
お湯漏れを経験すると「出産してないのに……なぜ?」と疑問に思うかもしれません。
実は、お風呂上がりやプールのあとで起こるお湯漏れは、妊娠や出産をしたことがなくても生じる可能性のある現象です。
この記事では、お湯漏れが起こる原因や自宅でできるセルフケア、美容医療によるアプローチ法などについてご紹介します。
「出産してないのに、膣がゆるくなっているの?」と不安に感じている方は、ぜひ目を通してみてください。
お湯漏れとは?出産してないのに起こるのはなぜ?

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お湯漏れとは、お風呂上がりやプールに入ったあと、しばらく経って膣からお湯や水が出ることを指します。
膣のゆるみが原因で生じると考えられており、妊娠や出産をきっかけにして起こることが多い現象です。
しかし、中には出産経験のない方や、10代、20代の若い世代の方に生じることもあります。
「出産してないのに、なぜ?」と不安に思うかもしれませんが、必ずしも妊娠や出産がお湯漏れのきっかけとなるわけではありません。
また、お湯漏れに似たトラブルの1つに「ちなら(膣なら)」と呼ばれる現象があります。ちならとは、膣から空気が抜ける際におならに似た音が出てしまうこと。
ちならもお湯漏れ同様に、膣のゆるみによって引き起こされる現象です。では、膣がゆるむのには、どのような原因があるのでしょうか。ここでは、妊娠や出産以外の原因について説明します。
■運動不足
運動不足により骨盤底筋が衰えると、お湯漏れやちならを引き起こしやすくなります。
骨盤底筋とは、骨盤の底に位置する筋肉の総称です。子宮や膣、膀胱などの臓器を下から支え、排せつをコントロールする重要な役割を担っています。
骨盤底筋の筋力が低下すると、いわゆる膣の締まりが悪い状態に。これが、お湯漏れやちならの原因になるというわけです。
若い世代でも「膣がゆるい」と感じているなら、運動不足が背景にある可能性も。思いあたる方は、一度生活を見直してみると良いかもしれません。
■姿勢
姿勢が悪い方も要注意。骨盤底筋を正しく使えないため膣がゆるみやすく、お風呂上がりのお湯漏れやちならを引き起こすことがあります。
猫背や反り腰、足を組むなどが習慣になっていませんか?また、10代、20代の若い世代では、高いヒールを日常的に履くことで姿勢が崩れるケースも少なくありません。骨
盤底筋の筋力を高めるには、正しい姿勢を意識することが大切です。
■肥満
肥満は、骨盤底筋にダメージを与える要因の1つ。とくに、下腹部に脂肪が付いている方は腹圧が高く、骨盤底筋に重みがかかりやすい状態です。
そのため標準体重を大幅にオーバーしている場合は、出産経験がなくてもお湯漏れやちならに悩まされることがあります。
■腹圧
便秘や頻尿によるいきみ、頻回なくしゃみは、腹圧が高まる要因です。肥満同様、骨盤底筋へのダメージにつながります。
仕事柄、重いものを頻繁に持ち上げる方も同じく注意が必要です。腹圧がかかりやすく、お湯漏れやちならを発症しやすい傾向にあります。
■加齢
歳を重ねると、骨盤底筋も含めて全身の筋力が衰えやすくなります。とくに40歳以降は、女性ホルモンの一種であるエストロゲンが徐々に減少。
膣内のうるおいや弾力が失われて膣萎縮が起こることで、お湯漏れが発症しやすい状態になるのです。お湯漏れやちならは、加齢に伴う変化の1つともいえます。
自宅でできるお湯漏れ改善トレーニングと医療機関へ相談するタイミング

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お湯漏れやちならはデリケートな問題であり、誰にも相談できずに悩んでいる方が少なくありません。
ここでは、自宅でできる対処法をご紹介するとともに、医療機関へ相談する目安についてお伝えします。
■ケーゲル体操(骨盤底筋トレーニング)
骨盤底筋を鍛える方法として、ケーゲル体操(骨盤底筋トレーニング)があります。
ケーゲル体操とは、膣を意識的に閉めることで、骨盤底筋の筋力アップを図るトレーニング法。ケーゲル体操の手順は以下のとおりです。
- 仰向けの状態で両膝を軽く曲げ、足を肩幅に広げる。
- その姿勢のまま、肛門をぎゅっと締めるイメージで骨盤底筋を収縮させる。
- 締める動作とゆるめる動作を3秒ずつ繰り返す。
- 8~10回を1セットとし、1日に3~5セット行う。
ケーゲル体操に即効性はありませんが、数ヶ月程度継続すれば、お湯漏れやちならの改善が見込めます。隙間時間を活用しながら、できるだけ毎日続けてみましょう。
■生活習慣の改善
生活習慣の改善も、お湯漏れやちならへの対策として有用です。中でも意識したいのは、食生活と体重管理。
骨盤底筋は腹圧がかかるほどダメージが加わりやすいため、便秘や肥満にならない生活を心がけることが大切です。
便秘気味の方は、いもや海藻、きのこなど腸内環境を整える効果が期待できる食品を毎日の食卓に取り入れると良いでしょう。
肥満気味の方は、ストレッチやウォーキングなどで適正体重をコントロールしましょう。生活習慣を整えることで腹圧が下がれば、お湯漏れやちならの症状を緩和できる可能性があります。
■クリニックを受診する目安
ケーゲル体操や生活習慣の見直しといったセルフケアだけでは症状の改善が見込めない場合は、医療機関に相談することをおすすめします。
単なるお湯漏れと思うかもしれませんが、放置することで症状が悪化すれば、外出がストレスになったりパートナーとの関係に影響したりするケースも。
受診の目安は、「膣がゆるい気がする」「膣がゆるんでいるか知りたい」など、ご自身が気になったタイミングでOKです。
出産経験のない方は「出産してないのに恥ずかしい」と思うかもしれませんが、医療機関なら適した検査や治療が受けられます。
膣圧の低下に伴う不快な症状に悩んでいる方は、一度泌尿器科や婦人科などの専門医を受診してみましょう。
美容医療で膣のゆるみにアプローチする方法

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泌尿器科や産婦人科のほかに、美容クリニックで治療を受ける方法もあります。
■膣ヒアルロン酸注入
膣壁に専用のヒアルロン酸を注入し、ふっくらとした厚みを取り戻す治療法です。膣のハリや弾力がアップすることで、お湯漏れやちならを改善する効果が見込めます。
膣へダイレクトにヒアルロン酸を注入するため、施術直後から変化を実感しやすいのがメリット。注射のみで行えるため、ダウンタイムが少ないのも特徴です。
ただし、ヒアルロン酸は時間の経過とともに体内へ吸収されるため、施術直後の状態がずっと続くわけではありません。
手軽に受けられますが、効果を持続させるには、定期的なメンテナンスが必要です。
■膣壁形成
膣の入り口や硬くなった内側の粘膜を切開・縫合することで、膣口の大きさを整える施術です。膣縮小術と呼ばれることもあります。
膣壁がゆるんで広がることで起こるお湯漏れやちならの解消に有用です。切開を伴うため痛みや感染症のリスクはありますが、長期的な効果が見込めます。
ただし、術後に妊娠・出産を経験した場合は、再び膣がゆるむ可能性があるため注意が必要です。
■膣口形成
膣内部を縮小させることで、膣の締まりを取り戻したり、見た目を整えたりする施術です。余分な皮膚や粘膜を切除・縫合し、膣の入り口から奥までを引き締めます。
お湯漏れやちならで悩む方をはじめ、生まれつき膣の入り口が広い方からも選ばれている施術です。
メスで切開するため、術後は日常生活において、入浴や運動、性行為などに制限があります。
■膣ハイフ
膣ハイフでは、専用のハンドピースを使って粘膜下に熱を加え、膣のタイトニングを図ります。
熱によって軽いダメージを受けた組織が、新しいコラーゲンを生み出すことで、膣に弾力が生まれる仕組みです。
特徴は、超音波を当てた部分にのみアプローチでき、ほかの組織への影響がほとんどないこと。痛みやダウンタイムも少ない傾向にあります。
施術直後から変化を感じやすいこともメリットとして挙げられますが、効果の持続期間は6ヶ月~1年程度です。
■膣引き締めレーザー
フラクショナル炭酸ガスレーザーをデリケートゾーンに照射することで膣の粘膜を活性化させ、膣のゆるみに伴うお湯漏れやちならの解消を目指す治療法です。
熱エネルギーによって膣内のコラーゲンが増生し、ふっくらとハリのある状態へと導きます。
ハンドピースを付け替えれば、膣のゆるみだけでなく、尿漏れや黒ずみといったさまざまな悩みにも対応可能な機器もあります。
症状によっては、効果を実感するまでに複数回の施術が必要です。
まとめ
お湯漏れやちならは、出産してない場合でも運動不足や姿勢、加齢などが原因で起こる可能性があります。
程度が軽ければケーゲル体操や生活習慣の見直しなどで改善が見込めることもあるでしょう。
しかし、なかなか効果があらわれないときは、泌尿器科や産婦人科、美容クリニックなどの医療機関に相談するのも方法の1つです。
大切なのは、我慢することではなく豊かな人生を送れるよう前向きに行動すること。信頼できる医師に相談しながら、自分に適した治療法を検討してみてください。
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【治療の内容】膣壁形成(膣縮小手術)
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【リスク・副作用等】感染、出血、瘢痕、感染など
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・薬事承認を取得した製品を除き、同一成分や性能を有する他の国内承認医薬品および医療機器はありません。
・諸外国における安全性等に係る情報
-重大なリスクや副作用が明らかになっていない可能性があります。
・万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。
【治療の内容】膣への医療用HIFU(高密度焦点式超音波)
【治療期間および回数の目安】治療後3ヶ月~6ヶ月以降から再照射可能 ※治療期間や回数等はクリニックごとに異なります。
【費用相場】1回約¥65,000~¥300,000
【リスク・副作用等】熱感、むくみ、鈍痛、内出血、しこり、おりもの増加など
【未承認機器・医薬品に関する注意事項について】
・本治療には、国内未承認医薬品または薬事承認された使用目的とは異なる治療が含まれます。
・治療に用いる医薬品および医療機器は、各クリニック医師の判断のもと、個人輸入手続きが行われています。個人輸入における注意すべき医薬品等に関する情報は、下記をご参考ください。
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