーDXダブルを使用し、4本挿入する場合もあることを紹介。こちらの方法は引っ掛かりが強いため、安定したリフトアップ効果を実現。持続力の良さと、患者の満足度の向上が感じられるとのこと。
◇スレッドリフト×脂肪溶解・高周波治療
スレッドリフトを行う前に、高周波(RF)を用いた新世代脂肪溶解マシンのミニFX(頬~フェイスライン・顎下などの顔や狭い部位に対応)を使って脂肪のボリュームを調整する方法を紹介。3D写真で脂肪のボリュームが減っていることを確認できるため、脂肪溶解治療の前後で顔の輪郭がどれだけ改善されたかが視覚的に分かりやすいそう。
◇スレッドリフト×ECM(細胞外マトリックス)製剤
■アプトスヴィサージェエクセレンス
スレッドリフトのパイオニア・米国アプトス社の第3世代スレッドについて紹介。1本のスレッドで2~数本分の走行をたどり、引き上げ力・持続力に優れ、ヒアルロン酸コーティングされていることなどが特徴。
アプトスヴィサージェエクセレンスを使った小ジワ改善に言及し、たるんでいない患者でも効果が得られることを実演。とくに、真皮直下の層に注入することで、肌質改善やリフトアップ効果が期待できる。
ヒアルロン酸製剤でコーティングされたアプトスヴィサージェエクセレンスは、リカバリーを最小限にし、ディンブリング(糸の痕)を避けるために適した治療法とのこと。
【先山 史先生の講演総括】 ✅糸の種類と素材の理解 スレッドリフトの効果を飛躍的に高めるために、糸の特徴や持続期間を理解し、使い分ける。 ✅注入治療との組み合わせ 顔全体のバランスを考慮し、スレッドリフトとヒアルロン酸注入を併用することで、自然で立体感のある仕上がりを実現。 ✅たるみの原因に合わせた治療法 たるみやボリュームロスに合わせて、スレッドリフトとほかの治療法を組み合わせる。 ✅患者に合わせたアプローチ ボリュームロスやたるみの度合いに応じた治療計画を立て、理想的な顔の輪郭を作り上げる。 |
先山先生は、糸の種類・素材について、またスレッドリフトと組み合わせる製剤の代表的な注入部位についても徹底解説。先山先生が担当した患者の顔が施術後はひと回り小さく見えるほど劇的に変化していて、会場ではどよめきが起こりました。
▷先山 史先生が院長を務める「ふみビューティークリニック梅田」の公式サイトはこちら
◆ヒップのテスリフト~糸で美尻を作る時代へ~
渕之上 祐子先生|ルクスクリニック
渕之上 祐子先生は、日本形成外科学会認定 形成外科専門医。長年勤務していた大学病院の形成外科では、顔面外傷・眼瞼下垂・乳癌切除後の乳房再建・熱傷など多くの症例を経験してきました。2023年からは今回のアンバサダー兼ナビゲーターである奥村先生が院長を務める「ルクスクリニック」に入職。診療では、長年培ってきた知識や技術を存分に発揮しています。
◇テスリフトを活用した美尻形成
今回のセッションでは、ヒップの形を理想的に整える新たなアプローチとして、スレッドリフトを用いたヒップの引き上げを紹介。従来、日本では「お尻の形はトレーニングで作るもの」という考えが一般的でしたが、渕之上先生はヒップの形もスレッドリフトで理想的に整えられることを解説しました。
1.テスリフトのメカニズム
特殊な3Dメッシュ構造を持つテスリフトは、施術後半年以降に溶解しながらコラーゲンを生成する仕組みを持ちます。この特性を生かし、ヒップの形をナチュラルに引き上げることが可能という説明がありました。
また、顔へのテスリフトとは異なりヒップの場合は皮下脂肪が厚いため、ヒップへのテスリフトはより安定したリフトアップ効果が期待できるそう。
2.スレッドリフトの施術ポイント
- 腸骨稜*の高さを目安に糸を挿入
- 脂肪層の中間にある浅筋膜のレイヤーで挿入することで、自然な引き上げを実現
- 座った時に引っ掛かりが生じないよう、高い位置で施術を行う
*腸骨稜(ちょうこつりょう)…骨盤の骨の1つである腸骨の上辺で、骨盤の丸みを形作る部分
3.術後管理
- 弾性テープを使用する場合は、皮膚のかぶれや水疱に注意
- 座る際の負荷を抑えるため、クッションを活用
- 適度な運動は推奨されるが、過度なトレーニングは一時的に控える
【渕之上 祐子先生の講演総括】 ✅テスリフト活用 3Dメッシュ構造によるコラーゲン増生で、長期間のリフトアップ効果を実現。 ✅腸骨稜を目安に挿入 自然なヒップラインを作るため、脂肪層の中間にある浅筋膜へ挿入。 ✅症例ごとの適応を見極める 筋トレをしている患者に効果が限られるが、適応がある患者には即時効果が期待できる。 ✅術後の管理 弾性テープによる皮膚トラブルを防ぎ、適切なケアを行うことでダウンタイムを抑える。 ✅脂肪吸引との併用も検討可能 将来的に脂肪吸引と組み合わせることで、さらなる改善が期待される。 |
会場の参加者からは、ヒップのたるんだ皮膚の解消や下垂具合軽減のための新たな技術に対して高い関心が寄せられました。渕之上先生は、スレッドリフトの効果的な挿入方法について今後も検討を重ねるそう。ヒップにおけるスレッドリフト技術の進化がこれからも楽しみです!
▷渕之上 祐子先生が所属する「ルクスクリニック」公式サイトはこちら
◆”いかがわしくない”男性器の美容医療~ヒアルロン酸注入を中心に、性器形成(陰部美容)の現在地とこれからの展望~
井上 裕章先生|Veary clinic 院長
カッティングエッジⅤのトリを飾ったのは、井上 裕章先生。国立病院や大学病院の外科、美容形成クリニックなどで培った解剖学的知識や技術を生かし、脚や性器といった下半身への施術を得意とする先生です。
◇ヒアルロン酸注入による亀頭増大の実際
セッションのテーマは「ヒアルロン酸注入を中心とした男性器の美容医療」。
1. 亀頭増大のヒアルロン酸注入の特徴
【メリット】
- 主要な男性器治療である包茎手術や長茎術に比べて、比較的手軽
- リピーターが多く満足度は高い傾向
- 正しい注入技術で行えば、しこり形成・血流障害(壊死のリスク)などは少ない
【デメリット・懸念点】
- 誤った手技や知識で行うとリスクがあるため適切な手法が重要
- 陰茎のヒアルロン酸注入は効果が薄い
- 早漏治療にも用いられるが、過度な期待は禁物
2.具体的な手技
- 麻酔の方法:海綿体に注射針が到達しないよう注意して、陰茎の根本の浅い部分に局所麻酔を少しずつ打ち、もみ込んで浸透させる
※エピネフリン入りの麻酔薬は禁忌
※海綿体に打つと痛みがあるため、絶対に刺さないよう注意 - ヒアルロン酸製剤の使用量:2〜6cc程度(亀頭全体に4ccが標準)
- 使用する製剤:アラガン社製ジュビダームとボラックス。患者の希望に合わせて、質感や粘稠度が適した製剤を選択
- 効果の持続期間:約1年
【井上 裕章先生の講演総括】 ✅誠実な診療が求められる 不安を煽る広告ではなく、正しい情報提供を重視。 ✅ヒアルロン酸注入の安全性の確立 適切な手技と製剤選択により、満足度を向上させる。 ✅「コンプレックス商法」からの脱却 患者が納得した上での治療を提供することが不可欠。 ✅男性美容の新たなスタンダードの確立 誤解や偏見を払拭し、適正な医療としての地位を確立する。 |
男性美容の分野において、陰部治療はタブー視されがちな領域です。しかし、現状の課題と今後の展望について真剣に向き合い、正しい知識を広めることの重要性を強調したセッションとなりました。
▷井上 裕章先生が院長を務める「Veary clinic(ヴィアリークリニック)」の公式サイトはこちら
アンバサダーは注入治療で業界をリードする著名な医師3名!
今回のカッティングエッジⅣ・Ⅴ・Ⅵでは、3日間それぞれにアンバサダーが就任。アンバサダーはプログラム構成をメインで担当し、当日はナビゲーターも兼務。それでは、カッティングエッジⅤでアンバサダーを務めた、注入治療をリードする3名の医師を紹介します!
●奥村 智子先生|ルクスクリニック 院長
今回のカッティングエッジⅤで登壇もした、奥村 智子先生。大手美容クリニックの院長やエリアマネージャーを務めた経歴を持ち、現在は2020年に開業した「ルクスクリニック美容外科・婦人科形成・美容皮膚科」の院長。
世界の美容医療について詳しいためメディア出演や取材を受けた経験も数多く、世間からの信頼が厚いドクターです。
●平田 玲奈先生|医療法人レジュバクリニックArt Lounge Clinic理事長
平田 玲奈先生は、大学病院の形成外科や皮膚科で研鑽を積んだ後、美容医療の世界へ転身したドクター。大手美容外科クリニックでは院長経験もあり、抗加齢医学や美容婦人科における多くの症例を経験してきました。
平田先生は、2024年3月開催の第1回カッティングエッジ「Filler Symposium & Live Injection」で登壇し、首・デコルテ・手の甲への注入治療を披露しました。
●紀田 基邦先生|BIANCA技術指導医
紀田 基邦先生は、ヒアルロン酸注入の技術が高く評価されているドクター。顔全体のバランスを見ながら複数箇所にヒアルロン酸注入を行う「カスタマイズ治療」が得意。難易度が高いとされる鼻先や顎へのヒアルロン酸注入も数多く行っています。
自然なのにしっかりと変化を出す注入治療で支持を集め、予約がすぐに満席となることでも有名。2025年春に自身のクリニックを渋谷にて開業予定。
紀田 基邦先生へインタビュー
今回もGala Partyを開催!登壇者・参加者・出展企業が交流できる場
2月19日(水)のカッティングエッジⅤの講演終了後には、カッティングエッジ名物のGala Party(ガラパーティー)が開催されました。Gala Partyは登壇者も参加し、参加者との交流が行われる会です。カッティングエッジのGala Partyは、きらびやかな雰囲気の中、立食形式で食事やドリンクを楽しみながらコミュニケーションをする場。
参加者は、登壇者に医療技術のアドバイスを求めたり、他院が使用しているデバイスや製剤などの情報を質問したりできます。会場のそばには協賛企業が出展ブースを構えているため、気になるデバイスや製剤、クリニック向け化粧品などの詳細をその場ですぐにメーカーに問い合わせられる点も大きなメリット!
「注入治療がしたくなる!」明日からの診療にすぐ生かせる成果の日に
カッティングエッジⅤ「Injection」~注入治療編~の様子を臨場感たっぷりにお伝えしてきました。
カッティングエッジの目的は、「美容医療における最新の技術・知識の共有×世界へ向けた日本の美容医療の発信」です。しかし今回の取材で、ただ単に技術的な情報を提供するだけでなく、患者にとっての美しさと自信を引き出す方法を伝授してくれる貴重な場であることを再認識しました。
きっと、参加者は明日からの注入治療ですぐ実践したくなる何かをつかんだことでしょう。
さて次回は、カッティングエッジⅥ「Surgery」~外科編~のNERO公式潜入レポートをお届けします。3日目は会場でどのような化学反応が生まれたのでしょうか。どうぞお楽しみに!
▽カッティングエッジⅣ「Dermatology」~皮膚科編~のレポートはこちら
▽カッティングエッジⅥ「Surgery」~外科編~のレポートはこちら
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・化粧品やマッサージなどが記載されている場合、医師監修範囲には含まれません。