「毎朝欠かさず日焼け止めを塗っているのに、なぜかシミが増える……」そう悩んではいませんか?それは、「ベタつくから」「白浮きするから」と、無意識のうちに塗る量を減らしてしまっていることが原因かも。
実は、日焼け止めの効果を左右するのは、製品のスペック(SPF/PA値)以上に「塗る量」です。どんなに高級で高機能な日焼け止めでも、適切な量で塗られていなかったら、その実力は半分も発揮されません。
今回は、日焼け止めの適正量や塗りムラ・塗り残しの実態をUVカメラの検証をもとに徹底解剖。10年後の美肌を守るための「鉄壁の塗布術」を伝授します。
INDEX
そのSPF値、発揮できていますか?まずは、適正量「2mg/㎠」を確認!
私たちが日焼け止めを選ぶとき、SPF・PAの値は主な判断材料の1つ。おそらく、これらの値=日焼け止め効果の強さ、と認識している人も多いと思います。
これらの値は、
- SPF:赤みや炎症を引き起こす紫外線B波
- PA:肌のシワやたるみにつながる紫外線A波
に対する防止効果を示す指標。高い日焼け止め効果を得るために、SPF値が高く、PAの“+”の数が多いものを選ぶ人も多くいるでしょう。
しかし、適正量を守らないとせっかくのSPF・PAの効果を十分に得られない可能性があることはご存じでしょうか?
日焼け止めの適正量「2mg/㎠」ってどのくらい?
日焼け止めのパッケージに記載されているSPFやPAは、日本化粧品工業連合会が定めた規定量「肌の1㎠あたり2mg」を塗布した状態で測定された値です。
つまり、この基準となる量=【2mg/㎠】が日焼け止めの適正量。この量よりも多く塗らないと、日焼け止めの効果が十分に得られなくなります。
これを一般的な日本人の顔の面積(約400㎠)に換算すると……
2mg × 400~500㎠ = 800~1,000mg(約0.8~1g)
顔全体で必要な塗布量は【約0.8~1g】が目安になります。
0.8~1gというのは、クリームタイプの日焼け止めで“パール2粒分(直径1cm程度)”くらい。おそらくほとんどの人が「べたつきそう」「白くなりそう」と感じるような、想像以上に多い量かもしれません。

出典:【5月の紫外線量は真夏並み】SPF・PAの誤解率78.3%|皮膚科医が教える日焼け止めの正しい選び方と塗り方 | 医療法人社団鉄結会のプレスリリース
皮膚科・形成外科の「アイシークリニック」が行った調査*によると、20~60代男女300名のうち、「適正量を知っている」が約16%、「薄く伸ばせる程度/適正量の半分しか塗っていない」が約70%という結果に。
日焼け止めの適正量はそれほど浸透しておらず、大半の人が少ない量を塗っているというのが実態です。
*「SPF・PAの理解度と日焼け止めの使用実態」(全国の20〜60代の男女300名が対象)|皮膚科・形成外科を中心とした皮膚腫瘍・皮膚外科専門のアイシークリニック
日焼け止めを効果的に使うためのポイント
日焼け止めの効果を十分に得るためには、私たちが「少し多い」と感じる量を塗ることが重要。薄く伸ばして塗る方法も、塗りムラになりやすくおすすめできません。
肌の凹凸をしっかり覆えるほどの“厚み”が必要、ということをよく覚えておいてください。
【検証】ポンプ・クリーム・スプレーなどタイプ別の適量リスト
製品タイプによって異なる「適量」とは?
日焼け止めの適量を測るには、テクスチャーの違いにも注意が必要です。
| 日焼け止めのタイプ | 適量の目安 |
| リキッド | 1円玉2個分 |
| クリーム/ジェル | パール粒2つ分 |

日焼け止めにはリキッドタイプを霧状に噴射するスプレータイプもありますが、塗布量を調整しづらく、適正量を守るのが難しいというデメリットがあります。
スプレータイプを顔に使用する際には直接噴射せず、手のひらに出してからなじませるとより均一に塗ることができます。
【コスパで考える】適正量の日焼け止めがもたらす「10年後のメリット」
もしかしたら「日焼け止めをたくさん使うのはもったいない」と思う方もいるかもしれません。しかし、「シワやシミ、たるみなどの肌老化の約8割は紫外線が原因」という調査結果も。
こうした紫外線に起因する老化=“光老化”を、正しい日焼け対策によって防ぐことは、数年後にレーザーや注入施術などの美容医療に頼る可能性を大幅に下げることにつながります。
正しく日焼け止めを使うことは10年後の美容医療コストを大幅に抑えられる、タイパ・コスパに優れたエイジングケアなのです。
「1回で塗る」からムラになる?NEROが推奨する“ミルフィーユ塗布”の極意
適正量の約0.8~1gを1度に顔に塗ろうとすると、多くの製品で白浮きやヨレ、メイク崩れが起きやすくなります。そこでNEROが推奨するのが、プロも実践している「ミルフィーユ塗布(2度塗り・レイヤリング)」のテクニックです。
鉄壁の“ミルフィーユ塗布”|基本のステップ
①【1度塗り】“5点置き”で顔全体をカバー
しっかりとスキンケアをなじませたあと、適正量の半分(約0.4~0.5g)を手に取り、額・両頬・鼻・あごの5点に置いてから顔全体に均一に塗り広げます。
②【2度塗り】日焼けしやすいところを補強
1層目がなじんだところで残りの半分を手に取り、頬骨・鼻筋・額など紫外線が当たりやすいところを中心に重ね塗りします。
③【さらに重ね塗り・塗り直し】紫外線防止効果を長くキープ
さらに気になるところは多めに重ね塗りするのもおすすめ。紫外線防止効果を長く保つために、日焼け止めは少なくとも2~3時間ごとに塗り直しましょう。
「日焼け止めは朝塗ったら終わり」という人も多くいますが、ウォータープルーフタイプであっても塗り直しは必須。汗をかいたらすぐに塗り直すという意識を持つことが大切です。
【プロの技】日焼け止めは「塗る(擦る)」のではなく「置く」
指先を横に強く滑らせて擦るように塗ると、せっかく作った1層目の膜が削れてしまいます。日焼け止めをなじませる時は、手のひらや指の腹を使い、肌の上に優しく「置く(スタンプする)」ようにフィックスさせるのが、バリア膜を壊さないプロの技です。
塗りムラや塗り残しが発生しやすいのは?UVカメラで検証!
日焼け止めは適正量を守ることと同じくらい、均一に塗り広げることが重要なポイント。とくに「鼻の横(小鼻のキワ)」「髪の生え際や眉間」「耳の裏」「フェイスライン」などは、塗り残しが起こりやすいので、“うっかり日焼け”を防ぐためにも注意が必要です。
とはいえ、塗りムラや塗り残しは見ただけではなかなか気づきにくいもの。そんなときに便利なのが、紫外線を可視化できる【UVカメラ】です。
UVカメラとは、普段は見ることのできない紫外線を可視化できる特殊なカメラ。美容クリニックなどの肌診断で用いられていますが、簡易的なものなら市販でも購入することができます。
さて、実際にどのくらいはっきりと映るのか、撮影した画像でチェックしてみましょう!
<日焼け止め塗布前>
こちらが日焼け止めを塗る前の、何も塗っていない状態。UVカメラを通してみると、紫外線が当たっているところは白くなっていることが分かります。
<日焼け止め1度塗り後>
日焼け止めを1度塗った状態。塗る前と比べて黒く見えるところが、日焼け止めが塗れている部分です。白いところとの差が大きく、塗りムラがあることが分かります。
<日焼け止め2度塗り後>
そして、こちらが2度塗り後。1度塗りと比べると全体的に黒くなり、塗りムラが目立ちません。
両頬や額など少し白いところは日焼け止めが当たりやすい部分なので、さらに重ね塗りするとより日焼け止めの効果が高まりそう。使用量が多ければ多いほど、塗りムラや塗り残しは起こりにくくなります。
まとめ
NEROが伝えたいのは、日焼け止めの適正量を守り、均一に塗り広げてもらいたいということ。
例えば、高級な日焼け止めを少しずつ使うよりも、お手頃な日焼け止めを適正量でたっぷり惜しみなく使うほうが、あなたの大切な肌を紫外線ダメージから守り抜くことができます。
日焼け止めの効果は「何を使うか」だけでなく、「どれだけ使うか」に大きく左右されます。SPFやPAの数値を信頼するためには、前提となる“2mg/㎠”という塗布量を満たすことが不可欠。
「紫外線対策は、将来の肌状態にも関わる日々の積み重ねである」ということを忘れずに、無理のない範囲で自分に合った方法で継続していくことが大切です。
この記事を読んだあなたにおすすめの関連記事
| ・当サイトは、美容医療の一般的な知識をできるだけ中立的な立場から掲載しています。自己判断を促す情報ではないことを、あらかじめご了承ください。また、治療に関する詳細は必ずクリニック公式ホームページを確認し、各医療機関にご相談ください。 ・本記事は、執筆・掲載日時点の情報を参考にしています。最新の情報は、公式ホームページよりご確認ください。 ・化粧品やマッサージなどが記載されている場合、医師監修範囲には含まれません。 |





